10月20日のなのはな
音楽合宿第6弾、1日目のスタートです。最初に全員で体育館に集まり、OMTをしました。お題は、『今現在の状況、自分の課題』、もう一つが、『今回の合宿を通して得たいもの、目標』でした。
トリオで組んだ人に、そのお題で話を進めていくと、自分自身でも、目の前にある課題がはっきり、明確に整理されていくことを感じました。また、どんな姿勢で、どう心持を正して練習に向かっていくべきなのか、話を聞いて軌道が立っていくような感覚がありました。個人での練習が必要な個所はたくさんあるけれど、それも全部、なのはなファミリー全体で一つのところに向かっていくための一つに過ぎなくて、自分はその大きな流れの一部なのだと思うと、とても気持ちが晴れやかになったし、今回の合宿で、少しでも成長したいと、勇気が湧きました。
今日一日、バンドでは4曲を体育館で合わせました。午前は、『オブリビオン』、午後は『ホワイト・フラッグ』『バッド・ハビッツ』『ナチュラル』を演奏しました。
どの曲も、体育館で合わせるのは初めてでした。オブリビオンと、ホワイトフラッグは、以前音楽室でバンドメンバーのみんなと合わせたことがありました。けれど、体育館で響く音は、全然違うように聞こえました。
あゆちゃんが、
「外音(メインスピーカー)からどう強弱が聞こえているか、この合わせをしている時にしっかり聞いておくんだよ」
と伝えてくれました。本番は、音楽室で練習している時に聞こえてくる音ではなく、体育館での合わせで聞こえてくる音に近いんだなと思いました。それは、練習の時には聞くことが出来なくて、こうしてバンドメンバーで、体育館で合わせる一回一回に、しっかり自分の耳に焼き付けておき、例え音楽室だったとしても、本番を想定した音を、自分でイメージしないといけないのだと知りました。
私はオブリビオン、ホワイトフラッグの2曲でストリングスを担当します。キーボードで実際には音を出すけれど、弦楽器のような、弦をピンと張るような、緊迫感のある音を出せるように練習が必要だと思いました。
曲によって、あるいは同じ曲でも場面によって、色が違って、キャラクターも、立つ楽器も違います。あゆちゃんが、出したい音のイメージを共有してくれて、そのイメージを聞くと、これまで自分には無かった深みに一緒に導いてもらっているような気がして、その時間がとてもありがたかったです。音の理想を持って、理想に近づけよう、近づけようとしているうちに、本当に演奏が以前よりももっと良くなっていって、それを実感することができて、とても嬉しかったです。
自分以外に、どの楽器がどんな音を出しているのか、聞きながら演奏することを心掛けました。ともすると、自分の楽譜、手先に必死になってしまうけれど、自分の音を離れて、あゆちゃんのボーカルの声、隣の人の出す音から少しずつ視野を広げていくと、段々と、一緒に演奏しているバンドメンバーの鼓動が伝わってくるような気がしました。全員で一つの音楽を作り上げていて、一体となったような感覚に、心強さを感じました。
ナチュラル、バッド・ハビッツは、今日初めてバンドメンバーのみんなと合わせをしました。これまで個人練習をしていて、全体の中で自分はどんな役割なのか、どう聞こえるのか、バランスが分かりませんでした。でも、今日の合わせで、一つひとつのパートが合わさると、ちゃんと曲の形が出来上がっていて、少し感動しました。でも、曲を通して弾くことで、はっきりと出来ていないところ、練習が必要なところが見えてきてまだまだ練習が足りないなと痛感しました。次の合わせまでには、今日出来なかったところが出来ているように、これからも練習をしていきたいと思いました。
オブリビオンの合わせをしている時に、たくさんのダンスメンバーが前で演奏に被せてコーラスを歌ってくれました。コーラスの音圧が大きくて、一気に大迫力になりました。コーラスに合わせてダンスメンバーの気迫が出ていて、演奏がより説得力のあるものになっていることを感じました。
バンド練習を進めている間、ダンスメンバーのみんなは、オブリビオンのダンスを形にしていて、バンドと、ダンスが合わせられる日がとても楽しみになりました。
音楽合宿6弾は、日曜日まで続きます。1回1回の練習時間を大切にして、残りの日も真剣に向かっていきます。
(りな)
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3日間にわたる、音楽合宿第6弾が始まりました。
さて、1日目の今日は、コーラスざんまいのスケジュールでもありました。午前には『ナチュラル』、午後には『クリーピン』のコーラスの音入れをしました。
『ナチュラル』。
音数や、歌い回しは、とってもシンプルですが、コーラスの存在感が大きく、ボーカルや他のコーラスにつられないようにすること、走らないようにすることなど……自分のテンポと音程を保つことが重要で、気を抜くことはできません。
サビでは人の声というより、楽器になって歌います。
「1音は破裂音のように、2音目からは人間離れした吐息のようにしたいんだ」と、かにちゃんが教えてくれました。『ナチュラル』の原曲のボーカルの激しくて力 強い声を、さらに盛り上げられたらいいなあと感じました。
『クリーピン』。
こちらは、ちょっぴり複雑です。何回か出てくるフレーズのうち、1回目と2回目で音程や歌い方が変わったりする部分があります。ボーカルと同じように歌詞を歌う部分もあって、慣れない英語は難しい……けれど、とても楽しい!
初めは『Creepin’』(忍び寄る)という曲名にふさわしく、じわじわと近づくような怪しげなコーラス。少し切ない感情的なサビを経て、ただただ唱えるようにラップが始まったり……。1曲の中で、場面がころころ変わっていくのが感じられて、すごく魅力的な歌だなあと感じました。
今日音入れした曲のどちらも、イントロの部分から、間髪入れずコーラスが入っています。お客さんを惹きつける曲の始まりにできるよう、もっともっと歌い込んでいきたいです。
夜は、『オブリビオン』のダンス練習をしました。
あゆちゃんが考えてくれて、ついに最後の振りも決まり、1曲通して踊ることができるようになりました。できたてのダンスを、お父さんお母さんや、バンドメンバーのみんなにも、見てもらいました。
お父さんお母さんが、
「良いと思うよ。今の時点でこれだけ出来ているなら、もっと綺麗なものになっていくだろうね」
「この曲を頭に置いて、脚本を書いていくよ」
と笑って話してくれたことが、うれしかったです。
あゆちゃんが考えてくれた振りというのが、右手は胸元に、左手は手を思いきり広げて、高く伸ばすというものです。
最後はそのポーズのまま、静止します。
「今までなのはなに来るまで、答えを求め続けて、でも、見つからない……。それを、表現するんだよ」
「最後に『本当に、答えはないのか!?』って訴えるんだよ」
あゆちゃんが伝えてくれた言葉が、すうっとこころに染みこんできました。
答えを知りたくて、求め続けてきた、過去のわたしたち。そんなわたしたちがどうなっていくのか、コンサートはどうなっていくのか……。
お客さんをドキドキさせるとともに、「これがなのはなのコンサートだ」と感じていただけるような幕開けを作っていきたいです。
今回の合宿で配られたステップアップシートには、下線が引いてあり、さらに赤文字で書かれてある一文がありました。
「自分の音やメロディー、動きに理想を持つ!」
それは、まさしくわたしが、今一番意識しなくてはいけないテーマだと感じていたので、ハッとさせられました。
1日目は終了。明日からも、さまざまな練習があるなかで、毎回「あるべき自分の姿」を描きながら、取り組んでいきたいです。
(みつき)