【10月号⑥】「ウィンターコンサートへ ―― 深く、同じ気持ちを積み重ねて ――」 りな

みんなで成長するための大切な、大きな機会であるウィンターコンサートへ向かって、気持ちと身体を作っています。音楽合宿の1日は、ストレッチとウォーキング練習から始まります。

  
 十二月二十四日に予定されたなのはなウィンターコンサートまであと約三か月、いよいよ、本格的にコンサートに向けて、音楽練習が始まりました。

 お仕事組さんも全員揃う毎週土曜日と日曜日は、音楽合宿、と言って、一日を使ってコンサートに向けて練習を進めます。今年は、九月十八日が第一回目となり、その日からコンサート本番まで、音楽合宿は第十四回まで続きます。

 大きなステージに立って、六百六十人のお客さんの前でパフォーマンスが出来る、心と身体を作っていきます。音楽合宿が始まって、それは、毎日の生活から積み重ねていくものなのだ、と気持ちが引き締まる思いがしました。五分前行動を徹底する、廊下を美しく、足音を立てずに歩く、いつも笑顔で、華のある人になる……。

 毎日続けられそうな、本当に小さな日々のディティールが積もっていけば、とても大きなものになるし、当たり前の事を、当たり前に出来るようになることが、実はすごく大切なことなのだと思いました。
  

ストレッチのサポートも、みんなで上達していきます

  
 音楽合宿では、午前、午後、夜、細かくスケジュールが区切られていて、そのスケジュールを全員で同じように、緻密に作っていきます。

 私達は、プロの劇団ではないけれど、私達にしか出来ない舞台があります。約五十人の仲間が同じ土俵に乗り、コンサートで表現する、たった一つの意味を胸に生活する日々があって初めて、ホールに来て観て下さる方に説得力を持って伝えられることがあるのだと感じました。音楽合宿で、全員でコンサートに向けて活動する一瞬一瞬を、濃い時間にしていきたいと思いました。

■私たちのテーマは

 音楽合宿が始まったのと同時に、コンサートの係が発表されました。係は全部で十一。ステージの上でのパフォーマンス以外にも、練習の過程も、見て下さるお客様も、ロビーでの催しも、全て含めて私達のコンサートです。一つひとつの係が全て欠けることなく歯車のように噛み合わないと、こんなに規模も、スケールも大きなコンサートを作ることは出来ないのだなあと改めて感じて、責任の重大さを感じました。
  

係メンバーの顔合わせ

  
 今回も、全員が、どこかの係に所属していて、音楽練習と並行に、係で集まって、準備を進めます。私は、バンド・音響係、舞台美術係に所属しています。

 音楽合宿の夜、一回目の係の集まりがありました。初めての顔合わせで、係ごとに、メンバー共通の、「大切にしたいテーマ」「合言葉・信念」「成長したい事」を決めました。バンド・音響係での合言葉は、「ボーダーレス&ハーモニー」です。

 私が誰かになったり、反対に誰かが私になったりすることは出来ないし、私は私が主人公な人生しか歩むことは出来ません。それはみんな同じです。でも、誰かの事を、限りなく近く、想像することは出来ます。自分と周りの人との間にある垣根を限りなく低くして、私があなたになってもいい、そのぐらいの気持ちでいられる仲間、チームを作っていきたい。そんな思いから「ボーダーレス」という言葉が決まりました。

 そして、バンドメンバーだからこそ、「ボーダーレス」という言葉には「ハーモニー」と返します。これは、自分が音楽の一部となって、みんなで一つの曲を作る。

 いつでも、綺麗な和音を奏でるハーモニーとして動けるように成長したい、そんな思いが込められています。この合言葉を胸に、コンサートに向けて係のみんなと準備していけると思うととても心強くて嬉しいです。どんな事があっても、この言葉を聞くと勇気が湧いてくるだろうし、二つの信念を、決して揺るがないものにしたいと思いました。
  
  
 音楽練習が全体としてスムーズに進められることも、私の知らないところで、たくさんの人が関わって、支えてくれているのだろうと感じます。一人の力はとてもちっぽけで小さいのだけれど、全員の力が合わさると、とても強くて大きな力になります。コンサートの練習の過程が、全体にとって、プラスになったり成長できるものにするために、私も力を尽くす一人であり続けたいと思いました。

 本番まで三か月とはいえ、残された時間を、私達にとって価値のあるものに出来るよう、これからも精一杯でむかっていきたいです。