11月26日のなのはな
人生はいつも本番。コンサートへ向かう日々もそうです。この日は、古吉野での通し2回目。前日の通しをしてから、改善する劇やダンス、コーラスを、お父さんあゆちゃんに見てもらったり、自分たちでも確認と練習をし、夜や午前の時間に内容を詰めました。
体育館では、お父さんあゆちゃんが演劇をみてくれていて、図書室ではダンス練習が進み、別の部屋ではコーラスの練習が進んでいました。また、別の部屋では演劇のバディ練習をしているところもあれば、衣裳の準備、バンドの練習……、古吉野の廊下を歩くだけでも皆がコンサートに向かってそれぞれで通しに向かって、練習の詰めをしていることを強く感じます。
「昨日よりよりよく出来るように」
通し前の食事のコメントでも皆が言っていました。
午後1時30分、古吉野での2回目の通しが始まりました。脚本はお父さんお母さんが、昨日の通しを踏まえて改定してくれたものだったり、衣裳も更に良く見えるように着かたやアイテムが少しずつ変わっています。
1曲目『オブリビオン』が始まります。物語が動き始めます。演劇、演奏、コーラス、ダンス、小道具のではけ、ステージの上で物語が生き、動くためにはステージをつくる全員の気持ちや力、表現、役割一つひとつがとても重要になってきます。昨日の通しより、上手く出来たところもあったし、もっと練習が必要なところ、課題があるところもありました。
「臆病にならない」
「それぞれが責任をもって、自分がステージをまわしているという自覚をもつ」
通しをすると個人的な課題もたくさん見えてきます。でも、こうやってコンサートへの練習や演劇、コーラス、ダンス、ちいさな劇の小道具のではけ一つを通しても、私が本当に生きられるあるべき姿、心持ち、姿勢、生き方の答えやヒントを吸収できることがとても嬉しいです。
昨夜、体育館ではお父さん、あゆちゃんに劇の練習を見てもらいました。その時に、私の演じている登場人物が決意を語るシーンについて、
「彼女はすでに、自分が戦っているイメージも、勝ち進んでいくイメージもしているんだよ」
と教えてもらいました。
(ああ、そうなんだ。私が思っていたよりも、もっと強気で、もっと前向きなイメージで生きていたんだ)
と気づきました。そうやって、役や脚本の言葉をなぞりながら、自分の幅や気持ちを広げたり、修正したり、つくっているのだなと感じました。
今回の通しのあとのお父さんの言葉を聞いて、脚本の中の台詞を思い出しました。
「あなたと同じ苦しみを、同じように苦しんでいる人がたくさんいるのです。その人たちが生きられる道を、自分の手で切り拓いていこうと、そう思うことなのです」
“責任をもつ”お父さんの言葉は、脚本の台詞にもつながると思いました。自分たちの使命を忘れずに、コンサートでも日常でも、目の前の自分の役割に向かいたい、そう思いました。
(あけみ)
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