6月7日(水)「支柱のための竹取り、大詰め & ひと房ごとに嬉しい ブドウのジベレリン処理」

6月7日のなのはな

「今日は、ゴーヤの支柱に使う竹を取ります!」
 さきちゃんの一言から、その作業は始まりました。
 先月から、ナス、ピーマンの支柱に使う竹取りを連日に渡って行ってきました。竹藪をかき分け、長い竹を引き出し、格闘するかのように竹を確保していきます。
 初めに、さきちゃんが、ゴーヤの横竹に必要な竹の本数を言った上で、今回の竹取りが今年の竹取りを締めくくる作業になるということも話してくれました。そのことを聞いて、気合が入りました。

 

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 今回は、たけちゃんハウスのすぐ近くの竹藪にて、作業を行いました。
 竹をノコギリで切る人と倒す人のペアが2組。倒れた竹をえつこちゃんが、すぐ横の通路まで引っ張り出してくれて、あとの4人で、その竹を古吉野なのはなのグラウンドまで運んでいきました。
「竹、倒れます!」
 と声をかけて、注意しながら、作業が進みました。

 私は竹を運んでいて、長い竹はカーブを曲がりにくかったりもしたけれど、上手に竹を操っていくのも、好きだな、と感じました。
 竹を引っ張って、さらさらという音を立て、笹を地面に引きずりながら運ぶと、まるで山登りをしているかのような気分になって、竹と格闘している……! という感覚がしました。
 息を切らしながらも、やりがいを感じました。

 

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 竹をグラウンドまで運んで、元の竹林に戻ったとき、突如お母さんの姿が見えました。
 竹を切るスピードに対し、運びの人数が少し足りていなかったのですが、お母さんが、竹を一時的に溜めておく場所を作り、スムーズに運搬できる流れを作ってくれました。

 竹を運んでいたとき、玄関下にいらっしゃった白井さんが、
「ほしちゃんが手伝ってほしそうな目をしてるから、僕も行くよ」
 と、竹運びを一緒に手伝ってくださいました。
 お母さんと白井さんが手伝いに来てくださって、竹運びがよりスムーズに進み、無事に、切り出した分をすべて運び出すことができました。

 グラウンドに、整然と竹が並びました。
 切り出した竹を、全てグラウンドまで運び終えた時、時刻は午後4時。
 作業時間は残り1時間。次の工程は、枝払いと竹のカットです。

「残りの時間、スピードを意識して出来たら嬉しいです」
 最後のラストスパート、さきちゃんのかけ声のもと、みんなと気持ちを一つに向かいました。
 竹の先端カットをする人が2人。あとの人はみんな、鉄筋を持って枝払いをしました。

 鉄筋で行う枝払いも、闘う気分で、スパッと一振りで枝を落とす、という意識で向かいます。周りのみんなからも、自然と一緒の気持ちなんだ、ということが伝わってきました。

 

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 ふと周りを見ると、枝払いされた竹が自分の後ろにたくさんたまっていました。
 枝払いが半分ほど終わると、せいこちゃんとまりのちゃんが、竹を支柱で使う長さにカットする工程を進めてくれていました。
 すごい勢いで進んでいる、楽しい! という気持ちがどんどん湧いてきました。

 

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 そして、作業終了時間の5時が近づくにつれ、竹は次々にカットされていき、枝払いされた笹は3つの山になり、カットされた竹は所定の場所に運ばれ、時間が進むごとに整然としていきました。
 そして、グラウンドにあるのが、笹の枝をまとめた3つの山だけになったときに、5時の鐘がなりました。
 最後にさきちゃんが、
「今まで1000本ほどの竹を取ってきましたが、あと必要な竹は50本で、それを取ったら、すべての竹取りが終わります!」
 と話してくれました。
 その言葉が、すごく嬉しかったです。
 この作業で、スピード感を持って動く楽しさや、達成感や、みんなと気持ちを合わせる楽しさを感じたなあ、と思いました。

 ゴーヤの支柱、夏の野菜の栽培に向けて、みんなと目一杯動けた時間に、心が満たされました。

(ほし)

 

***

 

 一番開花のはやかったブドウの花が、今日で満開3日目。他の花も満開になったものがぱらぱらと見え始めました。
 前日は雨で畑はしっとりしていて、今日の天気は晴れ、気温は30度にはならない模様。
 絶好のジベレリン日和です。

 ブドウの種を抜き、実の肥大を促進させるために、1回目のジベレリン処理を行いました。
 まず、古畑のシャインマスカットの畑からです。
 小さな紙コップに50ミリリットルの水を入れ、ジベレリン粉末を0.04グラム溶かしました。

 

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 繊細できれいな黄緑色の葉やつるが、地面にかかる屋根みたいに広がっています。
 その下で、目印として花穂の根元につけた赤いスズランテープを頼りに枝を一つひとつ追いながら、満開になった花を見逃さないように探していきました。

「あ、ねえこれは?」

 みつきちゃんが見つけてくれた、満開の花がありました。
 つぼみが咲くときに脱いだ帽子である花カスを丁寧に払い落として、房を丸ごとジベレリン液に浸します。
 紙コップから房をだし、軸をとんとんと優しくはじいて、しずくを落としました。

 

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 ジベレリン処理は1つの房に対して2回行うのですが、1回目のジベレリン処理が終わった房が分かるように、果実となる花穂から離れた軸の上のほうに、目印用に小さい蕾の塊を残してありました。1回目の処理が終わったものから、その印を剪定バサミでカットしました。

(「オッケー…」)
(「うん…」)

 みつきちゃんとペアで一緒に作業していても、1ミリや2ミリなどの小さな一つひとつの花から花カスをそっと落としたり、息をとめるようにして静かに軸をはじいたりしていると、自然と2人とも小声になっています。
 ちょっと緊張する工程なのですが、みつきちゃんが一緒に花を探してくれたり、満開具合をみたり、一緒に息をひそめて作業していると、静かにわくわくして楽しいです。

 

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 古畑での作業のあと、次は池上のオーロラブラックの畑に移動して、同じくジベレリン処理を行いました。

 オーロラブラックは、つぼみの時点でシャインマスカットよりも花が大きいです。少し赤みがかった枝葉につやがあって、大胆さを感じます。
 今までとくに生育が悪かった、手前から1本目の木も、今年は幹が充実してきて、たくさん花を付けています。

 みつきちゃんと一緒に、果実にする予定の房の数を数えてみると、手前の木から、17コ、16コ、10コ、52コでした。
 池上は傾斜地で水分や養分がたまりにくいせいもあって木の生育が悪く、去年は4房しかならせられなかったのですが、今年は、お父さんが考えて下さって、剪定方法を長梢剪定に変えたり、木の1本1本の根元に、保水のための立派な堤防をみんなが作ってくれたりして、木がとても充実しているように感じています。畑に行くたびに、木のそういう空気を感じると、遠目で見ても近づいても、ぴょこぴょこ跳ねたくなるくらいうれしいです。
 実にできる房がこんなにたくさんついていることも、ほんとうによかったなあと思います。

(さや)

 

***

 

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〈晩生品種「白皇」などの、桃の袋がけも進みました〉
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〈ナスの誘引、支柱の補強も行いました!〉

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