6月8日(木)「夏を迎えるアスパラに牛肥を & 本番は10日後 父の日のステージに躍る気持ち」

6月8日のなのはな

 シーズンに二度の収穫が楽しめるアスパラガス。春芽の収穫を終え、夏芽に向けて、再び根に養分を蓄えさせるために立茎をさせています。ですが、新芽が伸びてこない! これは明らかに栄養が足りていないよ! 慌てたわたしたち。今日は何が何でも、雨前にアスパラにたっぷり追肥をしてあげたいと、朝からアスパラ畑に直行して、まずは畝の上の草をきれいに取りました。

 畑のブタとも言われている、アスパラガス。その名がつくように、肥料食いの作物です。どの野菜よりも一度に与える肥料の量が多いですが、この日はこれまで以上にアスパラが元気になるようにと、ことにたっぷりと牛肥を与えることにしました。

 

P6080016

 

 与える肥料は、エルフの荷台に積まれた山盛りの牛肥です。その量の多さに圧倒されつつ、「頑張ろう!」と気合いを入れて、気持ちを一つにしてからバケツリレーの牛肥まきが始まりました。
 エルフの荷台でテミに牛肥を積むのは、なつみちゃん。それをわたしが受け取り、バケツリレーをして先頭のやよいちゃんへとテミを回していきます。隣の人までの距離が少し遠く、また足元には溝があって動きづらいところもあるけれど、そこはお互いにフォローし合おうという団結した空気がありました。

 

P6080023

 

 わたしはエルフにつき、なつみちゃんが牛肥を入れてくれたテミを、ひたすら次の人へ回し続けました。アスパラの畝に均等に牛肥を撒くために、定期的にあとどのくらいの牛肥が残っているのかを、先頭のやよいちゃんへ伝えていく必要があります。そのためにも量の減り具合がわかりやすくなるように、なつみちゃんが荷台の中で区画をつくり、確実に残量を伝えていけるようにしてくれました。
 テミにはいつも以上にたっぷりの牛肥がのり、持ち上げるときにぐっと腹筋に力が入ります。それをみつきちゃんへ渡すと、みつきちゃんも、「はいっ」という声と共に、力強くテミを受け取ってくれました

 

P6080020

 

 エルフから畑までの距離が遠く、先頭で撒いているやよいちゃんの姿は、わたしたちの場所からは見えませんでした。でも常に、「はいっ」「はいっ」とみんながテミを回す声と、定期的にやよいちゃんから、「次の畝に入ります!」という声が届き、その度に確実に進んでいっていることを感じて、わたしも流れの一部として、途切れることがないようにテミを回し続けていきました。ときに、「はいっ」の代わりに、ももかちゃんから短い伝言ゲームが回ってくることもありました。真剣な空気のなかに、ももかちゃんのユーモアのある優しさで気持ちが和みました。

 

P6080026

 

 荷台にのった牛肥の残量が約2分の1になったところで、一度、お茶休憩を挟みました。作業メンバーが久しぶりの集結。顔を見合わせると、どの子も顔が牛肥で真っ黒になっていて笑ってしまいました。
 やよいちゃんが、「すごく速いよ! 良いペース!」と言ってくれて、その言葉に自分もみんなも肯定感が高まるような気持ちでした。用意をしたお茶はとっても冷たくて、汗をいっぱいかいた身体に染み渡るようで最高に美味しかったです。

「よし、じゃあ残りを頑張ろう」
 立ち上がり、各自の持ち場へと戻りました。少しハードな作業だけれど、メンバー一人ひとりのやる気と気力、体力は何にも負けていなくて、アスパラを元気にさせてあげたい気持ちと、目の前のことに誠実に全力で向かおうという気持ちが自分たちをより強くさせてくれているようでした。

 

P6080030

P6080018

 

 始まる前は高い高い山だった牛肥。それが3分の1に減り、半分になり、そして4分の1になり……気がつけば、荷台の床板が見えてきて、左右のあおり板も取り外され、残すは本当に本当に小さな牛肥の山となりました。
「残り10分の1です!」
 なつみちゃんの、量を知らせる声が畑に響きわたり、とうとうここまでやって来たのだと思いました。

 最後は1人1つテミを持ち、各畝に牛肥を撒いていきました。「終わったーーー!!!」。
 時間を見ると、ちょうど1時間半が経っていました。最後はみんなでお互いをたたえ合うように喜びました。顔も手も牛肥の色だったけれど、それも勲章のようで、わたしたちにできないものは何もない、という誇らしい気持ちでいっぱいでした。

 

P6080032

 

 エルフ一杯分の牛肥が均等に撒かれた畝は、牛肥の波が立ち、土が垣間見えるところがほんの隙間もないくらいにびっしりと敷かれ、ビッグサイズのブラウニーケーキがいくつも並んでいるようでした。
 畝の上の牛肥を軽くならしてあげると、手袋の上からでも感じるくらいにほかほかと温かくて、発酵した牛肥が生きているのを感じました。この牛肥がアスパラの根に吸収され、そしてこれをたっぷり吸い込んだ根は養分が十分に蓄えられて、分厚く敷かれた牛肥の畝から顔を出すように、新芽が伸びてくる光景が目に見えるように想像できました。

 

P6080034

P6080035

 

 その午後、予報通り、雨が降り出しました。雨音を聞いていると、この雨水がアスパラの畝にも染み渡っているだのなと思い、よく肥料が効いてくれたらいいなと思いました。
 メインにはならないけれど、ないと寂しいアスパラガス。この夏も副菜やバーベキューで1人1本をポリッと囓れるように、チームのみんなとしっかり見ていきたいです。

(るりこ)

 

P6080402
〈黒大豆の苗床づくりがスタート。黒大豆を栽培する各畑の一角に、種をまきました〉
P6080057
〈ゴーヤの支柱用の竹取りが無事に終わり、カットした竹を畑へ運搬することができました〉

 

***

 

 ちょうど10日後に、あるイベントがあります。大好きな私たちのお父さんをお祝いする日です。その日に向けて、バラエティ豊かなチームに分かれて、着々と準備を進めています。

 

IMG_5072

IMG_5031

IMG_5082

 

 今日は雨で、がっつりと準備を進めるチャンス! 校内は笑い声と、歌声と、ダンスの足音と、お父さんを大好きな気持ちで溢れていました。
 私は、アンサンブルのチームで準備を進めました。曲の内容は、当日までのお楽しみにしていたいので、詳しくは書けないのですが、とても大好きで自分の気持ちにぴったりな曲があり、その曲を練習しています。そして、どうせやるなら、ニュースがあって楽しいアンサンブルにしたいと思い、隙あらばアンサンブルのことを考えています。

 夜寝ているときに、布団の中でおりてきたアイデアがあり、そのことをチームのみんなに話したら、良いねと言ってくれました。それは、ある曲の中に、ある曲と、ある曲を組み込むというアイデアです。それぞれ全くテイストの違う曲なので、上手くはまるかドキドキしながら、試しに、ちさとちゃんにフルートで吹いてもらいました。
 すると、転調も何もしなくても、違和感なく曲の中にすっぽりとはまることがわかりました。お父さんの大好きな曲なので、とても嬉しかったです。練習して、お父さんに聞いてもらうのが楽しみです。

 

IMG_5008

IMG_5017

IMG_5002

 

 自分の思い描く世界と、みんなの思い描く世界とが混ざり合って、新しいものができていく過程がとても楽しいです。ちさとちゃんとまよちゃんが、素敵なハーモニーを考案してくれました。その間、私は、ピアニカ片手に、ちさとちゃんとまよちゃんが吹くソロの伴奏を考案しました。
 チームのみんなに、フルートやサックスの楽譜の読み方を教えてもらって、楽譜を作りました。私は楽譜を作るということをあまりしたことがなかったのですが、その作業がとてもおもしろかったです。それぞれの楽器によって楽譜の読み方に違いがあり、トロンボーンの楽譜しか読めない私にとって、地道で根気のいる作業でしたが、それぞれの楽器の世界を垣間見ることができて、自分の世界が広がっていくようで、面白かったです。

 

IMG_4995

 

 夜も音楽室で練習をします。少しずつでも確実に、完成に近づいていく、途中経過の今が、楽しくて幸せです。今夜も、練習と衣装考案の予定があります。衣装について、チームの人がとても素敵なアイデアを出してくれて、今からみんなで考えるのがとても楽しみです。では、18日をお楽しみに!

(えつこ)

 

20230608_205910