8月26日(土)夜「魔法がかかった夜 なのはな縁日、開催」

8月26日のなのはな その②

 ウォークラリーを終えて、しゃんなりと浴衣を着、日が暮れるとともに提灯や桃ライトが灯ります。
 夏の終わり、おじいちゃんの山に立ち並ぶ屋台。たった一晩の特別な縁日が、開かれました。

 

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 それぞれがお父さんお母さんに選んでもらった浴衣を着て、山小屋の広場へ集まると、お母さんのお面屋さんに列ができていました。
 以前みんなで作った張り子のお面が、ずらりと並び、粋なものからかわいらしいものまで、揃っていました。

 

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 お母さんとたけちゃんがお店をしてくれていて、くじを引いて、同じ番号のお面を一人ずつ貰っていきます。私が引いたのは、オレンジの猫のお面。お母さんが「似合ってるんじゃない」と言ってくれて、嬉しかったです。
 不思議と、選んでいるわけではなくくじ引きなのに、それぞれ、その人にぴったりなお面を引いていました。今日の特別な縁日に、神様からの贈り物だったのかもしれません。

 

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 さて、お面も最後まで売り切れて、みんなが集合し、お父さんお母さんの開会宣言がありました。いよいよ全ての屋台が動き出し、縁日が始まります。
 私は、ヨーヨーつりチームで、店番を時間で交代しながら、しなこちゃん、つきちゃんと一緒に屋台を回りました。

 

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 広場に軒を連ねるのは、食べ物屋台。
 空いたお腹を満たすのは、正治さんの焼きそば。焼きたての焼きそばは格別に美味しくて、遊びを楽しむ力が補給されます。

 

 

 隣はお父さんの唐揚げ。お父さん、台所のまりこちゃんとゆきちゃんが前日から丁寧に下ごしらえをして、二度揚げをした、衣サクサク、お肉はジューシーな、最高の唐揚げです。なんと今回、お代わり自由!
 それから、りゅうさんのフライドポテト。一度冷凍させてから揚げたポテトは、外はカリッと、中はモチモチ。

 ご飯系は以上。次からは甘いデザート屋台が並びます。

 盆踊り大会に引き続き、須原さんの特製たい焼き。たい焼き専用の粉とはちみつ、なのはな産のあんこがたっぷり詰まった美味しいたい焼きです。
 そして河上さん、なっちゃんのミニクレープ。生地の中に、なのはな産の桃コンポート、スモモジャム、ブルーベリージャムとクリームが贅沢に入って、甘さがほとばしっていました。

 

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 最後には、まりこちゃん、ゆきちゃん、まことちゃんのマクワ・スイカスムージー。今回はマクワとスイカ、緑と黄色の2層になっていて、乾いたのどを潤し、火照った身体を冷やす、なのはな特製、トロピカルスムージーでした。気前よく、1人2杯飲めます!
 さらに山へ入ってからも、遊び屋台の中に忠政さん、まちこちゃんの綿あめ屋さんがあって、ふわふわとしたまん丸の綿あめを頂くことができました。

 

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〈忠政さんやまちこちゃん、ようたくんが綿飴を作ってくれるお店。香り付けに、宝石のようなドロップをひとつ、好きな色をえらんで入れてくれました〉

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 こんなにスペシャルで、ときめくものばかりの嬉しい食べ物屋台。縁日の間、好きなときに、縁日パスポート一つでどの屋台も回ることができます。
 食べ物屋台では、細尾さん、相川さん、卒業生のさきちゃんたち、ゲストの方々がお店を助けてくださっていました。忙しいけれど、みんな嬉しそうな笑顔でお店に立っていて、キラキラとしていました。

 広場を後にして、左右に桃ライトが点々と灯る坂道を登ると、遊び屋台が山の奥へと続きます。
 最初に見えるのは、射的。海の恐竜、陸の恐竜、空の恐竜。段ごとに生息地の違う恐竜が並んでいて、真ん中の陸地には、大物のティラノサウルスがいます。竹の格子ごしに見える空の恐竜は、テグスで吊るされていました。1人7発。玉を筒にしっかりと深く、まっすぐに込めて、恐竜たちを狙います。

 

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 残念なことに、つきちゃんも私も、ティラノサウルスに当たって、的が前後裏返ったにも関わらず、倒すことはできず。とっても、悔しかったです。けれど、空の恐竜、陸の恐竜、狙った的を命中させることができると、獲物をしとめたという感覚で、嬉しさが湧きました。
 待っている時間には、お店番で、さくらちゃんが的の恐竜の豆知識を教えてくれました。鮮やかな的の恐竜たちについて、面白い豆知識を聞きながら射的を楽しむことができて、嬉しかったです。

 次に、左手の少し奥まったところにあるのが、ヨーヨーつり。色とりどりのヨーヨーがプールに浮かんでいます。飾りでは、恐竜のシルエットのガーランドに、丸い風船。ヨーヨーを恐竜の卵に見立てて、小枝で作った恐竜の巣も、プールの傍にあります。
 ヨーヨーは1つ5点。オレンジの重ためのヨーヨーは点数2倍です。1人3本、運命のこよりを選んで、釣れるかぎりヨーヨーを釣れます。

 

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 今回は、引っ掛ける輪ゴムにサラダ油を馴染ませて、表面張力で水面に輪ゴムが浮くようにしました。そのこともあって、みんなかなり多くのヨーヨーを釣って、楽しんでもらえたように感じました。
 お店番でみんなを見ていると、面白いことに気づきました。ヨーヨーつり名人は、慎重で正確な人。1回1回「釣れたー!」と喜んでいる人より、静かに粛々と釣り続けている人。さくらちゃん、ひろこちゃん、まいちゃん。それから、ようたくんも上手で、200点越えをしていました。

 

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〈名人ほど粛々と、淡々とヨーヨーを釣っていく?!〉

 

 そんな名人たちに対して、ヨーヨーつりを初めてするというゲストの寧君、欧ちゃん。寧君は、はじめから10点のオレンジヨーヨーだけ狙って、水にこよりが浸ることも構わず、大胆に釣っていました。そんな寧君を見て笑う欧ちゃん。最後は「オレンジが好きやからな!」とオレンジのヨーヨーを持って帰ってくれました。

 

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 お隣の屋台は、金魚すくい。木で組んだ小屋に、手作りの大金魚看板、金魚型の提灯、飾り障子、灯篭。そして小屋の奥には、赤と青の切り絵のような美しい金魚の絵が。「おいでやす」としゃんなり、受付のちかちゃんも屋台の空気感を纏っていました。
 1人3本のポイとお椀を持って、赤い金魚、黒い出目金たちをすくいます。金魚すくい名人のお父さんの助言では、「金魚に心を添わせること」。ねらい目は、少し大人しい金魚です。

 

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 赤い金魚たちは俊敏にプール内を泳ぎ回っていて、私は大人しい出目金を狙って、6匹すくうことができました。名人のようにはできなかったけれど、今まででは一番、たくさんすくうことができて、少しだけ、金魚に心を添わせらるようになったかもしれないと、思いました。
 美しい透かし飾りに囲まれた、鮮やかな空気感の金魚すくい屋台の中で、金魚すくいを楽しみました。

 

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〈夜が深まり、ライトに照らされた屋台の道を歩きます〉

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〈昼にみんなで組み立てた恐竜の化石も、オレンジや緑などにライトアップされました〉

 

 次は、今年初めてなのはな縁日に登場した輪投げ。3×3の列に並んだ9本の的は、手前から10点、20点、30点。さらに奥には切り株の50点の的がありました。7つのノーマル輪と、2つの特大、切り株用輪を、的を狙って投げます。説明をしてくれたあやかちゃんの語尾が、輪投げにちなんだ「リング」になっていて、どこか愉快でした。
「ガンバリング!」
 お店番の子たちに応援されて、なのはなでは初めての輪投げに挑戦。名人のお母さんがやっていたという、両手で輪を投げる方法で。

 

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 弧を描いて的の棒に通すのは、難しかったけれど、挑戦を続けると、30点、10点の的に輪がかかりました。そして最後、奇跡的に50点の切り株に命中。
 輪投げは、得意分野ではないと思っていたけれど、そのとき1位だった人と、同率1位になりました。切り株に輪が入ったのは、狙ったというよりも、切り株に思いが届いたから、というようにも感じました。

 一番奥には吹き矢屋台。山の奥行きを存分に使って、木々に、火山から噴き出した、花火の的が取り付けられていました。
 12メートル先の奥の的は、遠くて肺活量がいるけれど、高得点。中間の的はギャンブル的。青い円が40点だけれど、その中心にある風船に当たってしまうと、-20点。手前の的は、ノーマルに中心が10点。

 

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 順番を待っている間、みんなの吹き矢を見ていることが面白かったです。さくらちゃんは、奥の的のど真ん中に命中させていたし、つきちゃんも3発、奥の的に命中させていました。
 驚いたのは、そらちゃん。最初から迷いなく狙ったのはギャンブル的で、3発見事に、風船を避けて青い的に当たり、120点の最高得点を出しました。そらちゃんが、涼しい表情でギャンブルに向かって行く姿が、お茶目でもあり、素敵でした。
 私も、奥の的の黄いろい円に2発、緑の雫に1発、当てることができました。本当はど真ん中を狙いたかったけれど、12メートルという距離がかなり遠かった。でも、挑戦できて嬉しかったです。

 

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 盛りだくさんの屋台で、夜8時半までの時間内に全部回り切れるかどうか、というほどでした。でも、しなこちゃん、つきちゃんと協力体制で、最後には無事に全部回って、縁日を余すことなく満喫することができました。
 あっという間の夜の時間。もっと楽しんでいたいけれど、お開きの時がやってきました。

 

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 最後は、広場のやぐらを囲んで、みんなが盆踊りを踊っていました。華やかな浴衣を着たみんなが、桃ライトに照らされて、円になって嬉しそうに踊っている姿。座って疲れを癒しつつ、みんなの盆踊りを見ている子達。
 ずっと続いてほしいな、と思うくらい幸せな空間でした。

 

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 縁日が終わると、屋台の灯りが消えて、山は静かにいつものように戻りました。たった一晩の魔法は、溶けてしまいます。
 でも、私たちは、子供のときに満たされなかった思いが、溢れるくらい十分に満たされたような、温かな思いが残りました。
 盛男おじいちゃん、今年もおじいちゃんの山で、こんなに大勢の家族と素敵な縁日を楽しむことができました。ヨーヨーつりの屋台にもやってきてくれた、1匹の美しい蝶。おじいちゃんも、喜んでくださったのではないかと感じます。
 大勢のゲストの方も一緒に、家族みんなで縁日を満喫できたことが、本当に嬉しかったです。

(りんね)