五月五日に武蔵の里のツツジ園で開催される、「鎌坂峠つつじまつり」へ向けて、ダンス練習が始まりました。
幕開けは『ザ・グレイテストショー』です。この曲は、「自分たちが生きていることを祝う曲」だとあゆちゃんが教えてくれました。なのはなに来る前、居場所をなくしていた私にできた家族、その仲間と一緒に表現をします。姿形の美しさではなくて、自分が自分であることの美しさを表現していきます。「最高のナルシストにならなければ、いけないよ。自分が一番美しいと思ってないと見る側に伝えることはできないから。ダンサーなのだから」
と、あゆちゃんが言ってくれた言葉が印象に残りました。プロのダンサーではないけれど、自分達は生きる意味を感じられる人生を選ぶという意味で、常にダンサーでなければならないと思いました。
今回の衣装は、お母さんやつきちゃんが考えてくれて、フォーメーションで対照の位置の子が一緒の衣装であったり、さまざまな衣装が混ざっていてオープニングがとても華やかです。
■生きていることの喜びを
コーラスのリーダーのせいこちゃんが、『ザ・グレイテストショー』で見せるものは、「圧倒的な希望」と伝えてくれて、このテーマをみんなで共通認識としました。コーラスもソプラノ、アルトに分かれて練習をし、踊りながら歌う練習もしました。始まりは華やかで自信のある表情、それから挑戦的な表情、など見せ方の統一もしていきいました。
緩急をつけて動くことを意識し、細かい手先や足先の角度なども、みんなで交互に見合って合わせていきました。半分に分かれて、ペアの人のポーズを、あけみちゃんのポーズに合せるという練習がとても、良かったと思いました。
見せる意識をもって常に練習することは大事だけれど、実際に自分をずっと見てくれる人がいるというのは緊張感と同時に安心感があり、その練習がとても有難いなと思いました。
また、この曲のダンスはグループが三つに分かれており、それぞれが違った動きをしクルクル目まぐるしくフォーメーションが変わります。お客さんの目線で、自分がどのパーツを構成しているのかや、全体の動きを客観的に見られる機会がとても貴重だなと思いました。本番まで、一回一回の練習で、理屈を吹き飛ばして自分が生きていることの喜びを表現できるように頑張りたいです。
■それぞれの曲の魅力
二曲目の『ビリーバー』は、黒に銀のスパンコールがキラキラとした衣装でまえちゃん達がストイックに、斬新な表現をします。ダンサーの破綻のある表情、魅力的で不思議なダンスが目を離せない曲だなと思います。
三曲目の『チープスリルズ・シェイプオブユー』は、新しいメンバーが入っていて、とても新鮮です。私は『チープ・スリルズ』のコーラスがとても好きだなと思います。滑稽なくらい大げさな表情と、動きや、人間離れした玩具のような声で叫ぶのが楽しいなと思います。
『シェイプ・オブ・ユー』は、バディで一緒だったまなかちゃんも一緒に、対照の位置で踊れることも嬉しく、一緒にダンスの練習をできたことも嬉しかったです。強い女性を演じる、とゆりかちゃんが教えてくれました。この二つの曲は繋がっているので、表情の変化を面白く見せたいなと思いました。
四曲目の『ア・レヴァ』はゆりかちゃんがソロで踊ってくれる曲で、情緒的な曲調がとても好きだなと思います。ゆりかちゃんの掌から零れ落ちる水や、羽が実際に見えるような動きに惹きつけられます。優しく柔らかく、強く厳しく変わるゆりかちゃんの表現がとても綺麗だなと思って、この曲が大好きです。
■『ハウ・ファー・アイル・ゴー』
五曲目は新曲の『ハウ・ファー・アイル・ゴー』です。私は今回初めて、ゆりかちゃんに『ハウファーアイルゴー』の振り入れをしてもらいました。とても素敵で大好きな曲で、メンバーに入れて頂けてとても嬉しいです。ななほちゃんやりなちゃんが、歌詞を歌ってくれました。広大な海をイメージする曲で凄く拡がりを感じたし、自分たちにぴったりな曲だと思いました。ももかちゃんにとっては初めてのイベントで、フラダンスも初めてなのかなと思うのですが、ももかちゃんが大好きで一緒に踊れるのが楽しみです。
■私たちの港
ゆりかちゃんが、この曲のイメージを「なのはなの港」をテーマにして踊るということを教えてくれました。ここを港にしてみんなが世界中に飛び立っていく。いつでも繋がっているし、いつでも戻ってくることができる港。本当に素敵なイメージで、この曲を踊れることがとても嬉しいです。
衣装はティーリーフスカートという手製のもので、葉の形に切ったフィルムをつなぎ合わせたスカートは、一枚一枚緑のグラデーションになっています。両足と、頭のお団子の上にも光を通す素材の葉の飾りをつけます。それがとても可愛くて、曲の初めにクルクルとバレリーナのように出てくる、ももかちゃんやりなちゃん、なつみちゃんも妖精のようで本当に素敵です。
サビの部分は、スプラッシュ、水しぶきが飛んでいるイメージで、とゆりかちゃんが教えてくれました。本当に、砂浜を歩いて水しぶきが飛んでいたり、キラキラした太陽が海に反射する眩しい光などが目に浮かびます。
伸ばす脚は指先まで綺麗に伸ばすことで足が最大限に長く見えるように、背筋を使って、腰のラインを綺麗に見せることを、特にこの曲では意識するようにとゆりかちゃんが教えてくれました。ゆりかちゃんが、ダンス練習の時に見せてくれる表情が本当に可愛く、一つひとつの振り付けが曲と曲のイメージにぴったりで、とても大好きな曲だと思います。本番にも、お客さんが一緒になのはなの港に来たように感じてもらえるような表現にしたいなと思います。
■伝わる演奏を
六曲目は『オテアル・ミア』。プイリと、イプのメンバーからそれぞれ一人ずつ前からダンスを見て、カウントの取り方、目線、動きで揃えた方がよい部分を言い合いました。前から見ると、客観的に見ることができ、自分がどのように踊るべきか分かりやすく、気持ちも上がりとても良かったと思います。改めて、口の開き方や眼が笑っているかどうかなど、表情が揃っているとダンスに統一感が出ると思いました。
野性味があって、踊ることを楽しんでいる表情で、踊ることをゆりかちゃんが教えてくれました。
前からお互いのダンスを観るようにした時には、ななほちゃんが振り付けのイメージによって意思をもって表情を変えている様子がとても魅力的でした。
このように、客観的に見るとみんなの良い部分を吸収したり修正できることが有難いなと思いました。原始的な楽器をつかって、音を出すことの楽しさを感じながら、お客さんともその楽しさを共有できたらと思いました。
最後の曲は『ビューティフル・ピープル』です。『ビューティフル・ピープル』は、ダンスとコーラスの比率を四対六くらいで踊るように、ゆりかちゃんがみんなに伝えてくれました。はっきりと発音して歌うと、ダンスもハッキリとしてくる、と言っていて、声を出して明快に発音することを再度、意識したいと思いました。
また、この曲のテーマをゆりかちゃんが再確認してくれました。昨年のウィンターコンサートでの脚本であったように、大脳新皮質で考える美しさではなく、大脳辺縁系で考える美しさを表現する。カホロ(フラダンスのステップ)は小気味よい印象で元気よく踊ります。
踊る意味が共通認識できて、踊りやすくなったことが嬉しかったです。
ツツジ祭りは待機中もずっと、観客から見られる場所なので、今から待機中の姿勢や自分の立ち振る舞いに緊張感をもって練習に向かっていきたいと思いました。本番当日に、お客さんに伝わる演奏ができるように一回の練習を大切に積み重ねていきたいです。