一月の大雪で一度は枯れかけてしまったバナナ。その時は、(春になったらもう一度、命が吹き返しますように)と願いながら、思い切って根元すれすれでバッサリと株を切り倒したバナナ。
その子たちは現在、私の背丈を遥かに超え、バナナハウスいっぱいに緑色の水分をたっぷりと含んだ滑らかな葉を広げています。
根元のほうからバナナの株を見上げると、そこはもう南国の浜辺のようで異国の雰囲気を醸し出しているバナナ。太くて立派な幹をもつバナナ。実は、この幹のように見える部分は葉が重なりあっている葉鞘と言われる部分なのです。そう、イメージするならスーパーで売っているキャベツや玉ねぎの外葉や皮をむくように、幹のように見える部分を一枚一枚むけてしまうのです。
■こよしの 芭蕉庵
東南アジア原産のバナナは、バショウ科バショウ属の植物です。
皆さん、「バショウ」という言葉、どこかでご存じありませんか?
そう、『奥の細道』の作者・松尾芭蕉は小さな子から年配の方まで誰しも、聞いたことはありますよね。
この、「芭蕉」という名前はバナナが由来なのです。
日本では昔、バナナを「芭蕉」と呼んでいたらしく、松尾芭蕉の住居のお庭にはバショウが立派に育っていたから、芭蕉庵と呼ばれていたとか。
日本の「芭蕉」はみんながよく知っているバナナの実が付くわけではなかったようなのですが、見た目はバナナそのもの。
私も名前を、「ななほ」ではなく、「バナナホ」にして、吉畑ハウスの「バナナハウス」を「芭蕉庵」に改名してみるのも面白いかもしれません。
それはいいとして、気が付けば草丈三メートル以上にまで成長したバナナの株たち。五株だったバナナも、今ではどんどん新しい株が生えてきて、十五センチ程度の小さな株まで含めば四十株以上となりました。
今月は、そんなバナナたちの株分け会を行いました。
バナナの株分けはちょっぴり、いやいや結構大胆な作業で、株と株の間にスコップを差し込んで、思いっきり掘り起こします。
けれど、バナナはとても強いのでそのまま別の鉢植えに株分けしても、すくすくと育っていくのです。
■水やりトライアル
バナナが植わっている吉畑ハウスのバナナハウスはバナナが来るまで、ハウスということもあり竹が刺さらないくらいに土がとても固かったのですが、今ではバナナの根とたっぷりの水やりのお陰で、土がフカフカになりました。
そのため、株分けをしていても根をなるべく傷つけないように掘り起こしやすかったです。ちなみに、ここ最近はのんちゃんと一緒に勉強組同士で晩白柚とバナナの水やりをしています。
水やりは、ハイデルスポンプと消防用ホースを使って行うのですが、毎回のんちゃんと、「四十分目標でやろう!」とタイムトライアルをしながら、千リットルの水やりをします。
二人して「よーい、ドン!」と言って古吉野なのはなを出発するところから、軽トラまで走っていき、安全に気をつけつつも、毎回水やりをするたびに、
「今度は、ハイデルスポンプとホースをつなぐ時間を短縮できるかな?」
「次は、ホースを先に延ばしたら数分、早くできるかも!」
と言いながら水やりをする時間がとても楽しいです。
夏の水やりのお陰か、バナナの葉はしっとりとしてとてもコンデションがよく、このまま来年の春に花を咲かせ て、実をつけてくれたらよいなと思っています。
■きっと迎える実り
また、同じハウスでは晩白柚や極楽鳥花も育てているのですが、晩白柚は現在、直径が十五センチほどに肥大してきています。来年の二月には、直径三十センチになってお月様のような黄色に色づいていると思うととてもワクワクします。
また、極楽鳥花のほうも秋のそよ風が吹き始めた頃から、つぼみができ始め、私の予測ではお父さんのお誕生日ごろに、花が開きそうです。
バナナや極楽鳥花などは特に、南国原産のため冬の寒さには弱いので、今年の冬も防寒対策をしっかりとして、乗り切っていきたいです。