12月10日
○通し稽古
ホール入り1週間前、古吉野でできる通し稽古の4回のうちの2回をフルメンバーで向かいました。今週もあっという間だったけれど、この土日を含めて、コンサート本番に繋がる、質の高い時間を過ごすことができたように感じて、そのことがとても嬉しかったです。
特に今日の午後の前後半の通し稽古は、全員の気持ちが1つになっていました。
ステージに上がっているときも、そうでないときも、常に集中した空気やみんなでコンサートを作っているんだという真剣さがあり、感覚としては、いつも以上に早くラストシーンになっていて、脚本の世界観にどっぷりと浸かっていたような感じでした。
終わったあとは、どこかに行っていたかのように、頭がぽわーっとしました。
土曜日の前半の通し稽古は、あゆちゃんも言ってくれましたが、コーラスの振りがばらばらでした。その曲で表現したい空気感も、練習ではできていたけれど、通し稽古になると気持ちがまとまらないままに曲が始まってしまって、結果として振りも音も角がないものになってしまっていました。
前半が終わって、修正の時間になったときに、あゆちゃんが『ダンスモンキー』のコーラスを見てくれました。そのときあゆちゃんが、「コーラスの振りも、(わたしたちいつもぴったり揃っていて、天才だ)と思うくらいでないといけないよ」と言ってくれた言葉が心に刺さりました。
たまたま揃った奇跡の1回を目指すのではなくて、何回やっても揃っていて、そこに辿り着くために一人ひとりが本気で神経を研ぎ澄ませて、横の人も前の人も後ろの人もみんなを感じて作り上げる、緻密で正確なコーラスをみんなで絶対に作りたいと思いました。それを自分たちはやろうと思えば絶対にできて、今は一人ひとりのそこまで高いレベルでやろうという気持ちが足りないから、簡単な振りでさえ揃わないのだと思いました。
その経緯があって、今日のコーラスはみんなの気持ちが1つになっていたと感じました。わたしもみんなも、お互いのことを信じて、(ここだよね)(今だよね)というテレパシーのようなもので繋がっていたように感じました。
いつもみんなが揃わないなと感じる振りも、今日は揃ってできて、その感覚がとにかく嬉しかったです。だからやればできるのだから、いつも1回で最高の表現をできるようにしたいです。
この土日でもう1つ、印象に残ったことがあります。
土曜日、生理痛が原因と思いますが、腰に鈍い痛みがあって、大人数ダンス曲だけ控えさせてもらいました。『オブリビオン』は初めの立つ振りだけして、そのあとは舞台袖にはけました。
これまでずっと自分も踊る側としてしかステージに立っていなかったので、みんなが踊っている姿を見るのは今回初めて目の当たりにして、特に放射状の振りでみんなが順に飛び上がる瞬間がこんなふうに見えていたのかと驚いて、感動しました。
あゆちゃんがよくダンスを見てくれるときに、全体でどう見せたいのかイメージして踊るということを教えてくれますが、今回みんなが踊る姿を見たことで、全体像が掴めると、踊っていて、いつもよりも踊りやすく感じました。
またお父さんが、ダンスが上手い、下手はなく、自分たちが表現したい気持ちをいかに動きと表情で見せるかだと、改めて話してくださいました。そして表情も、自分が楽しいという表情ではなくて、人に見せるための表情であって、例え今は未熟で浅いかもしれないけれど、深い振りをしながらでも表情をつくっていくことでそれが本物になっていくということも話してくださいました。
自分にはまだ、こんな自分が踊っても、という気持ちがありました。そういう気持ちが動きや止めに表れていたのだと思います。でもお父さんの話を聞いて、何度も聞いてわかってはいることだけれど、本当にダンスが上手い下手かは関係なくて、とにかく気持ちなのだと思いました。自分に対する拘りや恥ずかしさを捨てて、見せる自分として、まずは表情からつくっていきたいと思いました。
(腰を痛めて、1日だけどダンスを休んだことで、今日改めて踊る楽しさを感じることができてよかったです)
村人のシーンは毎晩、バディ練習をしてきました。毎晩9時から、3年生教室で村人の集会が開かれていて、先週の日曜日を除いて、欠かすことなく最低30分は練習しています。時間がとれる日は1時間半もやる日もありました。
先週の通しで表情に一貫性がないことを教えてもらい、その反省から、今週はセリフがないときの気持ちの心情や、相手が言ったことに対して思っていることを実際に声に出して練習をしてみたり、一人ずつ前から見て、客観性を持つという練習法などを試してみたりしました。
以前お父さんが、強いラグビーチームは動く練習よりもミーティングの時間の方が長いという話をしてくださいましたが、わたしたちも心情を深めるために、自分の役も誰かの役に対しても、このときはこう思っているんじゃないかとか、表情は浅さ深さについて話し合って、詰めていきました。ときにはほぼ話し合いで終わってしまう夜もありましたが、闇雲に練習するよりも、密度の濃い時間にすることができる気がしました。
また、みんなで図書室にある本を読んで、登場人物への理解を深めたりもしました。
ひろこちゃん、みつきちゃん、さくらちゃんと毎晩必ず練習して、夜は、「おやすみ」と言って別れて、また朝になれば誰よりも先に3人と会って、今日の練習内容について話をしたり、本当にここ最近は村人チームのみんなといる時間が誰よりも多くなっているけれど、時間が経つごとに一体感や仲間意識が強まっていて、いまでは村人で集まって練習している時間が毎日の楽しみになっています。何でも言い合える仲というのが何よりも強みで、時にはちょっと口調がきつくなることもお互いに知っているからこそできることだなと思います。本当にこのメンバーで村人役ができることが嬉しいし、村人のみんながいるから自分は毎日頑張ることができて、本当に3人の存在に引っ張ってもらっています。やっぱり自分たちには「仲間」が必要なんだと感じます。
今日は「村人のシーンもよかったよ」と言っていただきましたが、自分たちとしてはもっともっとよくできると思うので、これからも村人役を深めていって、もっと、この場面の主役が引き立つシーンにしていきたいです。
改めて、今日の通しが嬉しかったです。
こんなふうにみんなで気持ちを揃えて良い通しにできたのも、平日にあゆちゃんが細かく出捌けを見てくれたり、脚本を深く読み込んで、さらにお父さんから正しい答えをもらう時間を設けてもらったことがあってこそだと感じています。
今日の手応えや感じた気持ち、みんなで作り上げた真剣な空気感というのを、残り2週間、落とすことなく、むしろもっともっと高みに上がっていけるように、わたしも最後まで気を抜かずに頑張りたいです。
久しぶりに日記が書けて嬉しかったです。
明日からの1週間が、よりよいものになりますように。