暑い夏を乗り越え、実りの多い季節がやってきました。なのはなの秋と言えば、たくさんの作物が収穫され、より豊かさを感じます。
サツマイモに里芋。小豆にささげ、大豆といった豆類。栗に柿。
そして、エゴマ。
十月、なのはなではエゴマの収穫と脱粒を行いました。
エゴマと言えば、ふんわりと香るいい匂いが特徴で、エゴマの作業をした後は、全身がそのいい匂いに包まれて、しばらく幸せな気持ちが続きます。
そのエゴマの収穫が行われたのは、朝七時から九時。朝起きてすぐです。
高く伸びたエゴマの株を刈払機部隊のみんなが刈っていき、それをみんなで小人になったように運び、軽トラで古吉野なのはなの校舎まで運搬し、軒下に一週間ほど干しました。
その間も、ひっそりとエゴマの姿が見えると嬉しい気持ちになりました。
■脱粒の五段階
さて、ここからがエゴマの作業の本番ともいえるでしょう。脱粒の開始です。なのはなで行うエゴマの脱粒の作業の工程は、五段階あります。
一段階目は株からエゴマの種子を取りだす段階です。
そのやり方は、至ってワイルドです。株を両手で持って、バットを振るように、ブルーシートを張った壁に打ち付けて、種子を取りだします。打ち付けた時に、エゴマの種子が、バラバラとはじけるように飛び出していくのが、爽快で、たくさん種子が飛び出す様子を見ると、豊かな気持ちになっていきます。まるで、クラッカーを開けたかのような、そんな嬉しさが広がります。楽しくて夢中になります。
二段階目は、一段階目で取り出した種子を、ふるいにかけます。
ふるいは、二回に分けて行い、一回目は網目の大きいふるいで、葉や茎など大きなゴミを取り除きます。二回目は、網目の細かいふるいで、種子が入っていた莢など種子より少し大きいゴミを取り除きます。お菓子作りの時に粉をふるうように、ふるいにかけていきます。その時も、エゴマが、サーという音を立てて落ちていくのが、爽快です。
三段階目は、唐箕の登場です。なのはなの秋冬にはよく目にする唐箕掛けの光景。
その日は今シーズン初の唐箕掛けでした。ふるいにかけたエゴマを上からサーと入れて、下のハンドルをグルグルと回しながら、風を起こし、風で砂や葉の破片などの細かいゴミを飛ばしていきます。この段階では、ゴミが取れて、九割方綺麗になったエゴマが現れます。エゴマの白色がダイレクトに見れて、その瞬間、嬉しさが広がります。
四段階目は洗いです。盥に水をためて、そこに唐箕掛けしたエゴマを投入します。お米を研ぐように、ぐるぐるとかき回し、丁寧に洗っていきます。
そして最後の五段階目は、洗ったものを干します。新聞紙を広げたところに洗ったものを、乾くようにまんべんまく広げます。
体育館の床には、ずらっとエゴマが並びました。
そして乾くのを待ってから、選別し、炒っていただきます。エゴマは、栄養価が高い作物としても知られていて、私たちの身体を作ってくれます。
たくさんエゴマがなってくれたことが、すごくありがたくて嬉しいな、と思いました。実りの多い季節に、エゴマを通して、感謝の気持ちが芽生えました。