「その一心で」 えつこ

5月25日

 どうしても書き残したいことがあり、大急ぎで書きます。
 昨日のマクワウリの畝立てをした時間が、最近で一番に楽しかったというくらいに楽しかったです。一晩たった今でもまだ昨日の幸福感が残っています。

 さきちゃんリーダーで、普段は桃の作業に入っているメンバーもいてくれて、最強なメンバーでした。良いマクワウリを育てるために、絶対に高くて綺麗な畝を立てたいと、心は燃えていました。

 石の下畑でも中畑でも、対戦形式で、畝を立てました。心は燃えていました。私って、こんなに熱くなることがあるのかと驚くくらいに、力が入りました。幅1.5メートルの大きな畝を立てるので、体力的にはハードでしたが、夏のおやつでマクワウリを食べるみんなの笑顔を思い浮かべると、いくらでも力は湧いてきました。
「次の畝に入ります!」「負けてたまるか!」「行くぞ!」畑には、かけ声が響き渡りました。

 もっともっとたくさんのことがあったのですが、時間の都合上、短縮して書かなくてはいけないのが惜しいです。作業をしている間、ずっと、みんなによって自分の力が倍増されていると、感じていました。他の作業から合流してくれる人が来る度に、みんなで大歓迎しました。1人の力がとても大きかったです。誰一人として、欠けてはいけなかったです。
 疲れて来たころ、さきちゃんの「気持ちで17時までに終わらせましょう!」と声をかけてくれて、よっしゃあ! やってやるぞ! と、疲れが吹き飛びました。
 ただ一心にクワを動かして、気がついたらみんなとの距離が縮まってきて、全ての畝立てを終えたとき、「終わった-! やったー!」と、みんなで歓声をあげました。
 振り向けば、まっすぐで、いかにも水はけの良さそうな高くて大きな畝。スケールの大きな芸術みたいでした。このときの感動を、どう表したら良いのかわかりません。
 力の全てを出し切って身体の中にはもう何も残っていない感覚でしたが、心の中はたっぷりと栄養が補充されました。腕がふるえるくらいに力の全てを出し切ったことで、心の中の汚れも洗い流されたような感覚です。

 誰かのためを思って全力で動くことはこんなに楽しいのだと、改めて感じました。はやくて質の高い作業はこんなにもこんなにも楽しいのだと、感じました。いつもこのような作業をしたいです。

 その後の夕方の当番は、配膳でした。いつもよりも時間が30分押していましたが、何人かがヘルプに来てくれて、いつもより遅いスタートだったにも関わらず、時間に余裕を持って終えられて、稲の水やりのヘルプにも行けました。スピーディーな配膳が楽しかったです。

 その後で、みんなで作業の話をまわしながら食べる夕食の美味しかったこと! ああ、幸せだ、と、思いました。今日の作業を通して、いつもお父さんが話してくださっていることが心に落ちてきました。誰からどう思われているかと受動的になるのではなくて、自分がどうしたいかと能動的に生きること。
 今日、美味しいマクワウリをみんなに喜んでもらいたくて、そんなマクワウリを育てるために、良い畝を立てたい。その一心で、畝を立てました。誰かの幸せのために自分の力を精一杯に使うこと。そのことに幸せがあるのだと、思いました。
 私は今年、マクワウリ担当です。みんなに美味しいマクワウリを届けられるように、頑張ります!