10月27日のなのはな
いつもと見える景色が違いました。隣にはあゆちゃん、後ろにはドラムのかにちゃんがリズムを刻んでくれていて、エレキギターのまえちゃんが左手側に、その少し前にはアコースティックギターを弾くりなちゃん、右手側にはベースで裏拍を恰好よく刻むさやねちゃんがいました。
ウィンターコンサートへ向かう音楽合宿も残り8回。今回の音楽合宿1日目は、主にコーラスの音入れが行われました。午前中に、『バッド・ハビッツ』、午後に『セニョリータ』の新曲2曲をかにちゃんが教えてくれました。曲の中でも、ボーカルの歌を立たせる効果を狙った伴奏的な部分と、次の曲の切り替わりになるキメとなる部分に向かって、全体を盛り上げるための効果がある部分があることも教えてもらいました。
コーラスが曲の背景や色どりをつくる役割があるのだと改めて感じたし、全体を感じながら自分の役割を把握し、表現したいとも思いました。

午後の最後、体育館に集合してバンドの皆とコーラスを合わせました。何度か合わせたあとに、あゆちゃんが、「上でマイクで歌ってみない?」と満面の笑みで、マイクコーラスのところで歌うことを提案してくれました。
最初は、(いやいや…。まだ音に自信がないので……)と苦笑いでしたが、ステージの上で実際にマイクをもって歌ってみると、緊張もしたけれど、必然的に、実際に自分ひとりで音を出すという気持ちになるし、誰かに聞かせるためのコーラスを意識でき、とても効果的な練習になりました。
また、普段はダンスを踊っていることが多い私は、演奏の時にステージの上に立ち、あゆちゃんやバンドの皆の音をすぐそばに感じながら、音をつくるという経験がほとんどなくて、今回それが出来たことがとても新鮮だったし、嬉しかったです。スピーカーから聞こえる音を前で聞くときとは違った音の聞こえ方でした。自分の音の聞こえかたも想像しているより聞こえなかったり、ほんの僅かですが実際に体験してみて、バンドの皆がすごいなとも思いました。
練習では何人かずつ順番にマイクコーラスをまわしていきました。誰かがマイクコーラスをしていた時は、ステージ下で歌ったのですが、マイクを持っている同じパートの皆のためにもと自分も音を響かせようと思い、自然と声が前に出ました。新曲は、まだまだ音入れをしたばかりで音程を確実に出せる部分がまだ完全でなかったり、英語の部分の言い回しが難しいところがあるけれど、皆で繰り返ししていくうちに歌えるところ、身体に音が入っていくところが増えていきました。
こうやってコンサートの過程で、皆と一緒に色々なことを体験しながら、コンサートをつくったり、自分をつくっていけることがありがたいです。
そして、それがまだ見ぬ誰かの力につながっていていますように。
(あけみ)
