山の緑色に覆われていた景色が、ぱっと変わって、海の青色が、目いっぱいに飛び込んできました。
小さいころから、海は青色だとばかり思っていたのに、この鳥取の海に来て初めて、海は透明だったことを知りました。
白い砂浜が透けて見えるくらい、透き通っている無色。グラデーションをつくり、いつしか無色だったのが、青色に変わります。水平線のほうまで目を移すと、その青色も濃く、暗くなって……。
この先はどうなっているんだろう。一瞬で、非日常に引き込まれるような、海。「ああ、海だ!」
海遊びのウォーミングアップとして、「宝探し」をしました。お父さん、お母さん、あゆちゃんたちが投げ入れた、金色に塗られた石を、水中から探し出します。
■お宝と魚を探して
砂浜から、海へ向かってダッシュ!
今日は快晴につき、水温はちょうど良いあたたかさ。
そして、すこしの濁りもない、綺麗な海水。石がどこにあるのか、すぐに分かってしまうくらいです。
あちこちで「あったー!」と石を掲げる子たちがいて、わたしも見つけることができました。みんなで、隠されたすべての石をもれなくコンプリート!
ここでもう、頭までびしょ濡れのわたしたちです。
自由時間には、岩の洞窟のほうへと泳いでみました。お父さんが、「岩の周りに、魚が泳いでいるのが見られるよ」と教えてくださいました。そこは、少し深く、足がつくかつかないかどうか……。ゴーグルを着けて、エイッと潜ってみました。
目を凝らして見てみると、魚の群れが通りすぎていきました。それだけではなく、黄色に黒色のしま模様を持った、エンゼルフィッシュも見つけました。
まだまだ魚探しは続きます。「イカの赤ちゃんがいるよ!」
と聞いて、みんなで順番に潜ってみたり、あゆちゃんが見つけてくれた、ヒトデを見せてもらいました。手の上でじっとしているヒトデは、本当に綺麗な、あの星形をしていました。
今まで水族館だとか、ガラス越しに見ていたものが、本当にすぐ目の前にあることが、信じられませんでした。そっと近づいていくと、わたしたちのことなんて何でもないように、すいすい泳いでいく魚たち。今まで知らなかった世界を感じて、まるで、人魚姫になったような気持ちになりした。
■割れた!
さて、ここからは実行委員さんが企画してくれた遊びの時間です。
恒例の「スイカ割り」。なのはなで育てたスイカもいっしょに、海に来ることができました。
目隠しをしてスイカに向かう人、その人を誘導する人に分かれて、一番にスイカに命中させることができたチームに点数が入ります。
誘導する人はコーチングゾーンに入って、その位置からのみ、声をかけることができます。さあ、声よ届いて!「十三時の方向に五歩!」わたしたち、あゆちゃんチームの誘導では、みんなが知っている時計にたとえて、的確な指示をすることに決めました。あゆちゃんの大きな声を聞いて、すにたちゃんが割ってくれました。スイカの前でスッと立ち止まり、しゃがみこんで、棒を振りかざす……。割れた!
他のチームでも、見事割っている子が続出。ぱっくりと半分に割れたスイカは、まぶしい黄色をしていました。
まるで目隠ししてないんじゃないかと感じてしまうくらいで、みんなの力強い一発が、気持ちが良いスイカ割りでした。
割れたスイカは、おやつでいただきました。火照って、しょっぱくなった身体に染み渡る、スイカのみずみずしい甘さが、たまらなくうれしかったです。
続いては「全力リレー対決」です。
スタート地点は砂浜。海の沖のほうに立っているお父さんを折り返し地点として、走って走って、バトンを繋ぎます。
第一走者の子たちが、勢いよく、海へと向かって駆け出しました。そして、海の中へドボン!
海の流れに逆らいながら、お父さんを目指して、足を動かします。
ここからが、このリレーの面白くて、大変なところなのです。無事折り返して、みんなのいる砂浜を目指して、帰るだけ!
……それなのに、足が、動かない。いや、動くのだけれど、鉛のように重くなっている!
■なんとかゴール
ものすごく急ぎたい、ものすごく走りたいのに、なかなか思うように動けない……。
その恐ろしさ、歯がゆさを感じながらも、なんとかゴール。最後の力を振り絞るように、こちらに向かってくるみんなの姿を見ていると、応援の声にも力が入ります。よくあるリレー対決が、海で行うと、こんなにも変わってしまうなんて。
リレーで上がった息を整えるように、「砂の魚作りコンテスト」の始まりです。
どこまでも広く、大きなキャンバス。そんな砂浜に、魚のオブジェを描き、作り上げます。制限時間はわずか三十分。くじで引いたお題の魚を、いかに忠実に再現できるかどうかが、ポイントです。
■大きなヒラメ
わたしたちのチームのお題は「ヒラメ」。あゆちゃんたちが形作ってくれている間に、ゆりかちゃんたちといっしょに、材料集めをしてきました。干からびた海藻は、ヒラメの背びれに。貝殻の破片は、ヒラメの目や歯に使いました。落ちていたちょっとしたものが、ヒラメらしさを増していってくれるのが、楽しかったです。
最後に、あゆちゃんが持ってきた大きな木の枝と、長いツルの雑草を使って、釣り竿を作ったら……。「大きなヒラメ、釣り上げた!」と言わんばかりの、物語が出来上がりました。
他のチームのみんなの作品も見て回りました。ぷっくりと膨らんだボディがかわいらしいフグや、今にもぴちぴちと跳ねていきそうなタイなど……。生き物の特徴が、そのまま表現されていました。波にさらわれてしまうのが、惜しくなってしまいます。
帰る時間まで、みんなで思い思いに遊んで過ごしました。りゅうさんやみんなで、シンクロスイミングの真似をしてみたり、浮き輪ボートの上に乗って、押し相撲をしてみたり……。
周りを見ても、みんなが同じようにはしゃいでいて、あちこちでキャッキャと楽しそうな声が聞こえてきました。海で揺られ、海に浸かっているだけで、何をやっても楽しかったです。「僕は、小学生の夏休みは、毎日海に行って、一日中過ごしていたんだ」
と、お父さんが話してくださったことを思い出しました。
幼かったころのお父さんの気持ちに共感できました。わたしも、なのはなに来たから、なのはなのみんなとだから、大好きになった海。ずっとこのままここで、こうして居られればいいのに……。なんて、思えてしまうことも、幸せだなあと感じました。
気がつけば、古吉野に到着です。
身体は、心地よい遊び疲れに包まれていました。布団の上で寝ていても、ゆらりゆらりと波に揺られているのでした。
目をつぶってもまだはっきりと思い出せる、大きな青い海でいっぱいになりながら、海水浴の一日が終わりました。
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