【8月号⑨】「カルシウムで甘く、鮮やか ミニトマト・ハウスへようこそ」 みつき

 ミニトマトのハウスにご案内しましょう。
 お客さんは大歓迎!
 だけれど、小鳥さんはご遠慮ください!
 入り口にはネットが張られてあり、初めはぼんやりとしか、中のミニトマトの様子をうかがえません。鳥対策のためのネットは、レースカーテンに見えてきて、『秘密の花園』に入るみたいで、わくわくしてきませんか?

 

 

 ハウスの中に入ると、緑のアーチが、わたしたちを出迎えてくれます。支柱まで届いた芽は、こんどは横向きになるように誘引をしています。外国の大きなお庭を連想させて、このアーチがどんどん広がっていくと思うと、うれしい気持ちになります。
 垂れ下がるミニトマトの実は、赤色と黄色の二色。毎日収穫をしていると、ミニトマトの実が語りかけてきているのを、感じ取ることができます。
 ベストな採れごろの実は、赤色が濃く、特に、おしりのほうはほんのり朱色にも見えます。黄色のトマトだと、黄色を通り越して、オレンジ色に近いくらいまで色づきます。「わたしを採って!」と言わんばかりに、ツヤツヤ輝いているのがわかって、収穫をする時間がとても楽しいです。

 

■重要なカルシウム

 大玉の実は、少し大きすぎて、ひとくちで収まるかな?
 噛んだ瞬間、皮がぱりっと弾けて、みずみずしい果肉とともに広がる、甘酸っぱさ。いくつでも食べられそうなくらいです。
 ミニトマトは、実を色づけるのにカルシウムが必要とのことで、定期的に「酢酸カルシウム」の葉面散布をしています。これまでの担当者が、毎年カルシウム分は与えていたけれど、今年になって、お父さんが、「酢酸カルシウムが、一番吸収されやすいカルシウム」と教えてくださいました。色鮮やかなミニトマトを保つため、これからも続けていきたい手入れです。

 そんなミニトマトのハウスですが、かなり暑い!
 収穫や手入れをしていると、ぽたぽたと汗が流れてきます。
 それもそのはず、昼の時間帯には、ハウス内は四十度ほどまで暑くなってしまいます。ハウスに照りつける太陽の光を和らげるため、ハウス・建築に詳しいさくらちゃんとりんねちゃんが、考えてくれました。
「ハウスの天井の一部にマルチシートを張ろう。それも、ハウス内の天井に張れば、マルチがはためいたり、傷んだりせず、日光を防げる」
 ということで、天井にマルチが張られています。

 

■たっぷりの水を

 これで安心、と思いきや、やっぱり暑い!
 
 お父さんにもハウス内を見ていただいて、「水が足りていないね」と教えていただきました。
 やや乾き気味で育てたほうが良い作物とはいえ、露地ではないから、水分量はわたしたちの水やり次第。たっぷりの水を与えて、ミニトマトをさらに元気づけるのが、これからの目標です。
 大きな実をいくつもつけて、黄色い花がいくつも咲いているミニトマトの株に、気合が入ります。
 日々の手入れを積み重ねて、ミニトマトと長く過ごせる夏にできるよう、頑張ります!