【5月号④】「フルマラソンの応援をして」 ゆうな

 

 霧雨のような天気の中、津山加茂郷フルマラソンが行われました。4月21日の、この日、私はまだ、なのはなファミリーに来て5日目だったため、応援組に参加させていただきました。

 フルマラソン42キロメートルに、みんなが出ると知ったとき、42キロメートルなんて想像もつかない距離で、とても衝撃を受けました。皆がフルメニューを練習しているのをスタート地点で何度かお見送りをさせていただいたのですが、みんな嫌そうな表情1つせず、むしろ楽しそうに走っていて驚きました。それと同時に、自分が来年、みんなについて行って走れるかどうか、不安になりました。

 

 

■みんなが走っている姿

 フルマラソン当日、天気は雨模様で、ほんの少し雨のような霧雨のようなものが降っていて比較的涼しい気温でした。私は応援組だったため、みんなを必死に応援しようと気合を入れていました。でもみんなは、走る直前まで、いつもと変わらない笑顔、で走る実感がないのかな? と思いましたが、靴紐を結びなおしたりする姿から緊張感が伝わってきました。

 みんなのスタートを見送った後、私は車に乗って、走っているみんなを追い越し、みんなが走って通る道に移動しました。みんなが走る姿が見えて、大きな声で応援しました。みんな、走りながら、とてもいい笑顔で笑い返し、大きく手を振ってくれました。自然と自分も笑顔になり、とてもうれしい気持ちになりました。

 応援しながら水やお菓子を渡すのは、結構難しくて、もう1本、手が欲しいくらいでした。みんなに渡していくうちに、水はコップで渡したほうがいいのか、じかに飲んだほうが飲みやすいのか、かりんとうなどのお菓子は袋から開けて、手で渡したほうが食べやすいのか、など試行錯誤しながら、どれがみんなに滑らかに渡せるかを考えました。あやちゃんと同じ車で一緒に、意見を出し合って考えて、自分たちにとって渡しやすくて、みんなにとって取りやすい持ち方を発見した時、あゆみちゃんに、今日の応援組のMVPだね! と言われて、うれしかったです。

 

 

 みんなが走っている姿を見ていると、本当にきつそうに走っている地域の方もいて応援していると、笑顔でありがとうと言ってくださり、かりんとうや水を渡すと、本当にうれしそうに、助かりましたと言われて、とてもうれしい気持ちになりました。なのはなファミリーのみんなにも、水やお菓子を差し出すと、嬉しそうに受け取ってくれて、自分がうれしくなりました。お菓子を受け取ってくれた地域の方の中には、スヌーピーの恰好をした方や、牛やピカチュウ、電車の駅員さんなどが走っていて、とても面白くてにぎやかなマラソン大会だなと感じました。

 お昼ご飯のお弁当は、なのはなファミリーのみんなが作ってくれた、とても手の凝ったお弁当で、ハート形の卵焼きや大きな海苔巻きが入っていて、とてもおいしくて感動しました。いつもと違う場所で、いつもと違うご飯を食べると、特別感があってとてもうれしかったです。1つひとつ丁寧に作られたお弁当は、本当にマラソン大会に向けて1生懸命練習してきてお疲れ様という気持ちがのせられているかのように、伝わってきました。

 ゴール地点に向かうと、もうすでにゴールしているなのはなのみんながいて、とてもいい笑顔をしていました。ゴールの手前、グラウンドのトラックを2週するところでは、なのはなのメンバーが走ってくると、もちろんきつそうな表情はしていたけれど、どこかに花が咲いているように表情が和んでいて、応援の掛け声をすると花が満開になったように笑ってくれて、最後まで、とてもいい表情をしていました。手を差し伸べると、ハイタッチをしながら走り抜けてくれて、一気に仲が深まったように感じられて、とてもうれしかったです。

 

 

■体力をつけて

 そして、何よりうれしかったのは、時間内に、誰もリタイアせず、走りきれたことです。最後、5時間55分55秒でみんなが走りきることができて、とても感動しました。その瞬間、みんなが飛ぶように喜んで、その瞬間で、みんなとの距離がぐっと縮まったように感じられました。

 私が、なのはなファミリーに来てから初めてのイベントでした。イベントがあるからこそ感じられる、達成感がうまれ、みんなで同じ目標を達成し同じ喜びを味わうからこそ、仲が縮められるのだな、と思います。そして今回のマラソンでさらに、なのはなのみんなのことを尊敬しました。普段、畑仕事をしていて、みんな体力があるな、とついていくのに精一杯だったけれど、マラソン42キロメートルを、なのはなの全員が時間内に走り切って何でもできちゃうみんなが、本当にすごいと思いました。

 

 

 その一方で、来年、フルマラソンに参加することに不安な自分がいます。自分は本当に運動音痴で体力もないし、畑仕事についていくのに精一杯です。ソフトバレーも少し見学させてもらい、少し打ったけれど、みんなみたいにラリーは続かないし積極的に打つこともできません。フルマラソン42キロメートルも走り切れる気がしないし、みんなとの空気感を壊してしまうのではないかと、不安になります。ただ、本当に私はここにいていいのかな、と不安になったとき、シスターのあけみちゃんとるりこちゃんが、最初だけだよ、徐々にみんな体力がついていくよ、と言われて、その言葉を信じて日々、みんなについていきながら少しずつ体力をつけていきたいです。

 

【ミニマラソンも、全員完走!】

今大会では、4.2キロのミニマラソンにも、なのはなファミリーから5名が参加、完走しました!