11月22日(水)「アンサンブルメンバーの特別な日」

11月22日のなのはな

 アンサンブルメンバーにとって、とってもスペシャルな1日でした。まる1日アンサンブル2曲の練習ができて、しかも、お父さんに、午前も午後も、みっちりとアンサンブルを聴いてもらうことができます。
 コンサート本番まで、こんなにまとまった練習時間をとれるのは、今日が最後。1回で覚えて、自分のものにしようと、みんなで気合いを入れて臨みました。

 コンサートで演奏する管楽器アンサンブルは、『アミューズメントパーク』組曲の中の1曲『ホーンテッド・ハウス』と、ピアソラ作曲の『ブエノスアイレスのマリア』です。この2曲を、1日みっちりと練習しました。

 『ホーンテッド・ハウス』は、名前の通り、お化け屋敷をイメージした曲です。怪しげで不思議なメロディーを、トランペット、アルトサックス、テナーサックスとでかけあいます。この曲は、3つのパートで成り立っていますが、それぞれの楽器の動きが複雑なため、最初に合わせたときは、主題となるメロディーを立たせて吹くということが難しかったです。

 

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 何度もみんなで吹いて、その度に、お父さんがアドバイスをくださいました。最初の、おどろおどろしいメロディーを吹くところは、少し汚い音で吹いて、その後の繊細なメロディーとの差をつけること。メロディーを吹くトランペットとアルトサックスは、角をつけて吹くこと。アルトサックスは、小さな音で吹くときでも、ベタッと吹かずに、ポンポンとした音で角をつけて吹くこと。その伴奏を吹くテナーサックスとトロンボーンは思い切り落とすこと。トロンボーンは、メロディーのつなぎ目の連符は思い切り強く吹いて、その後の伴奏ではまた思い切り落とすこと。
 一番最後にトロンボーンが低音でメロディーを吹くところは、「この物語はこういうことでしたよ」という気持ちで吹くこと。

 途中、楽器を離して、声で強弱を大袈裟につけて歌ってから、また楽器で吹きました。歌ってから吹くと、強弱がつけやすくなりました。それから何度も何度も吹きました。吹く度に、演奏に雑味がなくなっていってクリアになり、主題となるメロディーがくっきりと浮き上がり、聴きやすくなってきました。そして、演奏している側にとっても、吹きやすくなりました。この曲の物語がよりくっきりとして、よりおもしろくなりました。

 『ホーンテッド・ハウス』は、コンサートの脚本の中の、ある場面に入ります。お化け屋敷のような、おどろおどろしくて怪しげなこの曲が、とてもぴったりな場面です。お楽しみに!

 もうひとつの、『ブエノスアイレスのマリア』は、『ホーンテッド・ハウス』とは雰囲気はガラリと変わり、情熱的でドラマチックで、聴いているだけで言葉にならないところで勇気づけられて、肩で風を切って歩きたくなるような、とても魅力的な曲です。それだけに、みんなで一体感を持って、聴かせたい音を浮き上がらせて演奏するのが、とても難しいです。練習すれば練習するほど課題が見えてきて、とても自分を鍛えられる曲です。

 この曲の練習のときも、『ホーンテッド・ハウス』の練習のときと同じように、声で強弱を大袈裟につけて歌ってから、楽器で吹きました。声に出して歌うと、「ここはこういう風に吹く」というのがハッキリとして、次に楽器で吹くときにとても演奏しやすくなります。

 

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 それから、何度も何度も演奏して、その度に、お父さんがアドバイスをくれました。どの曲にも共通しているのが、どの音を聴かせたいのかというプランをハッキリともって、自分が出るときは思い切り出て、伴奏のときは思い切り弱く吹いてメロディーを立たせるということです。

 私は、大きい音は出るけれど、小さい音の幅が狭い、という課題を、今日見つけました。音を小さくするときは、自分が思っている以上に大袈裟にやらないと、客観的に聴いている側にとっては、強弱がついているように聞こえないのだと思いました。

 思い切り小さな音を吹くとき、思い切り大きな音を吹く以上に、とても筋力と体力を使わないといけないことに気がつきました。自分に厳しくしなくては、聴いている側にとって美しい音楽は奏でられないのだと、改めて感じました。

 自分の課題を見つけられたことがとても嬉しかったです。これでまた音の幅を広げられる、音の幅を広げることで心の幅も広げられると、とても嬉しかったです。もっと、思い切り小さくて美しい音を吹けるように、心と体を鍛えます。

 私は、この曲では、ほしちゃんと一緒に低音パートを吹いています。お父さんが、ほしちゃんと私のパートは、コンサートで舞台回しの役をやっている、なおちゃんのような役割がある、ということを教えてくださいました。

 メロディーのつなぎ目の小節では、思い切り前に出る。伴奏のところでは、思い切り小さく吹きながら、曲の雰囲気を作る。思い切り小さく吹く場所を作ることで、曲が盛り上がる部分がよりクッキリとする。低音パートの強弱の幅を広げることで、曲全体の強弱の幅がより広くなる。私たちがこの曲で担っている役割の重要さを感じました。低音パートはリズムキープの役割も持っています。とても神経を研ぎ澄ませて、心を透明にして、高い集中度で向かわないと、演奏が出来ません。これは修行です。とても高い緊張感が必要だけれど、それだけに、吹く度に、心が研ぎ澄まされます。

 

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 途中、お父さんが、「この曲は何を言いたい曲だろうね」と言いました。私は、「この曲でこれを言いたい」というのが曖昧だったことに気付かされました。
 お父さんが、この曲が入る前後の脚本のこともふまえて、この曲に込める気持ちを話してくださいました。みんなで気持ちを揃えて、次に演奏したとき、気持ちを込めやすくなりました。気持ちが入りすぎて走ってしまった部分もありますが、吹いていても表現する喜びを感じて、ああ、これが音楽だと、感じました。

 気持ちを揃えた上で、またお父さんがたくさんのアドバイスをくださり、時間いっぱい、練習をしました。この曲のメロディーの面白さは、歯切れの良い強いメロディーと、天使が奏でるような美しいメロディーとが繰り返されるところにあります。お父さんが、そのキレのあるメロディーのところで、ためと止めをつけて、たたみかけるように吹くことを教えてくださいました。悪魔の音で吹くところと、天使の音で吹くところのメリハリをつけることを教えてくださいました。曲がよりドラマチックになりました。

 その後も、唇がへとへとになるくらいに何度も何度も吹いて、17時になったときには、「自分の中のものを全部出し切った!」という感じでしたが、とても気持ちは清々しかったです。みんなで、「楽しかった-!」と叫んでしまいました。廊下ですれ違う人にも、「幸せオーラが出てるよ」と言われました。それくらいに嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

 しかし、大事なのは、積み上げること。今日教えてもらったことをしっかりと自分の中に入れて、見つけた課題は出来るようにして、その上でさらに良くなるように積み上げたいです。
 明日からは音楽合宿です。たっぷりと寝て、精一杯に頑張ります。

(えつこ)

 

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〈舞台背景となる大道具の制作も始まりました。この日の作業では、舞台の中央を飾るオブジェの土台を整えていきました〉

 

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 先週収穫し、数日のあいだ天日干ししていた、カチカチ大畑のサツマイモの貯蔵をしました。
 貯蔵には、以前、あるご縁で頂いたバナナ箱を利用しました。とても丈夫で、たくさんあるため大きさが揃って貯蔵がしやすいのが利点です。

 貯蔵の為の選別はシンプルに、3つに分けました。きれいなサツマイモ、傷がついてしまった傷芋、そして、小ぶりのサツマイモです。
 初めに傷芋だけを回収していきながら、小さい芋を集めて小山にしていくと、後からの回収がとてもスムーズにいきました。

 

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 カチカチ大のサツマイモは大きな芋が多く、中には掌サイズの芋や、30センチほどある長い立派な芋もありました。
 また、ユニークな芋もあり、これ何に見える? と誰かに聞いている子もいて、その答えがそれぞれ違って、人によって見え方や、感じ方の違いがあることも面白いなと思いました。

 サツマイモを入れた段ボールをトラックに積み込み、途中から、貯蔵庫へ入れていくメンバーと、引き続き箱に詰めていくメンバーとで分かれて作業を進めていきました。
 自分の周りには360度サツマイモがあり、たくさんのサツマイモに囲まれ、ずっしりと重みを感じるサツマイモが入った箱をたくさん運んでいると、豊かな気持ちになりました。

 

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 タイムスケジュール通りに、順調に作業は進み、目標だった17時までに収納と、片付けも終えることが出来て、嬉しかったです。
 なのはなのみんなはサツマイモが大好きです。特に、お父さんが焼き方を研究してくれた、なのはな石焼き芋はみんなの大好物です。なのはなの冬には欠かせないサツマイモ。4月頃まで保存し、春の野菜の端境期にも、食卓を助けてくれます。

 その保存方法も確立しつつあります。温度管理をし、今年は、初夏までサツマイモを頂くことができました。
 なのはなには、保存できる場所があるというのも、ありがたいことだと感じています。

 また今年も、長い期間、サツマイモをみんなと食べられるよう、温度管理をしっかりと行いたいと思います。

(ひろこ)

 

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〈小豆の莢出し、唐箕がけ、洗って干すまでの工程を進めました〉
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〈ハウスで栽培しているセロリの初収穫をすることができました!〉
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〈夜7時、勝央文化ホールへ。勝央金時太鼓保存会の森本さんが教えてくださるなか、『金太郎囃子』の太鼓と笛を練習しました。森本さんが明るく丁寧に、演奏のポイントを教えてくださり、とてもありがたく嬉しい2時間でした〉

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