12月18日のなのはな
いよいよ今日から、ホール入り。
ウィンターコンサート本番1週間前、照明、舞台背景のチームで、一足先にホール入りをして、舞台設営を行いました。
照明は、灯体の仕込みをする日で、一番緊張する瞬間でもありました。
かにちゃんが組んでくれた仕込み図をもとに、照明を仕込みます。舞台上の4本のバトンに取り付ける灯体、そして舞台の床に設置して照らす灯体は、一つひとつ、明確な役割がありました。
舞台に立つ役者、ダンサー、演奏者を照らす光が当たるように。そして、舞台背景が美しく映えるように。何回もコンサートを経る中で、積み上げられ、一番いい風に形作られてきた照明でした。
なのはなのコンサートを、照明の力を最大限に活かして、更に良いものにしていくため。心を使って綿密に考えられた、そんな照明。かにちゃんを中心に、みんなで仕込んでいけることが、とても嬉しかったです。
ホールへ着いて、いつもお世話になっている、館長の竹内さんに挨拶をして、舞台袖へ行くと、照明の堀さんという方と、お会いしました。
心の中で、みんなが「堀さんだ!!」と歓声を上げたと思います。堀さんは、前回のウィンターコンサートでも、初日の仕込みを一緒に行ってくださり、私たちにも様々なことを教えてくださり、今までにない素早さで仕込みを終えることができました。
前回はお互いにマスクをしていたけれど、今日は素顔で対面して、溌剌として親しみを持ってくださる堀さんと、より身近になったように、感じられました。
各灯体の必要数、仕込みの順序も全て把握している堀さんが、指示をしてくださり、みんなで仕込みを進めました。堀さんが、みんなの手元を見て、より正確な良い作業になるように、アドバイスをくださったことが、ありがたかったです。
仮で吊ったものを、かにちゃんが角度や光量を調整してくれて、一バトンずつ、完了していきました。
バトンの吊り込みの中で、今回のコンサートならでは、というものは、大きなティラノサウルスを映し出すものでした。
アルミ板を精密にくり抜いて作られた、『ゴボ』を、ソースフォーという灯体にはめこんで、ホリゾント幕に映し出します。くっきりと、迫力あるティラノサウルスが映し出されました。きっとこの照明が、劇の中で凄みになってくるだろうな、と感じて、上手く映されたことがとても嬉しかったです。
バトンの吊り込みが終わると、床周りの照明と、フロントサイドという客席側の高い場所からの照明を仕込んでいきました。
フロントサイドの照明は、照明チームの特権というか、ホールの中でも非日常を感じる場所へ、行くことができます。舞台脇の細い通路から、普段は通らない階段を上って、『上手(下手)投光室』と書かれた重い扉を開けると、客席、舞台を見下ろす、四角く切り取られたような小部屋に出ます。
灯体が列になって並んでいて、2段目以上の段の灯体に、カラーフィルターなどを仕込む場合は、はしごを上って、さらに高い足場を伝っていきました。
かなり高い場所でドキドキしたけれど、無事に仕込みを終えると、特別な任務を達成したかのような感覚がしました。
ホールの中でも、一層静けさのある非日常の空間で、まりのちゃんや、照明チームのみんなと仕込んでいけたことが、嬉しかったです。
奥から照明バトンの吊り込みを終えると、舞台背景の設営も同時進行していきました。
床周りの照明を仕込んでいて、気づけば、星やドームの吊りものが吊られたり、パイプが組まれていったり、舞台背景チームの、息の合った手早さを感じました。
照明の仕込みが一段落すると、照明チームも、舞台背景チームに加わって作業を進めました。
土台となるパイプを組み、バンドメンバーの足場となる、頑丈な床板を、みんなで協力して持ち上げて、設置しました。そして、舞台背景の大道具や、サテン布を取り付けて、飾りつけまで。
さくらちゃんたちが制作してくれた、デイノニクス、パラサウロロフスの2体と、小さなトリケラトプスの骨格標本も、組み立てて、舞台背景の一部になりました。
また、午後からはダンス部のゆりかちゃんたちが来てくれて、舞台にダンスの場ミリテープを貼る作業も行いました。
はじめは、まっさらだったホールの舞台が、どんどん、なのはなのコンサート仕様になっていくことを感じました。勝央文化ホールの恵まれた環境を、これ以上ないくらい、存分に活かして舞台を作っています。こんなに本格的に、本気で、舞台設営からみんなで作っていけるということは、なのはなファミリーだからこそできることだと、思いました。
最後には、堀さん、かにちゃん、を中心に、照明のシュート作業も進められました。
仕込んだ照明、一つひとつが、必要な場所を照らすように、上手、下手、対称に光が当たるように。高い場所にあるバトンに吊られている灯体を、堀さんが長いアルミの竿で、向きを調整してくださり、かにちゃんが最終的なチェックをしてくれました。
数多い灯体、それぞれがあるべき照明となるように、妥協せずにシュートを進めていく姿から、なのはなのコンサートを良いものにしていきたい、という思いの強さを感じました。
ホールの中にいると、タイムワープをしたかのような感覚がしました。気づけば夕方の5時近くになっていて、初日の設営は、無事に終わりました。
最後、客席側から舞台を見たとき、本当に素敵だなと思いました。洞窟のような舞台背景の中で、恐竜たちが生きているように、美しく映えていました。真ん中には大きな魔法陣のある、紫やまだら模様の怪しげな雰囲気が、今回の魔女、魔法使い、魔術師、というテーマにぴったりでした。
この舞台で、今年のコンサートを演じていくのだ、と思いました。
とても緊張していたけれど、初日の舞台設営をいい風に進められたことに、ほっとしました。
明日から全員でホール入りし、練習が始まります。まだ緊張は続いていますが、一人ではなく、誰よりも心強い、なのはなの仲間と全員で向かって行くから、きっと大丈夫。必ず、いい本番に繋げることができると、思います。
これからのホールでの準備も、みんなの流れの中で、普通には味わえない特別な体験を、楽しんで向かっていきたいです。
(りんね)
***
古吉野なのはなに残ったメンバーは、明日から本番当日まで、全員で気持ち良くホール入りできるよう、協力して準備を進めました。衣装やロビーのものの積み込み、最終的な制作物の作成、そして畑も安心してお休みできるよう、各野菜に防寒対策のビニールをかけたり、小豆の豆出しなどを進めました!