【6月号⑥】「金の蛹と、魔法薬草を求めて ―― ウォークラリーで、虫たちの世界へ ――」 ももか

 

 さぁ、盛男おじいちゃんの山へ探検に出発です!
 私たちはこの山に住む虫たちの信頼を獲得し、レインボーバタフライの金色のさなぎを羽化させるために必要な、六種類の魔法薬草を持ち帰る、というミッションがあります。そのミッションをクリアし、山から帰ってこられるでしょうか……。

 実行委員さんから、冒険に必須な地図、そして、魔法薬草を入れる小瓶とスケッチブック、そしてそして、ミクロサイズになれる魔法薬をもらいました。

 一人一つ魔法薬を口に含むと、(ぱくっ)シューーー…あっという間に私たちはミクロサイズに! これで準OKです。
 私は今回、お父さん・お母さんチームで、大竹さんやたけちゃんも一緒です。昆虫にも詳しく、負けん気も強く、このメンバーとならどんな昆虫が相手でも仲良くもなれそうだいし、倒すこともできそう。気合いも十分です。それでは、出発進行!!

 

 

 地図を頼りに歩いて、歩いて………初めはおじいちゃんの畑の周りを歩いていると、あっ! 初めに私たちの目にとまったのは、クイズの書かれた看板です。
「昆虫は約二百万種と言われるこの地球上の生き物の中で、どれくらいの割合を占めているでしょうか?」
A:二十五%
B:三分の一
C:半分
 選択肢はこの三つ。お父さんや大竹さんたちと、考えに考えます。

(生き物の中でも、昆虫はもっとも多いと聞いたことがあるような。三分の二……という数字をものすごく聞いたことがある)
 私たちは「三分の二」だと思ったのですが、それは選択肢にはありません。BかC、迷った末、私たちはBの三分の一を選択。
 まだ迷いはありますが、まだ始まったばかりです。ここで立ち止まっていては先に進むことができません。この答えを信じて、再び歩き出します。

 

 

■すてきな空間

 空を見上げると、雲一つない快晴で、みんなと一緒に歩いているだけで、ルンルンになってしまうくらい、気持ちがよくて、ウォークラリーにうってつけの天気です。

 今まで坂を下ってきたのですが、段々上り道になってきた、と思ったら、いよいよ盛男おじいちゃんの山へ突入です。
 一歩踏み出すと、そこには、檜の森の爽やかな香りと、木々たちに囲まれ、すてきな空間が広がっていました。
 そして、すぐ目の前には、なんと私たちの身長を遙かに超える、三メートルほどある大きな大きなタケノコが何本も聳えたっていました。触ってみるとまるで動物のようにふわふわとしていて、気持ちがよくて手が離せません。

 そして、その先に、一番初めのアトラクションのブースが見えてきました。そこは、擬態の森。

 

 

「自分と同じ色に隠れて進め、だるまさんが転んだー!」
 山の中には、赤・青・黄の3色のトンボやチョウなどの飾りがあり、私たちは擬態する虫になって、だるまさんが転んだをしながら、止まるときには、自分が決めた色に触れて、虫のポーズをしなければいけません。
 そして無事に、山の奥にいる鳥さんに見つからずに、鳥さんの所までたどり着けたらゴール。

 

 

 私たちのチームのハイライトは大竹さんの「だるまさんが転んだ」です。
「だるまさんが転んだ!」
 という声が聞こえ始めたと同時に、ものすごく俊敏に走り出したっ。と思ったら、木の根に躓き大竹さんが転んでしまった!?
 衝撃な出来事に思わずみんな口をあんぐり。同時に笑いもこみ上げてきました。
 しかし、転けて終わりはしません。もう一度リベンジです。

 次は華麗に色から色へと光のスピードで移動し、瞬く間に鳥さんの所まで辿り着いた、大竹さん。ものすごく格好良い………。
 大竹さんを含め三人が無事に鳥さんの所まで辿り着き、無事にミッションクリアです。

「だるまさんが転んだ」の声が途切れるまでに、自分の色へ走り、虫のポーズをするのはスリルもあり、はらはら・どきどき。だけれど、擬態する虫の気分になれて、鳥さんまで辿り着けると、とっても嬉しかったです。
 ゲームがクリアできたので、初めて魔法薬草をゲットです。
 次は何の虫さんたちが私たちを待ってくれているのでしょうか。

 

 

■巨大クモと勝負

 続きましては、蜘蛛の森。上を向いても、下を向いても広がる真っ白なクモの糸。そして、黒や赤のカラフルなクモさんたち。それに奥には巨大クモの姿も。

 ここでのゲームは、クモさんとじゃんけんをして、勝ったらクモの糸を一画進むことができ、負けたらクモさんが一画進むことができ、私たちがクモの巣の真ん中にある黄色の餌を取りに行けたら勝ちというゲームです。
 頭脳戦であり、運試しでもあり、勝負はいかに!?

「さいしょは、グー、じゃんけん……」
「パー!」
 あれっ、どれだけやっても、あやかちゃんグモに負けてしまいます。
 実行委員のあやかちゃんが、ものすごくじゃんけんが強い。私もお母さんも、開始から一回もじゃんけんに勝てずに、クモさんに食べられてしまいました。

 お父さんは、餌の一画手前まで進み、クモさんに食べられてしまうか否かも次で決まる、ラストの一歩。というとってもハラハラ・ドキドキ、運命の時を迎えていました。お父さんが気合を入れて
「最初はグー、じゃんけん……」「グー、あいこで…」
「パー!」
 あーっ!! 最後の最後というところで、お父さんが食べられてしまいました。おじいちゃんの山の中にはお父さんの叫び声が響き渡ります。あやかちゃんクモさん、じゃんけん強し……。

 

 

 しかし、そんな中、私たちのスーパースター大竹さんが見事に勝ち進み、餌までたどり着くことが出来ました。ありがとうございます! クモの巣の真ん中がキラキラと輝いて見えました。よし、次の森へ。

 どんどん山を登っていくと、そこには木で作られた大迫力な蜂さんが。そうです、ここは蜂の森。
 ミツバチにとって天敵となるのは、オオスズメバチ、アブ、人、クマ、鳥など。ここでは吹き矢を使って、ミツバチの外敵たちと戦います。中には、大きく手を広げ立ちはだかるギブソン(ウィンターコンサートに登場した悪役)の姿も。

 絶対に仕留めてやる!
(心の目で見る……)
 吹き矢を手にし、心を静め、私は一体のアブを狙いました。ふっ! お腹から強い息を吐きだし、思いっきり的に矢を突き刺します。
 スイートスポットではないけれど、当たりました。一安心。

 

 

 それから見事に大竹さんが、オオスズメバチとクマのスイートスポットを当ててくださって、撃退。
 そしてみんなで確実に的に矢を当て、一匹ずつ撃退。惜しくもギブソンを撃退することが出来なかったのですが、それ以外は確実に仕留めました。
 もっともっと吹き矢の腕を磨いて、どんな敵が相手でも撃退できる力をつけたい!

 

■合図だけを頼りに

 続いて、アリの森。そこでは黒と白のアリの小人さんが私たちを迎えてくれました。
 チャレンジするゲームは、
「視覚を使わず、仲間を見分けろ、目隠しロープチャレンジ!」
 チームの中で一人、目隠しをする〝リーダーアリ〟を決めて、リーダーアリが視覚を使わずに、手で触った感触と、チーム内で決めた合図だけを頼りに、仲間のアリか、敵のコオロギかを当てるというゲームです。

 

 

 一回戦目はお母さん、二回戦目はつきちゃんが、リーダーアリをしてくれました。私たちのポーズは、片方の手は腰に手を当て、もう片方の手は頭に当てる。と、いたってシンプル。しかし敵にばれないように仕組んだ秘密は……リーダーアリが手を触った時に、指をピロピロと動かす!

 その作戦は見事に成功し、お母さんも、つきちゃんもスラスラと敵か味方を見分け、名前も次々と当ててくれました。
 しかし、お母さんの回で可愛らしい出来事がありました。それは……目隠しをかけ、まるで見えているかのようにスラスラと仲間の名前を当てていくお母さん。
「味方です、ゆきなちゃん」
「味方です、大竹さん」

 しかし、最後の最後、つきちゃんのところまで来たとき、思考停止。(誰かわからない!)という状況に陥ってしまいました。
 お母さんは必死で考え、考えているとことろに。「お母さん、つきちゃんだよっ!」という声が。これまでルールを守って何も口にしてこなかった、たけひろくん。ついに堪え切れずに正体を明かしてしまいました。
 その時の表情といい、伝え方といい、とっても可愛らしくて、ほっこりとした瞬間でした。

 

 

 アリさんになりきって無事にミッションクリア。次の森へ!
 道の途中ではクイズにも答えながら、次の森へ……そこは、蝶の森です。森の木々の間から差し込む光の中、数々の美しい蝶たちが優雅に空を飛んだり、止まったりしていました。息を呑むほど美しいその光景に、心癒されます。
 そこでは、金のさなぎを見つけだします。この中に隠されたさなぎ、四方八方、ありとあらゆるところを見て探します。

 実行委員のどれみちゃんが、「つきちゃん近いよ!」「あっ、遠くなった!」とヒントをくれたり。山の中にはシダ植物やキノコ、檜にモミの木、色々な植物や昆虫が見えますが、金のさなぎは見当たりません。一体どこにあるのでしょうか。
「三、二、一……終了です!」
 三分が一瞬にして経過してしまい、終了してから、どれみちゃんが、より分かりやすいヒントをおまけで教えてくれて、木の葉の裏に、金のさなぎ発見です。

 

 

 続いて、次の森に行く前に、みんなでレッツ・タケノコ堀り! 竹林を登ってまず先が十センチほど出たベストタイミングのタケノコを発見です。それをお母さんや、大竹さんみんなと協力して慎重に周りを掘り、ポロっ。見事、根元から奇麗に採れました! やったー。

 

 

 あっという間に最後のゲームブースへ。そこは、トンボの森。

 坂道を下った先に見えてきたのは、巨大な肉食トンボの「オニヤンマ」。そこには、なのはな建築隊長の須原さんと共に、三人の小人が待っていました。

 

 

■オニヤンマと空を飛んで

 私はジップラインを今か今かと待っていたので、思わず「やったー!」と歓声を上げてしまうほどうれしかったです。
 今回は、肉食のオニヤンマに掴まって、空を飛びながら、ハントにチャレンジ!
 一人二球の松ぼっくりボールを片手に、ジップラインを滑りながら、虫たちが描かれたフラフープの輪に松ぼっくりボールを見事、投げ入れることができたら成功です。

 

 

 松ぼっくりを手に、ルンルンでオニヤンマにまたがります。そして、シューー! 強度も距離もバージョンアップしている、オニヤンマ・ジップラインは……最高に楽しい!檜の香りをかぎながら風をきって、山を滑り降りるのは、何とも爽快です。
 松ぼっくりを輪っかめがけて投げる、と思ったら、あらら……なんかグルっと回転、方向が分からなくなってしまって、悔しくも入れることが出来ませんでした。

 しかし、ほかのみんなは回転することなく真っすぐと進み、必ず松ぼっくりを入れていました。なんと私たち最高得点!?オニヤンマに乗り、滑る笑顔から、みんなの、楽しい! という気持ちが溢れ出ていて、見ていてもすごくうれしい気持ちになりました。

 これで終わりかと思いきや、須原さんからのミニゲームがありました。その名も、「成功したらプラス一点、失敗したらマイナス一点、スラックラインの綱渡り」!
 私は綱渡りが大好きで、一目見た瞬間、(絶対挑戦したい!)と思いました。その願いはかない、いざ……。

 

 

 慎重に行きたいところだけれど、十秒しかないからサクサクと。お猿さんになった気分で、私はちょこちょこと、だけど一歩を速く、進んでいき。無事にクリア! 他のみんなも次々にクリアしていくのですが、中でも大竹さんは速い速い! 一歩がものすごく大きくて、豪快に綱の上を渡り、最短時間である七秒題で渡り切っていました。

 何度やっても飽きない! また記録更新に挑戦したいです。

 

■スケッチ&ランチ

 全ての森のミッションをクリアしたところで、(グーッ……)お腹が空腹を告げているのが聞こえます。そういえば、今、何時だろう……ウォークラリーの間は時計を見ることはできないのですが、そろそろお昼の時間でしょう。たけひろくんもみんなも、お腹ぺっこペコです。

 そんな私たちの期待に応えるように、「スケッチ&ランチスペース」が現れました。
 ウォークラリーの直前までりゅうさんが揚げてくださっていた、鮭フライとタルタルソースのたっぷり詰まったサンドイッチと、あゆちゃんやお仕事組さん特製の桃ジャムホイップサンドの昼食を、山の中でいただきます。

 

 

「ん〜、おいしい〜〜!」
 一口食べたら、止まらないくらいに、鮭フライタルタルサンドも桃ジャムホイップサンドも美味しくて、山の中でこうしてみんなと食べると、よりいっそう美味しくて、心も身体も一気に満たされました。

 

 

 そして最後は落ち着いた気持ちで、スケッチタイム。割りばしペンと墨、スケッチ用紙を両手に、おじいちゃんの山を見渡して題材を探します。
 栗のイガや、太陽の光と紅葉、緑緑のコケ……どんなものにも、それぞれのよさがあって、一つ選ぶのには迷います。けど、これだっ! と私が特に心を奪われた、太陽の光が差し込み照らされた木木。私はこれをスケッチすることに決めました。

 澄んだ空気の中、時間を忘れて、その木を見つめ、一本一本を丁寧に描いていきました……。
 ふと、周囲を見渡すと、みんなも真剣な眼差しでスケッチをしている姿があり、自然の植物だけなく、みんなにも太陽の光が葉の隙間から差し込み当たっていて、神々しく輝いて見えました。

 

〈相川さんのスケッチ〉

 

 一人一作品描けたところで、後は山小屋までまっしぐらです。山を登り、アトリエを通りすぎれば、みんなのテントがあり、最後の坂を下ったら、ゴール! 無事に山小屋に到着しました。

 私たちが到着した頃にはすでに、よしえちゃんチームの相川さんや、ななほちゃんたちがゴールしていたようで、あゆちゃんたちと笑顔で迎えてくれました。

 意外と時間ピッタリに帰ってこられたのではないか。と思ったのですが……どうやら今回、私たち含め全チーム、盛男おじいちゃんの山をたっぷりと堪能し、虫たちと共に山を満喫していたようで。予定より大きくずれ、一時間超えのゴール。しかし、その分、目一杯楽しめました。

 

 

 ゴールしてからは、なっちゃん・りのちゃん作、キンキンに冷えたなのはな特製マクワウリスムージーを飲んで、興奮して発熱した心と身体を程よくクールダウンさせてくれました。

 他のチームの帰りを待っていると、須原さんの肩に何やら可愛らしい虫さんの赤ちゃんを発見。その正体は、擬態の森でおなじみ「ナナフシ」です。指の第一関節もない程小さくて、糸のように細い身体、よくよく見てみると、一歩一歩、踏み出すごとに身体を揺らし、ナナフシ特有の動きをしながら進んでいました。その姿がとっても可愛くて、心癒されました。

 

〈ナナフシの赤ちゃん〉

 

 他のチームのみんなも着々と山小屋に到着し、最後はクイズの答え合わせとみんなのスケッチの採点、そして結果発表へ。
 クイズの答え合わせでは、「へーっ!」「あーっ!」と沢山驚くこともあり、虫についてより詳しく知ることが出来て、好きな気持ちがまたぐんと大きくなりました。そして山小屋のステージにずらりと展示されたみんなのスケッチを一つひとつ見ていると、どれも美しくて、短時間でペン画で描いたとは思えないくらいに、盛男おじいちゃんの山が描かれてました。

 盛男おじいちゃんの山で、色々な虫、植物に出会って、みんなと沢山遊んで、満喫して、より、この場所と自然の生き物が大好きになった、山小屋ウォークラリーでした。

 

【山で出会った虫たち】
須原さんと、建築メンバーが作った大迫力の虫たち!

〈サソリ〉
〈ミツバチ〉
〈カマキリ〉