「のんちゃんの姿を心に留めて」 りんね

11月18日

 昨日、今日と、卒業生ののんちゃんが帰ってきてくれて、ダンス練習をのんちゃんに見てもらいました。
 のんちゃんが帰ってきてくれるのは、本番まででこれが最初で最後。とても貴重な時間でした。2週間前から、のんちゃんが帰ってきてくれる日のために、大人数ダンスの土台を作って、徐々に気も引き締まってきていました。

 あゆちゃんが、のんちゃんから教えてもらう、受け取る側だけでなく、なのはなに帰って来て、のんちゃん自身が受け取るものがあるように、と話してくれました。
 なのはなの外で働いているのんちゃんが、なのはなに帰って来て、エネルギーを持って帰られるように。私もそんななのはなの空気を作る一人として、のんちゃんを歓迎し、パリっとした気持ちで練習に向かいたいと思いました。

 到着前に待っている時間は、嬉しさも、緊張もありました。
 会うのは去年のコンサート以来だったけれど、のんちゃんは全然変わっていなくて、パリっとした空気感で体育館へ来てくれました。のんちゃんが、なのはなの外でもずっと外向きであり続けていることを感じて、コンサートでのように表現し続けているのだと思って、気持ちが引き締まりました。

 実際にのんちゃんに通しで見てもらって、そこから振付けを、さらにいい風に変えていくことを教えてもらいました。
 要所要所のポーズで、頭の高低差を大きくつけることで、動きにメリハリや情緒がついていきました。のんちゃんが、その場その場で考えて、ダンスの流れからより良いものを伝えてくれました。

 『オブリビオン』と『ホワイトフラッグ』を一通り良くしてもらい、そのあとにバディ練習で2時間、変更した振りを身体に入れていきました。
 取るのが難しいポーズも、綺麗な形をリーダーさんに教えてもらい、前のポーズから一瞬で切り替わるのを、何度も繰り返し行いました。今まで自分になかった形が、身体に入っていくことを感じました。

 一晩置いて、今日はバディ練習で出た疑問点を、のんちゃんに質問する時間がありました。更に詳しく教えてもらって、細かい目線や角度まで、みんなで認識を揃えることができて、嬉しかったです。
 その後、のんちゃんがソロで踊る部分も含めて、『オブリビオン』を3回通しました。曲が静かになった場面、放射状の中心で、のんちゃんが踊る気配を感じていました。そこから、最後のサビまで、のんちゃんが中央にいてくれて、一緒に踊れることが、本当に嬉しいなと思いました。
 今日はなおちゃんもいてくれて、本番まで、メンバーが揃っている最後の練習でした。貴重な1回1回の通しを、大切に踊っていけたことが嬉しかったです。

 午後、お父さんお母さん、のんちゃんやあゆちゃんに、今できているダンス・コーラスの新曲を全て見てもらいました。
 『ダンス・モンキー』や『バッド・ハビッツ』は、見てもらうのが初めてだったので、緊張していました。まだまだ詰めなければいけない段階だけれど、今まで練習してきたことを出して、できる精一杯で踊ることができて、嬉しかったです。

 大人数ダンスは、これまでの練習と、昨日今日の、のんちゃんが来てくれてのがっつりとした特訓で、かなり体に入ってきていることを感じました。踊り切ったときに、今の本番をやりきった、という気持ちで終わることができました。
 みんなと何回も合わせをしたことや、バディでの特訓で、確かに成長できたということが、すごくありがたいなと思いました。

 その後、『エラスティック・ハート』をみんなで作っていきました。
 これは、昨日の夕方にあゆちゃんがのんちゃんに、「ソロで踊ってほしい」という爆弾を託した曲でした。
 のんちゃんは今朝、この曲を振り付けて、午後には合わせで踊ってくれました。一瞬の間にも、大役を形にしてしまうのんちゃんが、本当にすごいなあと思うばかりでした。
 はじめは、みんなが前で膝をついた状態で、コーラスを歌い、その後ろで、のんちゃんとあけみちゃんが踊る。間奏でみんながぐっと後ろに下がり、2人を囲む半円になって、2人が前で踊るという構成になりました。

 『エラスティック・ハート』のコーラスを歌っていると、目線の先に、窓から差し込む光が見えました。サビ前にクレッシェンドしていくところで、全員の声が一つに溶けあって、それが大きく膨らんで、光のようにどこまでも進んでいくような感覚がしました。
 それは、人智を超えた存在を感じるようで、中心で踊るのんちゃんやあけみちゃんを、私たちが天使になって守ることを感じました。
 のんちゃんやあけみちゃんは、私たち自身で、ジャンヌ・ダルクのように戦っていて、それを、きっと守ってくれる存在がいるのだと思いました。それが体感的に感じられて、涙が出てきました。
 『エラスティック・ハート』が、本当に大好きになりました。

 この2日間、のんちゃんが帰ってきてくれて、練習に向かえた時間が、本当に楽しかったし、嬉しかったです。
 自分を良く見せたい、という思いを捨てて、ありのままで精一杯やれたらいいんだ、と気持ちを作っていけたことも、嬉しかったです。
 のんちゃんが纏っていた空気感、しなやかに、自由に踊るのんちゃんの姿を心に留めて、これからも精一杯、コンサート練習に向かいたいと思いました。