「透明な世界を見て」 ななほ

11月17日

 卒業生ののんちゃんが帰ってきてくれて、『オブリビオン』『ホワイト・フラッグ』のダンスを見てもらえた時間が嬉しかったです。

 これまでもみんなと揃えてきたけれど、改めてのんちゃんに見てもらうとすごく安心したし、のんちゃんが全体を見て「ここはこんな風にしてみて」「ここは、カウントでずらそうかな」「もう少し、アップとダウンの差をつけたいから、ここの振りは低くしてみてくれる?」とアドバイスをくれて、確実にダンスの質が上がっていくのを感じました。

 これまでの癖がなかなか抜けずに、練習ではできても、いざ通して見るとまだ、今まで通りで変わったところが馴染めていない部分も多いのですが、のんちゃんに見てもらって新しく変わった振りもその意図やその振りで何を表現したいのかをちゃんと、自分の中に落とし込んで、みんなと揃えていきたいです。

 卒業生ののんちゃんにダンスを見てもらうと、ステージの空間が広くなったと感じるくらい、身体の動きにメリハリがついたり、空間や幅が広がって、みんなの振りが生きているのを感じます。

 ほんのちょっとした振りの違いや意識だけで、1つひとつの振りが生き物のように動き出して、そこに情緒がついて、私自身も踊っていて、より気持ちが出しやすくなるのを感じました。

 そんなふうに一目見ただけで、のんちゃんが、「ここはこうした方が、もっと印象的になる」と思いアドバイスをしてくれるのがすごいことだなと思うし、のんちゃんが伝えてくれることを思うと、のんちゃんが普段から求めて、なのはなの気持ちで答えをブラさないように生きて、世間に流されず、広い世界を見ているのを感じます。

 のんちゃんが、「私からしたら、コンサートだけじゃなくてコンサートの練習も、非現実的な世界」と話していたのですが、のんちゃんはいつも、その非現実的だけれど美しく、高度で透明な世界を見て、求めて過ごしているから、こんな風にダンスを作れたり、見てくれるのだと思うし、私ものんちゃんが見せてくれるようなしなやかで、意思があって、全身で気持ちを表現するダンスを踊りたいと思いました。

 午後からはバディ練習の時間も2時間たっぷりともらえて、寒い中だったのですがグラウンドで『オブリビオン』をひたすら揃えていく時間がとても楽しかったです。

 寒いこともあり、どこか気持ちもいい意味でやけくそになりやすく、全身に力が入りやすかったし、自分の内側にある気持ちが外に出やすく感じました。

 その後の『ホワイト・フラッグ』も確実にそろっているという実感を感じて、みんなと棒の先まで意識して、神経をとがらせて踊るのが嬉しかったし、これでこそ、音楽合宿だなという感じがしました。

 私はこの音楽合宿の空気が好きです。
 みんなと1つの所に向かい、そこには甘えも逃げも存在しなくて、誰もが今できる精いっぱいで向かい、気持ちをとがらせて、気持ちを外に向けてやるべきことに向かう時間。

 私もその中にいると、(こんな世界だから生きていたい)と思います。
 なのはなのような世界があるから、みんなが真面目で一生懸命で、そんな世界があるから私も行きたいと思うし、なのはなのみんながいるから、この先、何があっても大丈夫と確信を持つことができます。

 今から夜のダンス練習です。今日、教えてもらったことはその場で覚え、身体に入れて自分のものにしていくという気持ちで、覚悟をもって一瞬一瞬に向かいます。