11月16日(木)「全ての曲のコーラスを完成させる。第2回コーラス合宿!」

11月16日のなのはな

 ウィークデーの1日限定コーラス合宿。
 今朝、朝食の席に座ると食堂の黒板に大きな文字で「今日の目標 せいこちゃんと一緒に全曲のコーラスを完成させよう!」と書かれてあり、朝から気合を入れてコーラス合宿に向かいました。

 コーラス合宿の朝は、発声練習から始まります。
 と、その前に。

 せいこちゃんが「コーラス合宿の目標」を紙に書いてくれていて、まずは3つの目標を大きな声で宣言してから始めました。

「ひとぉーつ! 正しい音とリズムを入れて、今の5倍の声量で歌えるようになる」
「ふたぁーつ! 最初から角のある音を出す」
「みぃーつ! 音のストライクゾーンを狭くする」

 今年のウィンターコンサートに出てくる予定の、とある不思議な登場人物の話し方を見習いながら、力強く、お腹の底から声を出して目標を宣言すると、気合が高まりました。

 

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 そして、この日は午前中『オブリビオン』と『バッド・ハビッツ』、午後に『ナチュラル』と『セニョリータ』、夜に『ダンスモンキー』と、全5曲の新曲のコーラスを完成させる目標で進めました。

 『オブリビオン』は、ウィンターコンサートのオープニングの曲です。そのため、全員がコーラスを歌いながら踊ることになります。

 私の考えるコーラスの効果、役割の1つに、生での迫力というものがあります。
 なのはなファミリーでの演奏は、バンドも生の演奏ですが、1つの曲を作る中で、唯一、マイクも通さずにそのままの声をお客さんのもとへ飛ばすことができるのは、私たちの歌うコーラスです。

 今年のコーラスの楽譜は、なのはなバンドメンバーのドラマーであるかにちゃんと、キーボーディストのせいこちゃんが1から作ってくれた、世界で1つだけの楽譜です。

 かにちゃんやせいこちゃんが原曲にある様々な楽器をコーラスに当てはめてくれたり、原曲にはないけれどなのはなファミリーでやる演奏として引き立てたい部分をコーラスの楽譜に起こしてくれたりして、コーラスを歌えば歌うほどに、それぞれの曲が自分たちの曲になっていくのを感じます。

 そして、『オブリビオン』はオープニングの曲ということもあり、この最初の演奏やダンス、私たちのコーラスでいかに、会場に来てくださったお客様をウィンターコンサートの世界に引き込めるか、そのカギを握ります。

 そのため、コーラス練習の時から、勝央文化ホールのステージに立ち、目の前に何百人ものお客さんの姿を思い浮かべながら、気持ちを入れて、歌いました。

 

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 『オブリビオン』は、毎朝みんなが代わる代わる、あゆちゃんの訳してくれたこの曲の歌詞を朗読していることもあり、コーラスに気持ちが乗りやすく感じました。

「とにかく 逃げ続けること それしか 死なずに済む方法はなかったんだ
 でも お願い、 今こそ 私を 私を一度ぶち壊して
 私は一度気を失って 全く違う人間になる必要があるのだ」

 私たちは素人かもしれないけれど、伝えたい気持ちがあります。
 これまで苦しんできた過去、1人ひとり背負ってきたサクセスストーリーがありその気持ちを超えた先に今があって、この『オブリビオン』のコーラスやダンスにその気持ちを乗せることができます。

 だからこそ、コーラスを歌いながら気持ちが透明になっていくような気もしたし、自分自身にこの歌詞を落とし込んでいけるような気がして、コーラスを歌うたびにみんなの気持ちも揃っていくのを感じました。

 せいこちゃんが、
「ここは、スッと気持ちを切り替えて、あゆちゃんのボーカルの声だけが聞こえるようにしたい。みんなが楽器だとしたら、ここは静寂だけれど、気持ちはあゆちゃんに向けたままにしたいんだ」
 と話してくれたり、聞かせどころについても話してくれました。

 そして、『オブリビオン』のダンスにも静と動がハッキリしているように、コーラスにも静と動がハッキリしていくのを実感したし、最後のサビではみんなの声のボリュームや太さが強く、濃くなっていくのを感じました。

 そのあとは、気分を変えて『バッド・ハビッツ』。
 この曲はソプラノが2パートに分かれ、アルトを含む前3パートで構成されているのですが、せいこちゃんが考えてくれて、パート練習と全体練習を区切りながら正しい音を自分の中に確実に入れていき、暗譜も完了させることができました。

 テンポも速く遊園地のような明るさや賑やかさもあるけれど、どこか寂しいような影のようなものが見えるこの曲。

 コーラスにもシャープの記号がたくさん出てくるのですが、音のストライクゾーンを狭くして、同じパートのみんなと「ここしかない」という音を狙って声を出していきました。

 最後、ソプラノとアルトのパートで合わせた時、ソプラノのメロディアスな音色と、アルトの安定感のあるリズムが綺麗に重なって、コーラスの中にも非日常の世界が見えた気がして嬉しかったです。

 

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〈『バッド・ハビッツ』『ダンス・モンキー』などの練習時間にはダンスの練習も進めました〉

 

 そして、コーラス合宿午後の部。
 午前中3時間、延々とコーラスを歌っていると、気が付けば、普通に話す声がしおしおとしていて驚いたのですが、コーラスモードに入り声を出していけば、そんなことは構いません。

 『ナチュラル』も『バッド・ハビッツ』と同様にコーラスが3つのパートに分かれているのですが、それぞれのパートで正しい音を当てながら振りをつけて歌いながら踊る練習もすることができました。

 コーラスに振りが入った途端に、振りの始まりとコーラスの始まりがついつい、一緒になってしまいカウントが取れなくなってしまうこともあったのですが、「この歌の部分で、この振りをする」というのを明確にしていくと、自然に頭の中でカウントを取りながらコーラスの音も流れ、同時に振りもつけるという3つのことを同時にするというのにも慣れてきました。

 でも、ソプラノパートの2パートは似ている音が多いので、どちらかにつられてしまうことがないよう、今後も練習をしていきたいと思いました。

 そして、午後の最後は『セニョリータ』。
 以前、あゆちゃんが「この曲は乾いた土にしとしとと雨が降り注いでいるような感じで演奏してね」と話してくれたのですが、歌っていても「ここの部分が好き」「ここ歌うのが、気持ちよくて楽しみ!」というお気に入りの部分があります。

 原曲でカミラ・カベロが「ラ~ララララ~」という声に、ソプラノが少し高くアルトが少し低くハーモニーになるところはものすごく綺麗です。でも、そこをあまり気持ちよく歌いすぎてしまうと、すぐ後に入る英語の歌詞の部分に出遅れてしまうため、あくまでもコーラス隊としての責任を感じながら歌います。

 

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 1日限定コーラス合宿では1曲1曲のコーラスを確実に完成させていっていることを感じたし、暗譜も完了することができました。
 よく、お父さんが「愛情とは理解し、理解されること」だと話してくださるけれど、コーラスは人ではないけれど、コーラスの楽譜を暗譜し、その曲ごとにコーラスの役割を理解したり、どこが見せどころか、どこが印象強いかを理解したうえで歌うと、よりその曲が好きになっていくことを感じました。

 それぞれの曲によってカラーも伝えたいことも違えば、音の領域も幅広いのですが、コーラス隊としてそれぞれの曲によって人格を変えながら、時に力強く、時に男らしく、時に美しく、時に情熱的に歌うコーラスがとても楽しく、充実したコーラス合宿となりました。

 明日からの音楽合宿に向けても気持ちが引き締まり、今日の練習で確実に完成し自分のものにできたコーラスを、次からの練習や合わせでは歌いながら踊る、振りをしながらでも確実に正しい音で歌えるというくらいまで今後も、継続してブラッシュアップしていきます。

(ななほ)