「大好きな行事」 みつき

5月26日

●泥んこ運動会

「ああ~、ついに来たね!」
 朝から、どの子と言葉を交わしても、ついつい話がそちらに行ってしまう……。ずっとずっと楽しみにしていた、泥んこ運動会が開催されました!

 わたしは、あゆみちゃんリーダーの赤チームでした。あとから気がついたのですが、他のチームは、相川さん、ひでゆきさん、りゅうさんという男性方が居る一方、わたしたちは唯一、女の子だけのガールズチームでした。
 ももかちゃんや、りなちゃん、そして初めて泥んこ運動会をする、あやちゃんや、りのちゃんなど……。パワフルでフレッシュなメンバーが揃って、試合が始まる前から、とっても嬉しかったです。

 第1種目の『泥んこ相撲』。
 泥んこ大会を代表する恒例の競技ですが、今年はますます緊張していました。みんながマラソン大会も乗り越えて、全身の筋肉を鍛えてきた成果が現れるだろう……と思っていたら、本当にその通りでした。
 どの子も長期戦で、見応えのある試合ばかりでした。ぴたっと動きが止まって、微動だにしないくらい力が拮抗している試合や、粘って粘って、最後に足かけの技が決まっている試合などもありました。

 歯を食いしばっている表情、腰をつかむ腕、踏ん張っている足。みんなが格好良くて、強いなあと感じました。
 同じチームのあやちゃんやりのちゃんが、相撲に出てくれて、こちらへと帰ってきてくれたとき、涙が出ました。怖かったり不安だっただろうと思います。けれど、勝っても負けても、「相手に向かい合って、泥んこになる!」と決めたその気持ちが、本当に綺麗でした。

 第2種目は、大人気『目隠しフラッグ』でした。
 目隠しをしたみんながフラッグを求めて田んぼをさまよう姿には、やっぱり、ふふふと笑ってしまいます。けれど、今年は珍プレイが少なくて、みんなレベルアップしているのを感じました。

 目隠しした、ももかちゃんの指示役をさせてもらって、ももかちゃんに、「このまま真っ直ぐ真っ直ぐ進んで!」と背中を押しました。腕を前ならえして、本当に真っ直ぐにももかちゃんが進んでいってくれて、声を聞き分けて、フラッグを獲得してくれました。ももかちゃんのガッツポースが、とっても嬉しかったです。

 自分が目隠しをしているときも、まりのちゃんの指示の声がすごく大きくて通っていて、聞き取りやすかったです。まりのちゃんが「みつきちゃん、あと2メートル」と具体的に教えてくれて、目は見えないけれど、すごく安心して一歩一歩進むことが出来ました。
ほかのチームのみんなの声も大きくって、その進んでいく足も速くって、ここでもみんなの強さを感じました。

『タイヤ取り』や『リレー競争』では、もう泥んこになりきっていて、誰が誰かわからないくらいでした。「あ、○○ちゃんだったの!?」と、新しい子が必死に食らいついている姿もあったり、どの子も絶対に勝ちたいと思って、ありったけの全ての力を出していました。

 赤チームのみんなと「わたしたち強かったね!」「ガールズパワーだね!」と、最後に喜び合いました。どのゲームの時にも、みんなで「○○ちゃん!」と、声が枯れそうなくらい叫んでいました。結果がどうであっても、誰が勝っても負けても、いつも駆け寄ってハイタッチをし合える赤チームのみんなが、だいすきだなあと感じました。
 ハイタッチを返してくれる、手を広げれば飛び込んできてくれる、みんなとの絆、同じ仲間という気持ちが、たまらなく幸せでした。

 誰もが積極的で、真っ直ぐで、諦めなくって、それがはっきりダイレクトに伝わってくるイベント、それは泥んこ運動会なのではないかと思えます。ずっと一緒に過ごしていたはずが、またみんなの新たな一面を見られたようでした。そして、自分の新たな一面も見られました。

 本当は真面目でありたい、絶対に最後まで諦めたくない、食らいついてしがみついていたい。
 本気でやりたいのにやれない。自分の力を出し切れない。
 なのはなに来るまでは、その苦しさと葛藤して生きてきたと思います。
 心から、なのはなのみんなが居るからわたしは生きていられるんだ、と思えました。わたしの全身全霊の力、そして気持ちを受け取ってくれる、そして同じくらいの力と気持ちを返してくれる仲間が居てくれる。そうやってわたしはたくさんの仲間と理解し、理解し合って繋がっているのだなあと思えます。

 泥んこになって、同じように泥んこのみんなに囲まれている。みんなと田んぼの中に浸かっている。
 泥まみれになっても分かる、みんなの白い歯の笑顔が、本当にまぶしかったです。
 自分が存在すること、自分がここにあること、そのことに大きな幸せと誇りを感じました。わたしがこうやって生きられる場所、泥臭くなれる生き方があることを、改めて再確認した1日でした。
 泥んこ運動会が終わったとき、わたしはこうやって生きていきたいんだ、と、確かに強く心に刻み込みました。

 もう、とーっても楽しくって、やり切った最高の1日でした。なのはなの泥んこ運動会が世界一大好きな行事です。