
10月4日のなのはな
第2回目の、白菜の定植。今回の定植のネット掛けは、いつもと違った方法で行いました。
今までは、ポールをアーチ状に立ててから防虫ネットをかける、というものでしたが、時に裾が開いてしまい、害虫の侵入を許してしまうことがありました。
その改善策としてのアイテムが「篠竹」です。
どういうふうに使うかというと、株と株の間に、20センチほどにカットした篠竹を刺します。それが、防虫ネットを支えるポールの代わりとなります。
その上から、べたがけに近い形でネットをかけると、株は確実にネットに守られ、確実に地面までネットが行き届いており、害虫から守られると見込みました。
担当のつきちゃんやなつみちゃんが、その方法でやろう、と話してくれて、あ、なるほど! と、新しい発見がありました。
そのネットがかかった光景は、柱にかかった白いカーテンで苗が守られているようでした。

白菜。冬には欠かせない野菜の一つです。
寒ーい日の温かいお鍋に、白菜が顔をのぞかせているのが想像できます。
結球する際に良い状態で葉を巻き込んで、綺麗な白菜を大事に育てていきたいな、と思いました。
(ほし)
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【畑の周りで見る、秋の色】
〈ヒガンバナ〉

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昨日の夜から私はずっと、緊張でドキドキしていました。9月から練習してきたアンサンブル『ブエノスアイレスのマリア』を、今日の午後にあゆちゃんに聞いてもらおうと、約束していたからです。私は、練習とはいえ、誰か1人にでも聞いてもらうということは、ひとつの本番のように感じています。途中経過ではあるけれど、今の精一杯をあゆちゃんに聞いてもらえるのを、とても楽しみにして、午前中を過ごしました。
1時間ほど個人練習をして、何回か合わせました。そして、約束の時間がきて、あゆちゃんが音楽室に入ってきたとき、緊張よりも嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
そして、今の私たちの精一杯で演奏して、あゆちゃんが聞いてくれました。やはり、誰か聞いてくれる人がいると、より演奏に気持ちが入りやすかったです。
あゆちゃんが笑顔で聞いてくれて、その後、たくさんのアドバイスをくれました。パートごとに細かくアドバイスをくれて、アドバイスをくれた部分を練習しました。あゆちゃんがアドバイスをくれると、その部分がどんどん立体的になって、この音のどういう魅力を聞かせるのか、というのがわかりやすくなってきました。
私は、ほしちゃんと一緒に、低音パートを吹いています。曲のはじめは、私たちの低音のメロディーではじまります。そして、私たちの低音の刻みをベースにして、音楽が展開していきます。
まず最初に、私たち低音パートは、楽器をブリブリと言わせずに、音のがさつきをなくして、密度の濃い音で、メロディーを支えることを教えてくれました。今の私たちの音だと、音にすき間があってそのすき間からメロディーがこぼれおちてしまって、どっしりと支えられていないということを教えてくれました。その例えがすごく分かりやすくて、私たちは、メロディーが安心して伸び伸びと吹けるように、音をこぼれ落ちさせないように、密度の濃い低音でしっかりと支えるのが役割なんだと、心に落ちてきました。そして、その役割を誇らしく思いました。
次に吹いたときは、艶があって密度が濃い音で、メロディーを力強く支えて、少しの音もこぼれ落ちさせないという意識で吹きました。すると、まだまだ理想には遠いですが、しかし、吹きやすくなりました。もっともっと、メロディーを吹く人が伸び伸びと吹けるように、密度の濃い音を研究していきたいです。
そして、もうひとつ。曲の最初は、ほしちゃんと私の低音の刻みと、ゆりかちゃんの細かいタンギングの刻みの、2つだけの音ではじまります。そこでは、ほしちゃんと私が主です。あゆちゃんが、一音目を丁寧に響かせて吹くことを、教えてくれました。
イメージはわかるのだけれど、それを実際に音で吹くのがとても難しくて、苦戦しました。曲の一番最初の音を吹くのは、とても勇気が必要です。清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要です。私はその覚悟が甘いということに気付かされました。
もうひとつ、この最初の4小節の後で、さやねちゃんのメロディーがはじまります。上手にデクレッシェンドをして、さやねちゃんのメロディーへと受け渡しをすることも、教えてくれました。デクレッシェンドをしているつもりになっていても、客観的に聞いたら音量が変わっていないということを言われて、自分が思っているよりも倍くらいに山谷を深くして演奏しなくてはいけないのだと気がつきました。
そして、一生懸命に言われた通りに吹いている人をやるのではなくて、次のさやねちゃんのメロディーを聴いて下さい、という気持ちでデクレッシェンドするというアドバイスをくれました。
私は、仲間のことを誇らしく思い、是非聞いて下さいと、紹介する気持ちで吹いてみました。まだまだ練習が必要だけれど、この最初の4小節を吹くときの気持ちが定まりました。
それから、夕食後の当番の後から9時までの間、この最初の4小節だけを吹き続けました。吹いているうちに、コツがだんだんとわかってきました。8時半から、ほしちゃんとも一緒に、練習をしました。練習をする中で、この音を吹くときのイメージがかたまってきました。それは、先頭を切って、誰も歩いたことがない道を切り拓く戦士の気持ちです。最初の一音を吹くには、その強い気持ちが必要だねと、2人で話しました。
2人でその気持ちで吹くと、今までとは全然違う音が鳴りました。思わず2人で顔を見合わせました。気持ちが合うと、音も合うのだと、実感しました。ほしちゃんと、これから少しでも時間があったら、この4小節を毎日練習しようと、約束しました。
本番は一回きりで、一回で、勇気を持ってこの音を吹かなくてはいけません。一音が、命がけです。その一音で、誰かの勇気となるような、音が吹きたいです。
もっともっと、高い理想を持って、これからも練習を積み重ねます。
(えつこ)