キャンプ一日目の夜は……バーベキューと、有志の出演者によるライブ!
秘密基地づくりをして、みんなのお腹はペコペコ。プレートにはきれいに盛りつけられたお肉。そしてなにやらアルミホイルに包まれているものが二つ。これは何だろう……。中をのぞいてみると、一つは皮つきの里芋。もう一つはお餅です。珍しい具材に、ワクワクした気持ちと、腹ペコ感が増していきました。
チームごとにドラム缶を囲んでバーベキューがスタート。薄暗く、肌寒くなってきた山の中で、温かい焚火を囲んでのバーベキューです。基地づくりのことなどを話しながら、みんなで賑やかにするバーベキューは、心も身体も満たされました。
バーベキューが終わってきたころ、みんなのライブがスタート。今回は、新しい子たちもみんなエントリーしてくれていて、総勢十四組ものチームがエントリーしているとのこと。どのチームが、どんなライブをしてくれるのか、すごく楽しみでした。
一チーム目は、のんちゃん、よしみちゃん、まなかちゃんのフラダンス。のんちゃんと、よしみちゃんがフラダンスを踊り、まなかちゃんが歌って、新曲を披露してくれました。ゆりかちゃんが振りつけてくれたというフラダンスは、やっぱり魅力的で、それを踊ってくれている、のんちゃんとよしみちゃんの晴れやかな笑顔がダンスをより引き立たせていました。
最後のインタビューのとき、のんちゃんが、お父さんとお母さんに、
「この曲を今年のイベントで採用してくれますか?」
と聞くと、お父さんが、「採用します!」と答えてくれて、なのはなファミリーのレパートリーが増えた瞬間でした!
なのはなへ来て間もない子達も、シスターさんなどと一緒に歌を歌ってくれて、初めて聞く歌声に新鮮な気持ちでも楽しめました。なのはなに来て回復していくスタート地点に立った新しい仲間たちが一生懸命歌っている姿は、すごくきれいで勇気づけられました。それを聞いているみんなの目線や空気が暖かく、心地の良い空間でした。
注目のグループは、前回のライブで結成された〝TATSUMI〟ひろこちゃん、まちちゃん、みつきちゃんの三人からなる漫才トリオです。前回は大爆笑の渦にみんなを巻き込んで盛り上げてくれました。
■漫才チーム登場
今年はどんな漫才が繰り広げられるのか。みんなの期待を背負って登場です。漫才のテーマは「夢」について。正夢になった夢のことを話題にコントが進んでいきました。印象的だったのは、ひろこちゃんが見た夢について。
ことごとくまちちゃんが怒られる夢や、まちちゃんが失敗する夢で、どんどんまちちゃんが落ち込んでしまって、二人が険悪なムードになっていくのを、必死にみつきちゃんが慰めながら仲たがいをしていく。でも、ひろこちゃんはずっと平気な顔でいる、というくだりが、少し心が痛いような気もしたけれど、失敗談は喜劇にもなり、すごく面白かったです。
コントに登場する三人は、普段の三人のキャラクターともつながっている部分もあって、一緒に過ごしているからこその面白さも感じられました。
ここではうまく書ききれないけれど、ずっと笑いが絶えない漫才を今回も披露してくれた〝TATSUMI〟でした。
■スペシャルゲスト
ライブにはスペシャルゲストも出演してくださいました!
まずは大竹さん。『アンジェリーナ』という曲をアコースティックギターで演奏してくださいました。『アンジェリーナ』は、なのはなファミリーのウィンターコンサートでも演奏した曲です。その時に素敵な曲だなと思って、密かに練習を積み重ねてこられたそうです。山の中、暗くなった夜にライトに照らされて、真剣なまなざしでギターを弾いている大竹さんの姿はすごく素敵で格好良かったです。改めて、なんでもできてしまう大竹さんが本当にすごいなと思いました。とても素敵な演奏にみんなが惹き込まれ、癒された時間でした。
続いては相川さん。デザイン系の仕事をしていらっしゃる相川さんが、なのはなファミリーのみんなの絵を二十人分ほど描いてきてくださいました! 少しデフォルメされている絵だったので、一枚一枚見せながら、誰の絵かを当てていくクイズ形式で進められました。主に『ハウ・ファー・アイル・ゴー』『ビューティフル・ピープル』、金時太鼓、という三パターンの衣裳の絵です。
パッと見て誰か分かる絵がたくさんあり、少しキャラクターチックに描かれているにもかかわらず本当にそっくりで、しかもすごく可愛くて、感動しました。それぞれの特徴があらわれていて、眉毛や口元や髪型など、細かい部分まで再現されて可愛く仕上げられている絵を当てていくのが、すごく楽しかったです。
次は誰なんだろう……と次から次にどんどん見たくなりました。
中には、眉毛と目と前髪だけ、というドアップの絵もありました。大竹さん、なおちゃん、たけちゃんの絵だったのですが、眉毛と目と前髪の形、目と眉毛の間隔、メガネと目のバランスが、それぞれ絶妙に再現されていて、顔の一部だけでも、言われてみたらその人にしか見えないくらいそっくりでした。自然と引き付けられてしまう、ユーモラスな絵が癖になってしまいました。
お父さんとお母さんの絵は、本当に素敵でした。お父さんは唐揚げを掲げているところ、お母さんは美しい浴衣姿の絵。お父さんも、
「お父さんの絵が一番気に入った!」
とおっしゃられているほど、お父さんの唐揚げ屋さんの絵は格好良かったです。
相川さんは、このときの絵をプレゼントしてくださり、今は、なのはなファミリーの校舎内の廊下に額縁に入れて飾られています。大竹さん、なおちゃん、たけちゃんのドアップの絵には、こちらを見られているような感覚になり、三枚並んでいると圧巻の存在感があります。廊下を歩くたびに少し上を見ながら、みんなの素敵な笑顔が描かれている絵を見られると元気が出て気持ちが癒されます。本当に素敵なプレゼント。なのはなの宝物になりました!
■りゅうさんとひでゆきさん
みんなのライブで欠かせないのが、サンシャイン・リュウ! りゅうさんは、こうした機会に、いつも素敵な曲を歌ってくれます。今回も二曲用意してきてくださいました。
一曲目の『One Love』という曲は、あたたかいラブソング。途中から、スタッフのあゆみちゃんの旦那さんである、ひでゆきさんも一緒に歌ってくださいました。りゅうさんはあゆちゃんへ、ひでゆきさんはあゆみちゃんへの大好きな気持ちを、みんなの前で熱唱しているお二人の姿がすごく格好良くて、照れくさいような、でも幸せな気持ちをたくさんもらえました。
初めて聞く、ひでゆきさんの歌声はすごく太くて力強く、ひでゆきさんの暖かさが滲み出ているようにも感じました。有名な曲なので、最後は、知っている人は一緒に! と言ってくれてみんなで歌えたことも嬉しかったです。
私も二つのチームに入って出演させてもらいました。一つは、『オーシャンゼリゼ』の曲を、まなかちゃん、なつみちゃん、りのちゃん、せいこちゃんと一緒に歌いました。キャンプバージョンに、まなかちゃんが替え歌を作ってくれた歌詞がすごくお気に入りです。
「いつも何か素敵なことが あなたを待つよ 山小屋キャンプ」
という、サビの最後の歌詞が、練習を始めてからいつも頭の中で流れていました。何回も曲の中でも出てくる、この歌詞をみんなで歌えたことがとても嬉しかったです。
今回キャンプが初めての、りのちゃんとも出演できました。練習を一緒にする時間は長くはとれなかったけれど、りのちゃんの優しさや前向きさを感じられることが本当に嬉しくて、一緒にできたことだけで幸せでした。
■『キボウ』
もう一つは、どれみちゃんがリーダーで、なのはなのオリジナル曲の『キボウ』を歌わせてもらいました。この曲は、お父さんが作詞をし、さとみちゃんが作曲をしたものです。
最初に誘ってもらって曲を聞いた時、初めて聞く曲だったけれど、一度聞いただけでサビはすぐに入ってきて、頭の中でながれていきました。第一印象は、本当にいい曲で、自分たちの曲なんだな、と思いました。
「僕が君を支えられたら、君が僕を助けてくれる。僕は君のために生きる。君につながる人のために」
という歌詞が、私は大好きです。この歌詞に、生きる意味が凝縮されているように感じて、この気持ちがあれば自分が強くいられて、まだ見ぬ誰かを守るための自分であれると思えます。
なのはなで、まだ見ぬ誰かのために希望になること、新しい世界をつくっていく人として生きていくこと、それが私の希望です。
「私の未来、あなたの未来。同じところ見てたらいいな」
それは、これから出会うまだ見ぬ誰か。同じ志で、なのはなに共感して利他心で生きていきたいと願う人達。生きやすい世界を作っていく仲間です。そんな願いを込めて歌えたことが、すごく嬉しかったです。
「普通に生きる、それはできない。私の心、走れと騒ぐ〜」
という一番の最初の歌詞も、本当にその通りだな……と実感します。苦しいときも、心の中ではずっと〝走れ〟と騒いでいたんだということが自分の中でしっくりきて、そうだったんだ……と思いました。
普通に生きられない、逆に、良く生きることしかできない。その幸運な宿命をしっかり胸に刻んで、誇りにしていきたいと、この曲を通して改めて強く思うことができて、私にとっても本当に大切な曲になりました。
『キボウ』という曲に出会えたこと、みんなと一緒に歌わせてもらって、まだ知らなかった子達にも知ってもらえたことが本当に嬉しかったです。
バーベキューから始まって、十四組ものチームが出演してくれた、みんなのライブ。盛りだくさんの楽しい夜でした!