【5月号⑰】「プレイボール! りゅうさんのお誕生日祝い コメディ・ソフトボール大会!」 るりこ

〈桜と晴天に囲まれた北部運動公園のグラウドにて、なのはなソフトボール大会を開催! 珍プレー、好プレー歓迎の大会を、気持ちを共有しながら深く楽しめた、りゅうさんのお誕生日祝いの1日となりました。〉

 

「りゅうさん、お誕生日おめでとうございます!」
 三月二十九日はりゅうさんのお誕生日でした。当日は会えませんでしたが、みんながいつも以上に、「早く週末にならないかな」「りゅうさんに早く会いたいな」と口々にしていて、りゅうさんのお誕生日をお祝いできることをとても楽しみにしていました。

 そして迎えた、待ちに待った週末。りゅうさんが古吉野にやって来た瞬間から、なのはな内がお祝いモードに包まれました。りゅうさんへ贈る、『ハッピーバースデー』の大合唱もより盛大で、朝から食堂はりゅうさんとみんなと笑顔がいっぱいに広がりました。
 その日の午後にりゅうさんのお誕生日会として、ソフトボール大会が開かれました。

 スポーツが大好きで得意なりゅうさん。毎週のようにソフトバレーを一緒にしているけれど、ソフトボールをするのは初めてです。

 

■大会が開かれる!

 この日に向けて、約一ヶ月前からソフトボール練習が始まりました。朝食前の三十分前にグラウンドに集合して、キャッチボールから始まる基礎練習です。
 練習内容はキャッチボールから始まり、徐々にボールに慣れが出てきた頃から、試合をイメージしたゴロやフライを捕る練習、そしてトスバッティング練習、大会前の一週間くらいは送球の練習もやりました。

 練習は、まえちゃんやちさちゃんが教えてくれました。毎朝、二人がみんなが楽しめるような空気づくりやトレーニング内容を考えてくれて、明るくリードしてくれます。

 当初に感じていたボールの怖さも次第になくなり、みんなからも、「キャッチボールが百回超えをした」「フライが捕れるようになった」という上達の声も日に日に増えていきました。休日はりゅうさんも早朝から参加してくれることもありました。

 投げるのも捕るのも打つのも、どれもだんだんと楽しくなってきて、ちょっと自信もついた頃、「四月の始まりにソフトボール大会をするよ」とニュースが流れ、緊張もするけれど、どんなものになるのか期待する気持ちが膨らみました。

 

■軽やかな装いで

 ソフトボール大会は北部運動公園で行われました。みんなで車に乗って、北部運動公園へ着くと、真っ先に飛び込んできた光景。そこにはグラウンドを囲うネット脇に、満開の桜が何本も林立して、きれいに咲き誇っていました。空は青く澄み渡り、太陽の光は眩しくて目が開けていられないほどです。眩しさと暑さで目を伏せると、グラウンドの地面にさくらの花びらが舞っていて、視界いっぱいに広がる青空と桜景色がどこまでも続いているように見えました。

 天候にも恵まれた、最高のソフトボール日和にりゅうさんとみんなと思い切り身体を動かせることが嬉しくて、広いグラウンドに向かって全速力で走り出したくなる解放感に満たされました。

 一足先に到着したまえちゃんたちがホームベースやコートのライン引きをしてくれてて、ゲームの準備は万全です。みんなの服装も夏仕様で身軽で、なかでもお父さんとお母さんがカラフルなペアルックの装いがとても鮮やかでした。
 初めにチームが発表されました。お父さんチーム、お母さんチーム、あゆちゃんチーム、りゅうさんチームの四チームの総当たり戦です。

■ダンスで始まるコメディソフトボール

 わたしはバースデーボーイのりゅうさんと同じチームになり、十一人のメンバーが揃いました。りゅうさんがいてくださると思うと心強くて、どんな敵でもかかってこいという絶対的な安心感があり、良いチームにしたいと思いました。
 それでは、りゅうさんの誕生日会のソフトボール大会が開幕!

 

 

 まずオープニングで、実行委員の子がソフトボールバージョンの『ザ・グレイテストショー』を踊ってくれました。被っているお面は、みな、りゅうさんの顔。五人のりゅうさんが、バッティングや投球フォームの決めポーズをとりながら、曲に合わせて踊ってくれたのですが、格好いいけれど可笑しくて、でも妙に惹きつけられてしまいました。
 続いて、大会長のお父さんから一言。
「今日のソフトボール大会は……コメディソフトボールにしましょう! 名プレーや目立つことはしなくて良いです。コメディなプレーができたチームを勝利とします! 怪我がないように気をつけてやりましょう」
 お父さんの思いがけないコメントにどっと笑いが起こりました。名プレーを求められるのかと思いきや、コメディで良い!

 お父さんの言葉から、上手い下手の技術は必要なくて、ただ純粋にみんなのなかでソフトボールをすること楽しんだら、それが何にも負けない、本当の勝利なんだなと思いました。その言葉が嬉しくて、コメディソフトボールが、とても楽しみだと感じました。お父さんのユーモアには毎回驚かされるけれど、みんなの不安や緊張を取り除いてくれるユーモアではじき飛ばしてくれるお父さんの優しさを感じました。

 

 

 そして、準備体操。「膝に手を当てて、屈伸から〜……」。ではなくて、ここでもまたりゅうさんをセンターに、見覚えのある四人が登場してきました。
 そう、今回の準備体操は、昨年のウィンターコンサートでズンバの動きを取り入れて踊った『シヴァーズ』をみんなで踊るのです。
 コンサート本番のステージでギブソン役として、このダンスを踊ったりゅうさんと一緒に踊りたい、という声から、実は数日前からみんなで密かにダンス練習をしました。

 

 

 りゅうさんを筆頭に主要メンバーの子たちが前で踊ってくれて、それを真似ながら、音楽に合わせてみんなで『シヴァーズ』を踊りました。ちょっと特徴のある動きを、お父さんお母さんも一緒に、広いグラウンドでみんなと踊れることが嬉しくて、笑いが止まりませんでした。これを上空から撮ってみたいなと思いました。

 『シヴァーズ』のダンスで身体も気持ちもほぐれたところで、チームに分かれて、一時間の練習タイムに移ります。コートが二面あるので一チームずつ十五分交代で、ノック練習や守備と打撃順を決めました。

 

 

「ポジションどうする?」
 円になって、りゅうさんを筆頭に作戦会議を立てました。ピッチャーには経験者ののんちゃんに即決。あとは経験者が少なかったので、りゅうさんが決めてくれました。わたしはショートを守らせてもらうことになりました。
「一番ボールが飛んでくるよ」
 と言われて、怖じ気づいたけれど、この一か月の間に練習してきた成果を信じて、やってみることにしました。

 打順決めは、もちろん四番はりゅうさん!
 二、三番には強打者のなるちゃんとのんちゃんが続きました。正式には九対九ですが、全員参加ということで十一番までありました。
 一時間の練習タイムはあっという間に時間が過ぎて、試合の時間がやってきました。
 Aコートではお父さんチーム対お母さんチーム。Bコートではあゆちゃんチーム対りゅうさんチームの試合が行われました。

 

■「声を出していこう!」

 試合が始まる前に、りゅうさんが、「円陣を組もう」と声をかけてくれました。チームのみんなと円を囲んで、その中心に向かって右手を伸ばして、りゅうさんの、「楽しんで勝つぞーー!!!」という大きな声に、「イェイ、イェイ、イェーーーイ!!!」とお腹の底から声を出しました。みんなの大きな声が重なって、誰の声かもわからないくらいで、それだけで一人ひとりのやる気が十分であることがわかりました。全力を出せる試合になる予感がしました。

 

 

 ホームベースを挟んで、両チームが向かい合い、審判の合図で、「お願いします」と礼をして、試合が始まりました。先攻、後攻はジャンケンで決めました。

 

 

 一試合目、わたしたちのチームは先攻でした。相手チームのピッチャーはさやねちゃんです。なのはなのソフトボール部のピッチャーでもある、さやねちゃんが投げる球は安定していて、ストライクゾーンにばしばしと投げ込んできます。バッターボックスに立つ仲間の姿を応援しているだけでも、心臓がバクバクしたけれど、そんなときりゅうさんが、
「声出していこう! 声!」
 と言ってくれました。
 りゅうさんを真似て、「はいっ!」と返事をしたり、バットを振るときに声を出すと、急に球が当たり出して、りゅうさんが何度も言うように声を出すとリラックスしたり、程よく力が入るからなのか、声出し効果は抜群でした。

 

 

 三番のなるちゃんが塁に出ました。そして続く、四番のりゅうさん。りゅうさんが打席に入るだけで貫禄があり、何かが起こるような迫力と存在感がありました。
 思わず、「りゅうさん、頑張ってー!」という声が出ました。りゅうさんが構え、さやねちゃんがボールを投げた。その直後に、「カーーーン」とグラウンドに響く効果音が響いて、白い球が空に向かってぐーんと伸びていきました。その球は外野を抜けて、反対側のコート近くまで転がっていきます。予感はあったけれど、見ている自分までもが気持ちよくなるくらいの長打を叩きだしてくれました。

 

〈どのチームも、ファインプレーが次々と繰り出されました〉

■お父さんチームとの二試合目

 ガッツポーズをしながらベースを全速力で回り、ホームベースに飛び込んでくるりゅうさんの姿がテレビを見ているくらいに格好良かったです。帰ってきたなるちゃん、りゅうさんとハイタッチで、喜びを全身で表現しました。本当に本当に嬉しいと、身体が自然と飛び跳ねてしまうくらい興奮しました。

 わたしは六番打者で立たせてもらいました。実は二週間前に古吉野のグラウンドでトスバッティングの練習をしたときにも、りゅうさんと同じチームでやらせてもらい、打ち方や声を出すことを教えてもらっていました。初めは全然打てなかったのが、りゅうさんのおかげでバットにボール当たるようになりましたが、今日はこうして実際にピッチャーが投げた球を打つのはすごく緊張して、身体がこわばる感じがしました。

 でもすぐ後ろにりゅうさんやチームのみんなの姿があって、「るりこちゃん、ファイトー!」と声をかけてくれます。その声援に気持ちを落ち着かせ、トスバッティングのときにバットに当たった感触や飛んできたボールに向かってバットを振る感覚などを思い出して、(これはいける!)と思ったタイミングでバットを振りました。

 

 

 すると、ボールに当たった手応えを感じ、打ったボールがショートの方へ飛んでいくのが見えました。がむしゃらに一塁に向かって走り出し、セーフ。一打席目から塁に出ることができて、少しでもチームに貢献できたことが嬉しくて、(りゅうさん、みんな、ありがとう)という気持ちになりました。

 りゅうさんチームは初回でいきなり五点を取り、満足気分で守備に移りました。
 ピッチャーの、のんちゃんは柔らかい肩を大きく振り上げて、一試合目から三試合目まで、ずっとボールを投げ続けてくれました。根気強く投げ続けてくれる、のんちゃんの背に向かって、「ナイスピッチ」「どんまい、どんまい」とチームのみんなで声を送り続けました。例え打たれても、わたしたちが捕るから安心していいよという気持ちでした。

 

 

 ファーストには経験者のなるちゃんがいてくれて、「捕ったらファースト!」「捕ったら近いベースどこでも!」というように、一回一回、声をかけてくれました。なるちゃんのおかげで捕ったボールをどこに投げたらよいのか迷うことがなくて、確実にアウトを重ねていくことができました。内野陣は「何があっても捕る」という心意気で、外野陣は例えホームラン球の長打でも全速力でボールを追いかけて守り抜きました。

 誰か一人のファインプレーじゃなく、チームみんなで守り、チームみんなで繋ぐ攻撃。
 それがつい先月、WBCで優勝した日本チームのように、わたしたちも全員野球で手にすることができた勝利だと感じました。一試合目から八点も取り、さい先の良いスタートを切りました。

 

 

 続く二試合目は、お父さんチームと戦いました。一回表の相手チームの攻撃は、いきなり出塁が続いて、三番のお父さんがホームラン球の長打を叩きだして、いきなり三点を取られました。さらに相手チームの勢いは止まらず、重ねて点を取られ、開始早々四点を奪われました。ちょっと弱気になりかけてしまい、一回裏はすぐにスリーアウトで交代。

 そんなとき、またもやりゅうさんが、「声出そう!」と言ってくれました。そこからわたしたちも気持ちを取り直して、りゅうさんチームの本来のパワーが戻ってきました。
 二回裏で五点を取り返して、同点に。さらに続く回で、塁二人にりゅうさんがホームランを打って、三点、さらに一点と取り返していきました。

 結果は九対五の逆転勝利!
 チームのみんなと喜びを分かち合っている瞬間が一番嬉しい時間でした。

 

■失敗も、喜びもチームのもの

 総当たり戦最後の戦いは、お母さんチームでした。お母さんチームもここまでの二試合で続けて勝利してきて、お父さんチームをゼロ点に抑えた強敵です。勝ち組同士の決勝戦みたいでもあって、ラストの敵にはふさわしい戦いになりました。
 わたしたちも勝ちたいという欲が出てきてしまうと、取れるはずのフライを落としてしまったり、ゴロを掴み損ねて送球が雑になってしまったり、思いがけないミスを出してしまい、いきなり四点取られてしまいました。

 お母さんは学生の頃、ソフトボールの部活に入っていて、レギュラー選手だったようなので、お母さんがバッターボックスに立つだけでも、構えやオーラから怯んでしまいそうになりました。でもそんなときほど声を出して、気合いで乗り越えていきました。

 わたしがこの試合で嬉しかったのは、打ったボールがショートを越えて、そのあとの送球がこぼれて、まさかのホームベースに返ってくこることができて、チームに二点を加点できたことです。わたしがホームベースに戻ってくると、チームのみんなが駆け寄ってきて、「ナイス!」とハイタッチして、自分以上に喜んでくれました。

 

 

 そのときふと、気持ちが解放された気がしました。なのはなに来る前、わたしもスポーツをしていた経験がありますが、そのときはミスをする怖さの方が先立って、純粋にスポーツをすることを楽しんだり、勝負というものに本気になることができませんでした。
 でもなのはなの仲間は、例え、失敗してしまっても誰かを責めたり、そのことで空気が悪くなることは絶対になくて、どんな自分でもみんなが肯定して、受け入れてくれます。心から仲間を思いやって、「ファイト」「ナイス」と声を掛け合い、喜びはチームみんなで分かち合います。もうここでは自分を守ることも、失敗を恐れることもしなくていいのだと、グラウンドで笑っているみんなの姿をみて感じ、わたしの心も癒されていくのを感じました。

 お母さんチームには三試合のなかでも一番苦戦しました。最後の回は一点差でリードしている状態で、攻撃はすぐにスリーアウトを取られてしまいました。裏の守備では絶対に守り抜きたいと気合いを入れて臨み、本当に本当に緊張したけれど、ファーストのなるちゃんが送球を受け取って、スリーアウトを取った瞬間、みんなと駆け寄るように勝利を喜び合いました。僅か一点差の勝利でした。

 

■全員でコートに

 総当たり戦を終えて、「もう一試合あるよ」と嬉しい報告が聞こえてきました。
 少し休憩を挟み、ラスト二十五分はなんと、お父さんお母さんチーム率いる『小野瀬家』VSりゅうさんあゆちゃんチーム率いる『大門家』対決することになりました。
 二チーム合同だけど、「全員出て、どこを守ってもOKです!!!」と、これまたびっくりだけど嬉しいルールが発表されました。何人いるだろうと集まってみると、人がぞろぞろとやって来て、輪もすごく大きい輪になりました。数えてみると、ざっと二十人以上はいる大人数です。

 

 

 作戦会議では、まえちゃんが考えてくれて、『大門チーム』は、総当たり戦で守っていた守備を基本に、ファーストとセカンドベースとサード以外の守備はすべて二人体制で組むことになり、さらに外野は三重の円で完全守備で徹底的に守ることになりました。
 実際にコートに散らばって守備位置についてみると、すぐ横に同じくショートを守るまえちゃんの姿があって、後ろを振り向くと、十人くらいの子が並んでいます。守備だけでグラウンドが賑やかでワイワイしていて、ちょっと笑ってしまうくらいに人数が多くて、こんなソフトボールみたことがないと思いました。

「打順はどうしようか?」「背の大きい人からいこう!」
 いろんなまさかまさかの展開だけど、すごく面白そう!
 試合開始の挨拶も長い長い列でした。

 『小野瀬家』が先攻で、『大門家』が後攻。二十人くらい打者が並ぶ中から、お父さん、お母さん、あけみちゃん、さくらちゃんなど、強打者が続々と出てきて、その度にどきどきしました。

 

■無我夢中ラストゲーム

 でもわたしたちだって負けていません。普通だったらちょっと走り込んで捕らなければいけないような球でも、二人体制だと守備範囲も二倍です。横にも後ろにもみんながいると思うだけで、どんな球でもかかってこいと思えました。外野に飛んだ球でさえも、中継がたくさんいるからすぐにベースに戻ってきました。一人ひとりの力が総動員されて、一人以上の力をみんなが発揮しているような試合でした。

 攻撃では背の高い人から出て行き、りゅうさんやあゆちゃん、まえちゃんが続きました。みんなそれぞれ良い当たりはたくさん出るけど、やはり相手陣の守備も固く、普通だったら外野を越えるような球でも何人もの人が待ち構えていて、取られてしまったり、なかなか攻撃は奮いませんでした。でも打席に立つと、コート脇にずらりと並ぶチームメンバーが、「るりこちゃん、ファイトー!」と声援を送ってくれて、一人じゃないことに心強さと安心感がありました。

 


 

 結果は惜しくも、三対二で『小野瀬家』のお父さんお母さんチームの勝利でした。あと一点だったなと思うと悔しかったけれど、みんなでグラウンドに立てたことで、チームの垣根を越えて、そこには勝負の勝ち負けよりも、楽しさが勝っていたように思いました。みんなで捕った三点で、みんなで守った二点。それは誰の得点でもなく、これこそがコメディソフトボールにふさわしいラストゲームでした。

 

 

 楽しい時間は気がつけば、もう十七時に。十三時開始だったので、開始からすでに四時間も経過していたことになります。そんなに長時間やっていたの?
 と思うくらい、一試合一試合が濃く、面白くて無我夢中でした。
 でもたくさんボールを投げたり、バットを振ったり、全速力で走った身体は正直で、「古吉野に帰ろう」と車に乗った瞬間、足が棒になったという言葉がぴったりだと感じるくらい、どっと身体と足が重たくなりました。半日、太陽の日差しに照りつけられた頬も触ると熱く、この日だけで一気に日に焼けたような気がしました。

 

 

■優勝は……

 夕食後、お待ちかねの結果発表がありました。総当たり戦の結果と、『小野瀬家』VS『大門家』対決で、各チームが獲得した点の総合得点で順位が発表されました。

 第三位はあゆちゃんチームで十七点。第二位はお母さんチームで十八点。二位と三位の差はわずか一点です。そして第四位はお父さんチームでの十二点。

 それでは、栄えある第一位は……群を抜いて強かった、二十二点のりゅうさんチームでした!!!
 優勝トロフィーの授与が行われ、なんとまえちゃんたち実行委員のみんなが作ってくれた、手作りのりゅうさんの頭像トロフィーが贈られました。記念にチーム写真も一枚。
 りゅうさんのお誕生日にふさわしい結果になればいいなと願っていたけれど、それが本当に実現して、わたしもとっても嬉しかったです。りゅうさんへの最高のプレゼントになればいいな。

 お母さんが、「りゅうさんチームは声が出ていてよかったね」と言ってくれました。試合の度、何度も何度もりゅうさんが、「声出していこう」と言ってくれて、チーム内の声かけから打席に入ったときの気合いの声まで、みんなでりゅうさんに続きました。その効果が最高のチームワークと優勝という結果に結びついてくれて、この勝利を手にすることができたのは、りゅうさんのおかげだなと思いました。

 

 

 そして最後の最後に、わたしたちからりゅうさんへ、本当の誕生日プレゼントを贈りました。
 それは、一人ひとりからりゅうさんへ贈る、お祝いと感謝の気持ちが詰まったメッセージ。土台の色紙の表紙には、まよちゃんがりゅうさんの似顔絵を書いてくれて、一人ひとりが書いたメッセージは桜の花びらのシール台紙になっています。

 


 

 このメッセージを書いているときも、りゅうさんに伝えたい感謝の気持ちがありすぎて、シール台紙におさまりきらないくらい言葉が次から次へと出てきて、言いたいことのほんの一部しか書くことができませんでした。それはみんなも同じだったようで、「少し紙からはみだしちゃった」と言っている子もいました。

 みんながりゅうさんのことが大好きで、日頃感じている感謝の気持ち、伝えたい気持ちに溢れている、そんな思いが詰まった色紙。りゅうさんが少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに受け取ってくれました。
 りゅうさんとお誕生日会と題して、行われたソフトボール大会。ここでもりゅうさんの運動神経とスタミナ、パワー、優しさ、ユーモアが全開で、みんなのことを楽しませてくれました。

 

 

■大好きなりゅうさんへ

 日頃は、毎週末になのはなに帰ってきてくれて、りゅうさん得意の炒飯や八宝菜など、みんなが喜ぶ中華メニューや天ぷらを作って、わたしたちのお腹と心も満たしてくれて、台所でも大活躍のりゅうさん。ときには一緒に畑に出て、百人力の力で助けてくれたり、昨年は一緒にウィンターコンサートの舞台に立ち、役を演じてくれました。

 どんなときも一番にはみんなを思ってくれる利他心があって、みんなを楽しませたい、笑わせたい、明るくて優しい空気を作りたいという思いだけで、わたしたちに接してくれます。りゅうさんの周りには、自然とみんなが集まって、そこにはいつもみんなの笑顔と幸せがいっぱいに満ちあふれていて、りゅうさんといると何をしていても楽しくてたまりません。優しさと強さで溢れるりゅうさんと、これからもずっとなのはなファミリーの仲間として、共に利他心の世の中を広げていける家族でいられることがとてもとても嬉しいことだなと思います。

 この場を借りて、りゅうさん、いつも本当にありがとうございます。そして、お誕生日おめでとうございます!
 
 大好きなりゅうさんのお誕生日会が、コメディソフトボールで、みんなと楽しみ、より仲間の優しさを感じ、一人ひとりの絆と団結力が深まる一日となったことが、とても嬉しかったです。