9月19日(火)「畑の見回りと籾摺り機掃除の午後 & アコースティックギター新曲『Time Travel』」

9月19日のなのはな

 前日の音楽合宿で練習した『オブリビオン』『オーガスタス・グループ』を練習した午前。そして雨降りの昼を迎えて、午後からは、ミーティングや、畑の作物の見回り、室内でできることをして過ごしました。

 畑では、18日の夕刻の激しい雷雨の影響が出ていました。昨日は中庭のロータリーが海になってしまうほどの強い雨と激しい雷にみまわれて一時的に電気が使えなくなり、真っ暗ななかでランタンや小さな電飾をともして夕食を食べる、という場面もありました。その特別な雰囲気とランタンの光は楽しいものでもあり、ある子が、「この灯りが蝋燭だったら、平安時代はこんなふうだったかもしれない」と言いました。

 しかし畑ではオクラがいくつか倒伏してしまうなど少し被害がありました。何よりも驚くべきことは、サトイモ畑の一部5メートル四方ほどが一夜にして萎れ、一部は株がまるごと茶色く傷んでしまっているという光景でした。昨日の昼間には何事もなかったのに、何が起きた? 担当の子たちが出した結論は、「雷が畑に落ちた」ということでした。

 盛男おじいちゃんは、以前、田んぼに雷が落ちたとき、そこだけ青々と稲の成長が良かったということを話してくださいました。土の分子と結合していたリン酸が、雷の高圧電気のショックで解き放たれ、植物が吸収できる状態になったためだ、と。
 サトイモが雷の直撃によって傷んでしまったことは残念ですが、土には良いこともあるかもしれない、と希望を持つことができます。

 そうした影響はありながら、たくさんの水が畑を潤してくれた喜びもありました。
 見回りでは、秋冬野菜を新体制で回し、次の担当者に引き継ぐために、今の作物の状況やこれまでの手入れの経緯もまとめていきました。

 

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〈セロリ、白菜など秋冬野菜の苗の手入れも行いました〉

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〈セロリ〉
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〈水菜は丸い双葉の間から、馴染みのある本葉が小さく顔を出しています〉

 

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 紫黒米の籾摺りをするための籾摺り機と選別計量機の掃除をしました。
 9月16日にハーベスタで稲刈りをした光田んぼ下の紫黒米は今、乾燥機で乾燥中で水分値15%までじっくりと乾燥させています。
 前回もち米を籾摺りする前の掃除で、るりこちゃんが計量機の掃除が大好きだと教えてくれて、今回も、るりこちゃんに計量機の掃除をお願いすると、「いいの? やったー」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。
 私は籾摺り機の掃除をしました。掃除蓋の開けられるところを開けて、掃除機やエアーコンプレッサーを使って掃除を進めました。

 

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 最後まで残っている米を出し切るのに根気が必要ですが、るりこちゃんと目の前の機械に向かって、お米のパラパラする音の変化を聞きながら進めて、綺麗に掃除を終えられたときは達成感があって嬉しいです。

 籾摺り機倉庫横のブルーシートで覆った部屋は、籾殻などの排出先で、籾摺り機倉庫の壁に開けた穴から中を覗くと、もち米を籾摺りした分のもみ殻が山になっていました。塵も積もれば山となる、で、いつの間にか山になっていて驚きました。

 

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 掃除は途中になっているので続きをしたいです。籾摺りをしたときに白いお米の混じらない紫黒米になっていたらいいなと思います。

(さくら)

 

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 午後の初めの、「作者は何を伝えたかったのか」を話し合うミーティング。
 今日のお話は、『狼の眉毛』という話でした。

 あゆちゃんの朗読をみんなと聞かせてもらって、その後チームに分かれて話し合えた時間が嬉しかったです。

 ……昔むかし、貧乏で鍋洗いをして、その洗い汁を飲んで飢えをしのいでいた男の人。それを周りの人たちからは馬鹿にされていました。
 もう、いっそのことオオカミに食べられてしまった方がマシだと思って山に行くと、出てきたオオカミにもらったのは、オオカミのまゆげ。それをかざすと、人間の本性が分かるというもの……

 昔話の題からして、そのお話の展開もちょっと不思議なところの多い話に感じましたが、チームのみんなと、もしこの話に抜けている部分があったらどんな話だろう、などという視点も含めて自由に意見を出し合って考えられた時間が面白かったです。
 自分がどう思ったかをただ話すだけでなくて、他の人の感じたことも聞くことで、より物語を客観的に見られたり、みんなの意見が集まるとそこにユーモアのある捉え方も生まれてきたりします。

 

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「こんなにまゆげについて語ることってないよね」
 などという言葉が出てくるくらい、短い時間ではあったけれど盛り上がって交代で話をできた時間が嬉しかったし、その中でチームのみんなとのコミュニケーションの壁も薄くなっていくことを感じました。

 このミーティングでは、正解の答えを出すことが目的ではなくて、考えの幅を広げて、物語についてみんなと話を積み上げながら、アウトプット量を増やしてバランスの良い気持ちを作っていきます。
 これからも、このミーティングを通して自分たちの成長にも繋げていけたらいいなと思います。

(えみ)

 

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 毎週火曜日の夜には、藤井先生が古吉野に来てくださって、ギター教室があります。今日から、コンサートで演奏する新曲の練習に入りました。
 岸部眞明さんの、『Time Travel』という曲をこれから練習することになりました。12月のコンサートまであと3か月、それまでに、聞かせられるレベルまで上げるのだと思うと、気持ちが引き締まりました。1回1回の練習の時間を大切にしたいと思いました。

 最初に、みんなで楽譜を目で追いながら、原曲を聞きました。アルペジオの曲で、想像以上にテンポが速くリズミカルでした。ポンポンと跳ねるようなリズムのように聞こえて、なぜだろう……と思っていたら、練習を始めるときに、その理由が分かりました。
 この曲は、4,5,6弦をハーフミュートにして弾く奏法のようでした。ハーフミュートで演奏することに慣れていなくて、初めはハーフミュートにしながらちゃんとした音を出すことにとても苦戦しました。

 

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 ハーフミュートは、弦を弾く右手を弦に押し当てて響かないようにロックし、そのうえで演奏します。通常なら弦を弾くとずっと長く響く音が、ハーフミュートをすることで、「ポロン」という少し籠ったような、響かない音が出ます。
 弦が響かないように手の側面を押し当てながら、弦を指で弾くというのが窮屈だったり考えることがたくさんあって、両立するのがとても難しく感じました。ハーフミュートをしながら音を出すというだけでも大変なのに、プラスして左手の動きが入ると、より難しくなりました。こんなことが出来るのだろうか……出来るようになるまでが、途方もないぐらい長いような気がしました。

 でも、とてもゆっくりなテンポで、何回も何回も同じところを繰り返し弾いていると、魔法のように、途方もないように思えた音が少しずつ出るようになってきました。左手が自然と動くようになってきて、ほんの一部分ではあるけれど、原曲で聴いたメロディが、自分の持つギターから流れてくるのがとても嬉しくて、練習がどんどん楽しくなっていきました。

 

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 ハーフミュートの他に、タッピングという、弦を叩いて「チャ」という音を出す奏法も、たびたび登場しました。「チャ」という音は、弦がフレッドに当たるとそのような気持ちの良い音がします。

 親指で、6弦を軽く叩くとタッピングの音が出せると教えて下さりました。ハーフミュートした手の形を変えずにタッピングの音を出すのがとても難しく感じました。もっと軽やかにタッピングが出来るようになりたいと思いました。

 

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 今日は主に、譜読みを進めていました。音数はそれほど多くはなく、複雑ではないけれど、弾き方が特殊で難易度が高いことを知って、ギター教室のメンバーのみんなと、楽しんで乗り越えていきたいと思いました。
 これまで練習してきた『流星』と共に、ウィンターコンサートで演奏する曲なので、これからも練習を積み重ねて、精度高くしていきたいです。

(りな)

 

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〈たけちゃんとたいちゃんは、図書室の入り口に腰掛けて、カスタネットや空気入れを使って伴奏をしていました〉