【マラソン日記】「1月29日 ななほ ― 今しか見ることのできない景色 ―」


 
1月29日 ななほ

「今しか見ることのできない景色」

 

「おはよ~う!」
 奈義コースのランニングへ行くため、外へ出ると、たけちゃんハウスの方からあゆみちゃんとたけちゃん、たいちゃんが朝の挨拶をしながら走ってきました。

 空にはお日様、那岐山には白い雪。私たちの朝は、そんな自然の恵みに溢れる新鮮な空気を吸って、ランニングから始まります。

「今日のお題を発表しま~す。1つ目のお題は、今、味噌づくりで米糀を作っていることもあり、みんなが糀サイズの小人になったらやってみたいことです。そして、今日は29日でピクニックの日ということで、2つ目のお題は、なのはなのみんなとやってみたいことです!」

 フルマラソン練習の実行委員である、まちちゃんが今日のお題を発表してくれて、いざ、奈義コースへ。頭の中でみんなとやってみたいことが次から次へと浮かんできて、自然と身体が前へ前へと進んでいきました。

 

 

 そして、ふと後ろを振り返るとそこには、長靴を履いて私たちのことを追って走るたけちゃんや、たいちゃんの姿が。小さな身体でも懸命に私たちについてくる姿が微笑ましく、頼もしく、私もたけちゃんたちのお姉さんとしてフルマラソン大会本番も、力強く、美しく走りたいと思いました。

 ここ最近は、ランニングをしていると尻尾がオレンジ色のジョウビタキのメスが山茶花や柿の樹の上から私たちの方を見下ろして、尻尾をピコピコさせているのが見られます。

 また、今日は田んぼのあちこちから水蒸気が蒸発して、白い湯気があがっていて、私たちの走る息づかいと共に、田んぼも息をしているようでした。

 これからどんどん、春に近づくにつれてやってくる鳥の種類も、見られる野花も増えてきます。けれど、今の時期は今しか見られない景色があります。寒いのは苦手だけれど、那岐山の方から吹く冷たい風に当たり、ほっぺたが発熱するのも今しか味わえない冬の感覚なのだと思うと、冬が好きだなと思いました。

 

 

 そして、お題回しの時間。
 1つ目のお題では、私は小人になったら「人体の中に入る!」と答えようと思っていたのですが、考えてみれば、もう既にウィンターコンサートでナナポンは人体の中に入った経験があることに気がつき、「桃の中に住む!」と答えました。

 みんなは小人になったら何をするんだろうかとお題回しを楽しみにしていると、「綿毛に乗って空を飛ぶ」「あけみちゃんの肩に乗って、『ホワイト・フラッグ』を一緒に踊る」「畑にいる害虫と戦う」など、様々でした。

 続いて、2つ目のお題回しの時間。「みんなでやってみたいこと」は数えきれないくらいにあるのですが、那岐山を前にランニングをしていたら、私はスキーをしたことがないということを思い出して、なのはなのみんなとなら楽しめそうだなという思いを込めて、「みんなとスキーをする」と答えました。

 

 

 みんなの中には、「無人島でサバイバル生活」「コンサートの全国ツアー」「全員でコント」「時代劇」などが挙がり、いつかみんなと、それらを実行する日が来たらいいなと思いました。
 特に、無人島でサバイバル生活はなのはなのみんながいたら、畑もできそうだし、狩りにも行けそうだし、お父さんがいたら魚も獲れて、何の不自由もなく楽しめそうだなと思いました。

 お題回しをしていたらあっという間に、古吉野なのはなが見えてきました。すると、そこに近道をして私たちの到着を待っていた、のぞみちゃんにゆりちゃん、たけちゃんやたいちゃんの姿が。

 

 

 私たちが子どもたちの横を通ると、たけちゃんも必死に私たちについてきました。けれど、途中でヘトヘトに。

 最後の400メートルは私はたけちゃんをおんぶして走ったのですが、そのため、より身体が鍛えられて嬉しかったです。

 まだ見ぬ誰かに繋がる、42.195キロまでの道のり。今はまだ始まったばかりだけれど、着実に日々、積み上がっているのを感じます。

 フルマラソン大会当日、今の練習の全てが繋がって、その練習の過程が私たちにとって自身に繋がり、まだ見ぬ誰かにとって希望となるように、一瞬一瞬を大切に走り続けていきたいです。