「次々と袋を」 りな

5月24日

 昨日、早生品種の加納岩白桃、古畑の2本の袋掛けを終わらせることが出来て、中生品種の袋掛けに入りました。開墾26アールの白鳳1本、浅間白桃3本、山桃畑の勘助白桃2本を今日の午前中に進めることが出来ました。

 品種によって、かけ袋が違うことが面白いなと思います。
 加納岩白桃は、皮が繊細で当たりが出やすく、二重袋をかけました。白鳳や紅清水は、ニューオレンジ袋の、鮮やかなオレンジ色の袋を掛けて、浅間白桃は、中生品種用の、少し分厚めのクリーム色の袋を掛けました。勘助白桃は、早生品種の花嫁や日川白鳳と同じ、ワインレッドと朱色を組み合わせたような色の、薄い袋でした。袋によって、収穫する桃の仕上がりが変わってきたり遮光性、大きさ、針金のタイプなどが違っていて、それを品種の特徴も含めて決めるあんなちゃんが凄いなあと思ったし、袋によって、どういう特徴があるのか知りたいなと思いました。

 白鳳や浅間白桃は、変形や双胚果が多いので、気を付けて袋掛けをします。また、日当りの悪い場所は、日当りの良い場所に比べて小玉のものが多く、収穫しても糖度があまり乗らないので、付ける実の数を厳選します。色々な条件が判断する材料にあって、品種によっても、一本の木によっても、その木の中で、場所や枝によっても、一番良い答えが変わってくるので、本当に頭を使うし難しいなあと思います。

 木に付けられる実の数は限界があるので、良い実から優先して袋を掛けていきます。変形や双胚、小玉に気を付けて、良い実を厳選するのは大切だけれど、そこに重きを置きすぎると、スピードが落ちてしまいます。迷う時間をなるべく無くして、次々と袋を掛けられるようになることが、課題だと思いました。

 あんなちゃんが、桃農家さんは1日に2000枚掛けることを話してくれました。本当に突き詰めて、極めていけばそこまで到達できるのだなと思って、それに比べてまだまだだと思いました。毎日、進化していけるように、スピード、質を上げていきたいと思いました。

 午後は、大人数作業で、ジャガイモの草取り、藁敷きや、まくわうりの畝たてを進めました。ジャガイモの作業が3時に終わって、あと2時間、というところで、まくわうりの畑に行くと、さきちゃん達が、石の下、中畑のライン引きを進めてくれていました。

 さきちゃんやみんなと一緒に、まず石の下畑の畝たてから始めました。甜瓜の畝は、他の野菜と違って、ツルが伸びる幅が必要なので、畝幅、畝間共に広く、畑の中で立てられる畝数は少ないけれど、畝間の上げる土も多くありました。

 大人数だったので、2チームに分かれて畝たてを進めました。私は、さきちゃんチームで畝を立てました。
 さきちゃんが、2チーム対抗で、3畝をどちらが早く立てられるか勝負しよう! と言ってくれて、気合が入りました。さきちゃんの、「よーい、スタート!」のかけ声と共に、全員が一斉に集中して畝を立て始めました。

 畑がふかふかに耕されていて、クワで土を上げるのがとても楽しかったです。久しぶりに畝たてをして、途中で手が疲れてきたけれど、今上げている土や、目の前に盛り上がった大きな畝が、やがてまくわうりのベッドになるんだ! と思うと、力が湧いてきたし、今みんなと作っている畝が、これから何か月もまくわうりの成長にとって欠かせない、大切なものになるのだと思うと、気が抜けなくて、高畝で綺麗に作ろう、と思えました。

 みんなの負けず嫌い魂に火がついて、相手チームのももかちゃんが「負けてたまるか!」と元気なかけ声を言っていました。みんな口々に「負けてたまるか!」と言いながら、本当に勝ちたいという気持ちで、必死になって畝を立てている時間が、すごく楽しかったし、同じチームのみんなと連携プレーで、協力し合って、1畝をどうやったらはやく終わらせられるか、極めていく時間が嬉しかったです。勝負はしているけれど、その目的は、まくわうりの畝たてを、5時までに終わらせたい! という目標が一緒で、同じところに向かって、競いながら、切磋琢磨している時間が、嬉しくて元気が湧いてきました。

 これ以上はやく畝たて出来ないぐらいみんなと3畝を頑張って、本当に僅差だったけれど、勝つことが出来て、とても嬉しかったです。見ると、6畝出来上がっていて、夢中で畝を立てていると、そこまで一瞬でワープしたかのような気持になりました。意志の下畑は全部で8畝たてて、45分で全ての畝を立て終えることが出来ました。

 次は、中畑に移りました。中畑は、石の下より2a大きいということでした。畝は7畝で、あまり変わらないけれど、1畝が長く感じました。そのため、1畝を3スパンに分断しました。

 最初は、一チーム1畝担当で進んでいたけれど、延々と続く気分を無くするために、3チームに分かれて、分断された、3区画に分かれて、一スパン終えて、次の畝、次の畝へと進めるようにさきちゃんが考えてくれました。

 私は、あけみちゃんチームで、手前のスパンを担当しました。中畑でも、3チームの内、どのチームが一番早く終わらせられるか、勝負をしました。

 さきちゃんがタイムコールをしてくれました。それに、みんなで「はい!」と言ってかけ声をします。後半は、疲れで声も出しづらかったけれど、それでもみんなと、腹の底から振り絞って大きいかけ声をしました。すると、なぜだかそれだけでパワーがみなぎってきて、クワを奮う腕も元気になりました。

 みんなの声掛けが、すごく力強くて、それだけでも力になりました。途中、スピードが落ちそうになった時、同じチームのえつこちゃんやももかちゃんが「勝つぞー!」と言ってくれて、それに応じてさきちゃんチームのみんなが「負けてたまるか―!」と言っていて、もう一度、一緒になってスピードを上げて、向かえました。

 途中で、さくらちゃんやしなこちゃんやせいこちゃんが、クワを持って、駆けつけてくれて、3人が救世主のようでとても嬉しかったし、一人増えるだけでも仲間が増えたみたいで、とても心強かったです。

 さきちゃんが、「5時までに畝たてを終わらせたいです!」と言ってくれました。その言葉に、みんなが「絶対に終わる!」「終わらせるぞ!」「もう少し!」と口々にプラスのことを言っていて、その活気あふれる空気が凄く嬉しかったし、その中で、みんなで気持ちを一つに、一生懸命畝にむかっている時間がとても楽しかったです。心の底から、力が湧いてきて、手は疲れているはずなのに、みんなと作業していると、どこまでも力が沸き上がってきて、元気になっていきました。

 みんなと目標を見て、一つになっていると、途中でワープしたかのように、本当に5時までに畝たてを終わらせることが出来て、5時2分に畝ならしまで終わらせることができました。畑を見下ろすと、巨大な畝が連なって、本当に綺麗に畝が立っていて、それだけでもとても達成感を感じました。さきちゃんが、最後に、
「このはたけを、みんなと1時間5分で立て終えることが出来ました!」
 と笑顔で言ってくれました。さきちゃんが、明るく引っ張ってくれて、その空気がすごく嬉しかったし、2時間で2枚の畑を雨前に畝立て終えることが出来て、本当に良かったなと思いました。
 
 読んでくださりありがとうございました。明日も、出来ることを精一杯頑張りたいです。おやすみなさい。