11月18日
のんちゃんがいてくれた時間、私はダンスに入っていなくても、のんちゃんの姿や空気から吸収できるものがあって、とてもありがたかったです。廊下ですれ違ったとき、のんちゃんが満面の笑顔を向けてくれて、それだけで、明るい気持ちがずっと続きました。何も話さなくても、すれ違うだけで自己肯定感が上がるような、のんちゃんの華が本当に凄いと思いました。普段の生活での美しさが、ステージでの心を動かされるようなダンスに出ているのだと思いました。
『オブリビオン』と『ホワイト・フラッグ』のダンスを前から見たとき、鳥肌が立ちました。1人の主人公がいるのではなくて、誰1人として漏れることなく、全員が主人公であることを感じました。私も、そのひとりとして自分の責任を果たそうと、気持ちが引き締まりました。
『エラスティック・ハート』で、のんちゃんとあけみちゃんをコーラスの人で囲んで歌うときの、フォーメーションと動きを、のんちゃんとあゆちゃんが考えてくれました。のんちゃんと、ジャンヌ・ダルクのあけみちゃんを囲んで、コーラスの私たちはみんなでひとつの羽となって羽ばたきます。
のんちゃんが、食事の席で、
「原曲の動画を見ていたけれど、同じ曲なのに、みんなのコーラスが凄く綺麗で、原曲とはまた違った曲に聞こえて、なのはなの『エラスティック・ハート』になっていた」
と、話してくれました。
私たちだからこそできる、私たちにしかできない、なのはなの『エラスティック・ハート』をみんなで作るんだと、誇らしい気持ちになりました。
次、のんちゃんに会えるのは、コンサート本番です。のんちゃんがいてくれた時間、普段は過ごしている場所は違っていても、利他心の世の中を作る仲間として生きている気持ちは同じなのだと、とても心強く感じました。
明日から演劇練習がはじまり、来週からは通し練習がはじまります。厳しい時間になると、緊張もあるけれど、楽しみな気持ちも大きいです。多くの人々に向けてメッセージを発信するひとりであることを誇りに思います。今しか味わえないコンサートを作る過程を、丁寧に過ごしたいです。
夕方のハウスミーティングも、お父さんのお話をたくさん聞けて、楽しかったです。きちんと自分の中に入れたいと思ったのは、人にはそれぞれゾーンがある、というお話です。
お父さんが、紙に三重の円を描いて話してくださいました。普通の人は、3段階のゾーンがある。自分にも3段階のゾーンがあるし、人に対しても、3段階のゾーンを見ることができる。
一番親しい人に対しては、一番近い1のゾーンで関係を取る。中くらいに親しい人に対しては、2のゾーンで関係を取る。あまり関係が深くない人とは、3のゾーンで関係を取る。3段階のゾーンに守られているから、仮に、あまり親しくない人からきついことを言われても、受け流すことが出来る。1つめのゾーンくらいに深い関係の人から注意を受けたときは、真剣に受け取ることが出来る。
傷ついた人の場合、1のゾーンしかないことがある。2と3のゾーンがない。人に対しても、1のゾーンしか見ることができない。だから、自分を守るものがなくて、ヒリヒリとしてしまう。受け流すことができない。相手を伺ってしまう。
きちんと3段階のゾーンがある人は、相手の顔色を伺うことがない。3段階のゾーンで守られているから、しっかりと自分の土台を保つことができる。
重い精神疾患の場合は、1のゾーンすらないこともある。貝殻のない剥き身の貝のようなもので、何でもないことでも被害感情を持ち、人間関係を取ることができない。
まずは、2と3のゾーンを作ることだ。ゾーンを作るには、仲間を作ることが大切だ。仲間がいなくては、2と3のゾーンを作ることはできない。
お父さんが話してくださったことを、私はこう認識しました。この認識で合っていますでしょうか。
私は、話を聞いていて、2回目の同盟の会合でお父さんが話してくださった、鋼のように強い人格を作る、というお話を思い出しました。
「鋼のように強い人格があれば、不当な怒りをはね除け、正当な怒りはしっかりと受けることが出来る」
と話してくださったことが、ずっと心に残っています。その話と、ゾーンのお話とが繋がりました。お父さんが3重の円を紙に書いて3段階のゾーンについてお話してくださったことで、よりわかりやすくなりました。
私の理解はまだまだ浅いと思います。もっと深めたいです。お父さんが、仲間を作らなくては2と3のゾーンを作ることはできないと教えてくださいました。ミーティングで一緒のグループになった、さとみちゃんとまみちゃんと、深い信頼関係を築きたいです。
また、私の質問に答えてくださったことも嬉しかったです。私は、もっと良い音を吹きたい、良い演奏をしたいと思うとき、そこに、「良く見られたい」という利己心が混ざっていないかと不安になることがあります。
お父さんが、観客と、作曲者との間に、演奏者がいる、と話してくださいました。演奏者は、作曲者が曲を通して伝えたいことを、音や身体を使って具現化する、透明な存在であると、話してくださいました。そこに自分の個性は混ぜない。演奏者は、透明になって、作曲者が伝えたいことを聴衆に伝える。
演奏をするときのあるべき心持ちがわかって、視界が明るくなりました。どこまでも、答えは、利他心なのだと思いました。
また、1発目で自分の持っている力を出せるようになるには、抽象的に力を出そうとするのではなくて、具体的に、満員の客席をイメージして、見られている意識を持って練習することだとも、教えてくださいました。1回1回の練習で、「私はこう聴かせます。こう魅せます」という意志を持って、表現します。