「3つの質問」 ななほ

10月4日

 「利己心」の人から、「利他心」の人になると思った時、気が付けば失敗や怒られることを恐れる気持ちがなくなっていました。

 掃除をしていてふと、そのことを感じたときものすごく、頭の中がスッキリしたし、今日1日朝からそんな気持ちで過ごしていたら、いつも以上に色々なことが楽しく感じました。

 もちろん、私は楽しいことや面白いことを見つけるのが好きなので、傍から見たら昨日の私も今日の私も同じように見えるだろうけれど、本当に利他心の人になる、理想に近づいていくと思った時、怖さがなくなると同時に、自分の中に死さえも恐れないくらいに強い気持ちが湧いてくるのを感じます。

 何の決心をしたわけでもないし、死ぬ予定なんてないけれど、「よく生きよう」と思ったら、まず失敗も怒られることも恐れずに挑戦して、動いて、分からないことがあればお父さんとお母さんに質問して、その上で自分の中に新しい価値観や、良いこと悪いこと、利他心とは何か、利己心とは何かを積み上げていったらいいんだなと思うと、すごく気が楽になったなと思います。

 これまではどこかで、(これを言ったら怒られるんじゃないか)(相手を悲しませるんじゃないか)と思ったり、(これは私が優しくないことなんじゃないか)と自分で自分を決めつけて、計算するように人と関わってきてしまっていたのかもしれませんが、もうそんなことはしなくていいし、そう思いながらユアペースで生きていたら、本当には利他の気持ちで生きられないのを感じました。

 だから、分からないこと、困ったことはお父さんとお母さんに質問します。そして、自分が間違っていること、勘違いしているところは素直に直していきます。お父さんとお母さんが「いいね」と言ってくださること、肯定してくださることはそのまま受け取ります。

 そう思うだけでも自分がこれからもっと良くなっていける、いいように変わっていけることにより希望を感じるし、よく生きるためにも直せるところは気づいた時に直す、よくなれるところは今良くなるという覚悟をもって生きていきたいと思いました。

・ハウスミーティング

 今日は水曜日で、朝から頭の中は、「わーい! ハウスミーティングがある!」という気持ちでいっぱいでした。
 ハウスミーティングは私が一番大好きな時間です。夕方に、お父さんの話をたくさん聞かせていただけたことが嬉しかったです。

 みんなと質問を順番に回していきながら、私も3つの質問をさせていただきました。

 1つ目は、日記について。
 私は今もこうして日記を書いていますが、忙しい日は10分で日記を書いています。また、私はよく「日記を書くのが早いね」と色々な人に言われるのですが、恥ずかしいことに2本指しか使わずに日記を書いています。なのはなに来たばかりの頃、お父さんが廊下を通るたびにリビングへ寄って、
「ななほ、2本指だと遅いだろうから、ブラインドタッチで5本指使ったらいいよ」
 と指を置く位置を教えてくださったのですが、結果として、私の努力のなさで長続きせず、今でも2本指です。でも、1つ変わったこととしては、来たばかりの時は人差し指2本だったのが、今では中指2本ということ。人差し指よりも、中指の方が子どもっぽさが少ないですよね?(あまり関係ないですが……)。

 それと、毎日日記やら、記事やらを書いているお陰で今では目をつぶってでも、横においてある保育の教科書を読みながらでもパソコンを打つことができます。
 そのため、今ではパソコンも早く打つことができるのですが、みんなに、
「なんで、そんなに書くのが早いの?」
 と聞かれるときに、
「え、でも私、読み返していないんだよね……」
 と言えば、ものすごく驚かれることがしばしばありました。

 今日もちょうど、ある子に、「え、見直したことないの? でも、誤字脱字もないし、整然としていてどういうこと?」と聞かれ、(う~ん。どういうことなんだろう?)と自分でも不思議でした。

 そこで、日記や今日のなのはな、山小屋だよりなどで書いた文章を、これまで一度も、本当に一度も見返したことがない、読み返して文章の手直しをしてから提出ということをしたことがないことは直した方がいいのか、お父さんに質問させていただきました。

 すると、お父さんが、
「何度も見返して直して書いた文章の方が案外、あまりいい文章じゃないことも多いよね。いつも、直しがないように常に言葉を選んだり、直さなくていいようにしているということだから、それはとてもいいことだと思うよ」
 と言ってくださり、ホッとしました。

 もちろん、誤字脱字があったり、勘違いしたままの日記を出していたり、時々、日付を書かないままとか、書こうと思って中途半端なまま日記を出してしまっていたということがあり、後で布団の中で、
(わぁ、私、今日の日記最後まで書かないまま出しちゃったかも!)
 とヒヤッとすることもあるので気をつけようとは思うのですが、お父さんが、
「日記はもともと、公的なものではなく私的なものだから、そのまま直さずに気持ちを書いていいんじゃないかな」
 と言ってくださり嬉しかったです。

 2つ目の質問は、好きな気持ちと嫌いな気持ちについて。これは、特に答えを聞きたいとずっと思っていた質問でした。
 私は摂食障害になってから、花や動物が好きという気持ちが分からなくなっていたのですが、人に対しては好きな人と苦手な人、好きな印象、苦手な印象というのが同性異性に関係なく、はっきり持っていたことについて質問しました。
 それは、私がハッキリ持っていたと思っているだけで情緒も喜怒哀楽も、好き嫌いも浅いだけだったのか、それとも私の場合は両親から直接的な攻撃をあまり受けてこなかったから喜怒哀楽や好き嫌いを持つことができていたのかについて質問をすると、お父さんが、
「今、ななほがした質問にももう答えがあるよ」
 と話してくださりました。

 動物や花に対する好きな気持ちは分からなくなったけれど、人に対する好き嫌い、同性異性に対する好き嫌いを持っていたこと。
 私の場合は、両親から直接的な攻撃を受けてこなかったから、自我や喜怒哀楽を失わずに済んだこと。攻撃や厳しい言葉をかけられてきた子は、常に相手の顔色をうかがいながらユアペースになってしまうけれど、私の場合は、どちらかというと、私自身が既存の価値観や生き方に対して疑問をもってきたから、好き嫌いや自我も失わずに済み、ユアペースになりすぎてしまうということがないことなどを教えてくださりました。

 だから、私が感じていた好き嫌いの感情も、異性に対する好意的に思う気持ちも間違っていないこと。摂食障害の人は恋愛はできませんといっているけれど、例外的に自我を失わずに済んだ人は好きな気持ちがちゃんとわかるということを教えてくださりました。

 その話を聞かせていただく中で、改めて自分自身の傷についても理解が深まると同時に、普段の生活の中で好きな感情、嫌いな感情についてもこれは持っていていいものなのだなと分かり嬉しかったです。

 3つ目の質問は、相手を許すこと、心の許容範囲について。
 私は摂食障害になってから自分のことも家族のことも、人のことも許せない、心の許容範囲が極めて狭くなっていました。そして、幼い頃から家族が幸せになるように、これ以上バラバラにならないようにという不安から、家族に対する縛りや要求を多く持ち、家族の行動に怒りを感じたり、(どうして仲良くしないのか)(どうして優しくならないのか)と思って悲しかったです。

 でも今、なのはなで生活していく中で気が付けば、相手のことを許して、目の前だけで判断するのではなく、遠いところを見て判断できるようになってきたなと感じています。まだ、お父さんとお母さんたちが見ているような世界からは程遠いかと思うのですが、それでも、少しずつ視野が広がって、心の許容範囲度が広くなっていく中で自分自身も生きやすくなったし、イライラするということがめっきりなくなりました。

 例えば、目の前だけを見たらよくないと思うようなこと、これはどうなのかなと思う時も、(この人にはその人なりの考えがあるんだな)(何か理由があるのかな)と思って自然と受け入れられるし、なのはなだけではなく、スクーリングや試験で出会う人にあっても、こういう人もいるんだなというように見ている世界、知っている世界が当たり前かもしれないけれど、10歳、13歳の時とは比べ物にならないくらいに広がっていて、生きやすくなったなと感じます。

 そして、自分の過去に対しても、私が気にしなくても良いことだった、私が心配しなくても良いことだった、私が守ろうと思っても思わなくても関係がなかったし、私がどう頑張ろうが何も変わらなかったし、誰も変えたいとか、変わろうとか思っていなかったんだなと、抽象的だけれど、今、客観的に思えて何だかすっきりしています。

 そのことを話した時、お父さんがそれはとてもいいことだよと言ってくださり、嬉しかったです。
 利己的になってしまうと、目の前の人のことが気になったり、許せなくなったり、相手に自分の考えを押し付けたり縛ったりしてしまうけれど、利他的になっていくと、見ている世界が広がっていくからそうはならない。
 見ている世界が地球規模、そして今だけではなく何十年も先になると、自然と目の前のことが小さく思えてくるし、同じ時代を生きる仲間だから、そんな小さなことでイライラしたり、目の前の人を変えようとは思わなくなるなと感じます。

 上手く言葉にできないのですが、ハウスミーティングで3つの質問に答えてくださる中で、改めて自分の中に色々なものが積み上げられていくのを感じたし、とてもリフレッシュされました。

 これからチームでの練習があるのでここまでにしますが、ハウスミーティングの時間が嬉しかったです。

 最後に……。
 これからしばらく、勉強も落ち着くので、みんなと畑やコンサート練習をできるのが嬉しいです。また、りのちゃんと一緒にコンサート練習や、なのはなでのイベントを楽しめたらいいなと思います!