「今なら変われる」 りんね

10月27日 

 

 

 今日は、りなちゃんのお誕生日でした。

 りなちゃんは、年は小さいけれど、なのはなで空気を作る1人として、とても強い責任感を持っていて、それが崩れることがないです。毎日の食事の席で、誰よりもはっきりとした隅々まで聞こえる声で、その日あったことを自分の言葉で話してくれます。
 視野が広くて、気配りができて、畑でも音楽でも、なんでも能力が高くて。けれど、りなちゃんには一切の奢りがないと思います。
 一緒にいて、ちっとも偉そうな感じがなくて、リーダーさんに心を添わせていて、それでいて、自分の意思ははっきり持っていることを感じます。
 桃メンバーとしての作業にも、精神力のいる日々に、一切弱音なしに粘り強く向かっていました。
 りなちゃんが、どうしてそんなに強いのかな、と思ったとき、以前のハウスミーティングでのことを思い出しました。
 お父さんがメンバー1人ひとりに、「みんなは、神様をどれくらい信じている?」という質問をしました。その中で、たった一人りなちゃんだけが、「100パーセントです」と答えました。
 誰よりも、神様の存在を信じていること。それが、りなちゃんが周りの人にも状況にも左右されず、常に謙虚に、強く生きていくことができる理由だと思いました。

 

 りなちゃんがステージで演じている表情を見ると、涙が出てくるのは、りなちゃんの思いが神様に通じているからかな、と思いました。
 年は自分より4歳も小さいけれど、りなちゃんから気づかせてもらう大切なことがありました。
 私は、前にりなちゃんのシスターをさせてもらったとき、今でも残っている未熟さで、粘り強くシスターをすることができませんでした。一度関係が崩れてしまったかな、合わせる顔がないな、と思っていたとき、全部切り替えて声をかけてくれたのは、ゆきなちゃんと信頼関係を築いて、なのはなに馴染み始めた、りなちゃんでした。
 それから、りなちゃんは私の未熟さを全部知った上で、深く理解して接してくれていると感じます。

 

 今年の父の日イベントでは、2人で、アコースティックギターで『玉蜀黍』を演奏することができました。そのMCを、真剣に一緒に考えてくれました。りなちゃんの言葉から、りなちゃんがお父さん、お母さんを信じている気持ちが伝わりました。
 私は、ただただこの曲が好きで、タイトルと曲調がお父さんに重なって、どうしても演奏したいという思いだけだったのですが、りなちゃんがいてくれたことで、『玉蜀黍』の演奏が、私たちの生きることに直結し、お父さんに深くつながっていくものになったと思いました。

 以前、私はりなちゃんのように純粋になれない、強くなれない、と感じていました。でも、今からでも変わることはできると思います。 自分の持っている、今までの人生で持たざるを得なかった、いろいろな奢りや、不要なプライド、自己否定。神様が自分を生かしていること、神様が望んだ生き方をすることができると、完全に信じたら、捨てることができると思います。
 まだ、正直、怖いな、という思いもあります。でも、変わらなければ生きていくことができないくらい、切羽詰まっている今なら、変われると思います。

 りなちゃんが年は小さくても大きな背中で、示してくれることが、本当にありがたいと思いました。

 

 

〇イチジクの味

 

 ちさとちゃんが声をかけてくれて、今日の夜、イチジクを1人1個ずつ、みんなで頂きました。

 

 最近、気温が低くなるにつれて、イチジクの実の皮が日に日に硬くなっていき、収穫基準は前と同じにはいかないようになっていました。

 「本当にこれがベストだろうか」

 お収穫の際、味見をしてみたこともあります。なるべく熟させて、傷むことはないコンディションで収穫をしたいという思いで収穫をしつつ、もっと熟させるべきかもしれない……という思いもありました。

 

 みんなに食べてもらうことは、ある意味緊張する思いもありました。ちょっと早取りになってしまっていたら、本当のバナーネの美味しさを感じてもらうことはできないだろうと。

 夕食の席で少し皮の堅いイチジクを口にしたとき、中身はジャムのように赤い蜜が詰まっていました。ごちそうさまをしたとき、自分の周りに座っていた全員から、「イチジク、美味しかったよ!」という声をもらいました。そのあとも、立て続けにたくさんのみんなから、美味しかった、という言葉をもらいました。

 

 少し自分の収穫基準に疑いを抱いていたところ、みんなに背中を押してもらったように感じました。みんなの笑顔が、本当に嬉しくて、ありがたいことだなと思いました。

 でも、もう少し待って、もう少しだけ柔らかくしても、いいような気もします。ひとまず、今の基準でも十分美味しいと感じてもらえることが分かって、ありがたかったです。