12月16日(土)「ホール入り前ラストの通し練習! 自分を離れて、全体の一部となる」

12月16日のなのはな

 

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(私には使命があります。その使命を果たすためにどうか力をください。勇気をください。まっすぐにステージの一部に、皆の一部にしてください)
 12月中旬では珍しいくらいの温かい気温。まるで神様がホール入り前に、私達を応援するように用意してくれたような環境でした。明後日からは、ホール入りとなり古吉野なのはなで出来る衣装を全て着ての通しは、今日が最後でした。
 午前は、劇の後半の通しを衣装を着て行いました。途中で一度、今の自分たちの課題を改めてあゆちゃんから教えてもらう機会がありました。ステージの上で、演劇やダンスをしている人が孤独になっていると教えてもらいました。自分が出番でも出番でなくても、その空気をつくるのは全員。あゆちゃんの言葉に、気持ちを正されました。ステージをつくる1人の問題は自分の問題だし、誰かの言葉、台詞は自分の言葉、台詞で、そうでなくてはいけなかったのだと気づきました。と、同時にこれが自分を捨てるということ、自分から離れ全体の一部として周りの一部としての自分というコマを精一杯生きるということ、本当に利他的な世界の一部なのだとも思いました。

 

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 午前、後半の通しの反省を最後に行います。お父さんお母さんから、シーンごとに改善していく箇所を教えてもらいます。その時に、教えてもらったお父さんお母さんの話で印象に残っていることがあります。
 「芸術に完成なんてないんだ。どんな時も、もっと良くできないかとしていく発展途上。その発展途上をみせていく。失敗があったとしたらそれは、何かを良くしていくためのシグナルだと思う。そのためには何をしていけばいいのか対策を考えていく」「自分を捨てる。何かトラブルがあったとしても、自分を捨てて自分の役割に切り替えていく」
 お父さんお母さん、あゆちゃんから教えてもらうことは、私たちが生きていくために必要なことばかりだと思いました。ただ、歌やダンス、演奏、劇など表現するだけではなく、私達が本当に生きられる生き方、人としてのありかた、気持ちの持ち方、人との関係の答えがたくさんあります。コンサートを通しながら、1つひとつを自分のものにしていけることがとても嬉しいと思います。

 

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 午後からは、前半後半を衣装を着て通しを行います。「開始1分前」「開始30秒前」お父さんの言葉に緊張が高まります。「ブザーがなります。幕が開きます」あゆちゃんの声が聞こえた後、「カチ、カチ、カチ、カチ」かにちゃんのスティックの音の後、1曲目が始まります。古吉野なのはなの体育館に、ホールのステージや客席の空気、幕が見えるように感じました。待機している幕の内側の私達は、ブルー暗転で照らされています。幕がゆっくりと開きはじめ、客席が見えてきます。物語の主人公が真ん中からゆっくりと前に進み出ます。ホール入り前の、衣装を着て古吉野で行う最後の通しなのだと思うと、緊張もしました。皆でつくるこの脚本の一瞬一瞬を大切につくりたい、つくらせてください、と祈る気持ちでした。今日は、卒業生ののんちゃんが入って踊る位置に、代わりの子が衣装を着て場所に立ってくれました。皆の真ん中に天使が現れたような気がしました。

 

 

 曲が終わり、役者の皆が動き、ステージの上で物語が息をするように立体的に次々と動き始めます。役者の皆がステージの上で物語を繋いでくれてる間、衣装の早着替え、小道具や道具の出し入れ、スタンバイ、それぞれの役割をこなしていきます。でも、それぞれの役割をしながらもステージに気持ちを向けながら、自分たちが何を今伝えているのか、見せたいのかそれを把握しながら動きます。その場その場で、うまく出来たこと、出来なかったこと、集中が切れてしまったところ、まだまだあります。でも、物語は続きます。良いも悪いも1つひとつを自分のものにしながら、過去にこだわらず、次に次に、今向けるべき方向に、脚本の世界に気持ちを向けていきます。

 

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 今日、劇の役をやりながら、脚本の一部として存在しながら、台詞を言いながら、改めて新しく役の気持ちがストンと自分に落とし込めるような、新しく気づくようなこともありました。
 たとえ、その時、その時代で自分の評価につながらなかったとしても、この世界をつくった存在、人智を超えたような存在が望んでいる姿、気持ち、美意識、期待、挑戦に、全力で自分の全てで添ったのなら、どんなことがあっとしても、そこには目の前や過去の物事や人への悲しみや悔しさ、怒りを超えた、その存在との対話があったのではないかと思いました。

 

 

 舞台に向かうとき、良いものをつくりたいと思うと、緊張もするし、怖さが出ることもあります。
「自分を捨てると、理想だけが残る」
 自分の失敗への不安や怖さだったり、自分への評価を気にする気持ちを捨てて、ただ皆の一部として全力を尽くす、あるべき姿に祈るように表現する、生きる、ただそれだけです。
(私には使命があります。その使命を果たすためにどうか力をください。勇気をください。どうかまっすぐに役割を果たさせてください)と祈る気持ちでした。

 まだまだ課題もたくさんありますが、怖がらずに、皆の中でずっと成長しつづけていきたいです。
 そして、ホールでは、私と同じように答えを求めている人に届くように、まだ見ぬ仲間の生きられる道につながるように、お父さんお母さん、皆との一瞬や1つひとつを大切に生きていきたいです。

(あけみ)  

 

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〈照明チーム、ビデオ撮影チームは、照明台本やビデオ台本を作成し、それに沿って通し練習を追いながら確認をし、イメージとプランを立てています!〉