
9月9日のなのはな
車の窓を開けて外を走ると、秋の風と共に、ふわっと、稲の香りを感じ始め、暑かった夏も終わり、稲刈りの季節がやってきました。
頭を垂れた稲穂のように、謙虚な気持ちでいたい……改めてそう言う気持ちになるのも、この季節です。
いよいよ今日は、うるち米の稲刈りの日。
お父さんが運転するコンバインでの稲刈りです。
場所は、石生田んぼ。
古吉野から回送車でコンバインを運びます。大きな機械の大移動。
とてもスケールの大きな作業の中で、緊張した空気を感じ、誰もが事故のないようにと、慎重に作業を進めるのを感じ、背筋が伸びるのを感じ、気合いが入りました。
石生田んぼに到着し、いよいよ稲刈りが始まります。
「4隅刈りはしなくていい。刈り残した稲だけ刈ってくれたらいいよ」
と、お父さんが最初に話してくれて、そのままコンバインに乗って田んぼに入っていきました。
畦ギリギリまでコンバインを寄せて、田んぼの隅の稲も、コンバインで刈っていくお父さん。
その後も、4隅を手刈りすることなく、お父さんが運転するコンバインが進んでいきました。
真っ直ぐに、そしてスピードを上げて、お父さんが止まることなく、進んでいきました。
こんなにも大きなコンバインを、悠々と運転しているお父さんの姿が、とても格好良かったです。
まるでお父さんが、とてつもなく大きな生き物を、いとも簡単に操縦しているように見えました。
大きくて、いつも全力で、私たちの前を進んでくれるお父さん。
その姿を、今日は間近で見させてもらって、改めて、「お父さんは、やっぱり私たちのお父さん」ということを感じました。
まえちゃんは、お父さんの作業がスムーズに進むように、全体を見て動いていて、なるちゃんは、静かに、作業をしやすいように周りを見て動いていて、2人の姿から、作業の進め方や、動き方を学ばせてもらいました。
視野を広く持って、常に相手のことを考えて行動する。私も2人のように、いつでもすっと動けるようになりたいと思いました。
空を見上げると、秋空が広がり、ツバメがたくさん飛んでいたり、サギが最後までそばにいたり、まるで、お父さんを応援してくれているみたいでした。
そして、黒い蝶々が飛んでいるのを見ると、盛男おじいちゃんの娘さんがおじいちゃんに、「蝶々になってなのはなへ飛んでいったら良いよ」と話されていたというお話を思い出し、盛男おじいちゃんが見に来てくれているように思い、おじいちゃんの笑顔が浮かびました。
お母さんが、たけちゃんと一緒に来てくれたり、みんなも応援に来てくれたり、家族みんなでの稲刈りに暖かい空気を感じて、心が満たされ、浄化されているように思いました。
刈り残した稲を集めて束にすると、ずっしりと重く、まるで稲の花束をプレゼントされた気持ちになりました。
満たされた気持ちと共に、実りの秋を感じました。
約3時間で、石生田んぼと桃横田んぼの稲刈りが終わりました。あっという間の、でもとても楽しい時間でした。
稲刈りが終わって、みんなホッとした様子で作業を終えました。この感覚が、日々の小さな幸せなのだなと、改めて感じました。
田植えから約3か月。
みんなで田んぼを見てきた日々が、あっという間に過ぎていきました。
何だかホッとするような、でも少し寂しい気持ちもするような……秋の季節にぴったりの気持ちだなと思いました。
これから、みんなでの手刈りもあり、まだまだ稲刈りは続きます。
今年の稲刈りも、最後まで無事に進みますように……。
(よしえ)
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1日を通して、苗の鉢上げと種まきをしました。
今、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、キャベツ、と、鉢上げを待っている野菜たちがたくさんあるのですが、今日はブロッコリーの鉢上げをしました。
苗が元気な状態で定植できるよう、セルトレーからポットにお引越しします。
鉢上げをした後の苗は、成長が早く、伸び伸びと育っているように思いました。
種まきではセロリとキャベツとブロッコリーを蒔きました。
私はセロリの種まきは初めてで、セロリの種はとても小さいということを話では聞いていましたが、見てみると本当にとっても小さかったです。ゴマよりも小さくて、びっくりしました。
セロリは種を蒔く前に、1時間吸水しました。濡らした布の上に種を数えながら置いて、水に浸して冷蔵庫で1時間吸水しました。種がとても小さいので、ピンセットで一粒一粒置いていきました。
種袋から種を出すとき、セロリのいい香りがしました。種は小さいけれど、香りは強くて、セロリの存在感は強いなと思いました。
吸水の1時間はお父さんの稲刈りの応援に行き、コンバインを操作しているかっこいいお父さんを応援できて嬉しかったです。
応援から帰ってきて、ちょうどいい時間でした。
神経を集中させて種をまいていきます。
ちゃんと見ていないと、種を見逃してしまいます。
以前セロリの種まきをしたことがあるさやねちゃんが、蒔いたところに指を置いていくと、どこに蒔いたか見失わなくなってやりやすい、と教えてくれて、私も試してみてやりやすかったことが嬉しかったです。
セロリの種まき中は静かな時間が流れていて、「芽が出ますように」と心の中で祈りながら蒔きました。今日は600粒蒔きました。
種まきしたセロリは涼しい部屋で管理されます。えみちゃんが事前に準備をしてくれていてありがたかったし、セロリも嬉しいだろうなと思います。
キャベツとブロッコリーの種まきでは、セロリを蒔いた後だったので、とっても蒔きやすく感じました。
キャベツの種はブルーにコーティングされていて、チョコケーキに飾られたアラザンのようでかわいかったです。
今日蒔いた種が発芽してくれたら嬉しいなと思います。
育苗中の秋冬野菜も増えていて、畑に定植されるまで元気に育つように、みんなで見ていきたいです。
(しなこ)
