【6月号③】「虫たちのスタードーム あらわる!」 ふみ

 

 山小屋キャンプ一日目の秘密基地づくりでは、竹を使用して『スタードーム』を作りました。
 制作の前に、須原さんがスタードームの作り方講習会を開いてくださって、五メートルの竹をどのように組み立てていくか、方程式を使いながら説明してくださいました。

 少し理解が難しいところもあったけれど、どう組み立てていけばいいのかを、須原さんが教えてくださったので、教えていただく前よりイメージがつきました。須原さんの講習がなかったら作り方ををイメージすることもできなかったので、とても有難かったです。スタードームのミニチュアの模型も作ってくださっていて、そのミニチュアの模型も見させてもらいながら、制作に入りました。 

 私は、あゆちゃんとまえちゃんチームで、須原さんの講習を受けたあとに、実際にチームで制作すると、(あれ? どうだったけ?)と迷うこともありました。
 竹のどことどこを結んだらいいのか、作り出すまでに少し時間がかかってしまったけれど、須原さんがミニチュアの模型を持ってきてくださって、その模型と照らし合わせながら、少しずつドームの形になっていきました。

 一番土台となる地面に置く竹は、二本の竹を使って円の形にしました。
 一本の竹を曲げて、もう一本の竹も曲げて、竹と竹が重なった部分をスズランテープで結ぶときに、竹を手でしならせて、カーブさせるのもすごく力が必要だったし、竹がまっすぐに戻ろうとして、その竹を手で押さえるのに必死でした。

 

 

 今回は割竹を使いましたが、それでも、竹のまっすぐであろうとする強さを感じ、そのくらい私も、まっすぐに強くありたいと思いながら、竹と竹を結びました。
 ドームの頂点のところで竹と竹が重なる部分を縛っていたら、頂点が星型になっていて、形になっていくのが嬉しかったです。
 須原さんが作ってくださったミニチュアの模型を見ながら、ここから一本の竹が出発して、対照のところに渡して……みんなで考えながら進めていくと、ドームの側面となるところにも星型ができていて、ドームが完成しました。
 みんなで作った一つだけの星型ドーム。お家が一つ増えたような、嬉しい気持ちでした。

 

 

■コンサートに繋がる衣裳

 ドームは完成して、少し時間があったので、竹をノコギリで輪切りに切って、それをテントウ虫の羽の丸の模様のように飾りつけをしました。今回の秘密基地作りでは、キャンプ全体のテーマ、そして今年のウィンターコンサートのテーマである「虫」をイメージした衣裳を着たモデルさんが、基地の隣に立って写真を撮りました。

 私は、あゆちゃんとまえちゃんチームで、モデルさんはまこちゃんでした。
 私たちの虫は「テントウムシ」。
 私は、衣裳考案のときはいられなかったのですが、あゆちゃんやチームのみんなが考案してくれていた衣裳を、秘密基地作り当日に見ました。

 テントウムシなので、赤が基調になっていて、テントウムシと同じように内羽根がちゃんと見えるような工夫がされていたり、なによりも、モデルのまこちゃんにとても似合っていて素敵でした。

 

 

 蝶ネクタイや赤のジャケット、そして、パンツも水玉模様の赤いパンツで、丸みを出すために、背中側に丸みを出したりしていて、テントウムシの衣裳を着たまこちゃんが、「衣裳をみんなが考えてくれて、こんなに素敵な衣裳を着られて嬉しい」と笑顔で話してくれたことが嬉しかったです。

 まこちゃんがテントウムシをモチーフにした衣裳を着て、ドームの横に立っているまこちゃんが嬉しそうで、私もまこちゃんの笑顔を見るだけで幸せな気持ちになりました。

 他のチームの完成したドームや虫の衣裳を着たモデルさんとセットでみんなで見ながら、お父さん、お母さんがそのドームやモデルさんを見て点数をつけてくださいました。須原さんとさくらちゃんチームのドームと、モデルのあやちゃんのタマムシをテーマにした衣裳もすごく素敵でした。地面にも竹で星型が作られていて、細部まで美しい須原さんとさくらちゃんチームのスタードームが本当に住めそうで、一つの旅館の一室のようでした。チーム以外でもみんなが作ったドームを見られて嬉しかったです。

 

 

■助け助けられる

 キャンプの前に、お母さんが、「自分たちで基地でもなんでも作れるようになって、未来で何か役に立つかもしれないから」と、言葉は少し違うかもしれませんが、話してくださいました。

 覚えたことが、何かあったときに、誰かを助けられるかもしれない。お母さんが話してくださったときに、そう思いました。
 私は、計算とかそういうのが得意ではなくて、基地づくりも構えてしまっていたところもあったのですが、須原さんの講習があり、その作り方の手順をみんなで記憶を出し合って、力を合わせて作った時間のなかで感じたことは、決して一人ではなく、チーム一人ひとりの
があったら、大きな力になることを感じました。

 できなきゃいけないではなくて、助けてもらうこと。自分も誰かを助けること。
 お父さん、お母さんがいつも教えてくださることを、キャンプのなかでも感じました。
 山小屋のおじいちゃんの山に、四つのスタードームができました。また、夏に山小屋へ行ったとき、みんなで秘密基地を使って、たくさん遊びたいです。