「100パーセント頭を使う」 みつき

5月21日

●100パーセント頭を使う

 滝川を通ったとき、離れ小島になった石の上に、カメが甲羅干ししているのが見えました。「乾かしすぎないでね」と声をかけたくなるくらい、天気のいい1日でした。

 サトイモの植え付けをしました。
 交番先の畑と、さかなとり裏畑の2枚が、今年のサトイモ畑です。
 お父さんが監督してくださって、植え穴開けからその穴を埋めるところまで、サトイモが太陽に照らされた時間はものの数分なんじゃないか、というくらい、一瞬のことでした。

 ひとつひとつの工程、使うものについて、もう一度お父さんが説明してくださったことが、ありがたかったです。
 種芋の上にもみ殻を上に敷くのは、芽が出やすくするため。もみ殻よりもみ殻燻炭のほうが、未消化なところがなくて完全形なので、栄養を取ったりかびたりすることもなくて、良いということ。
 深く穴を開けるときには、クワよりも三角ホーの方が、尖っていて使いやすいということなど……。

 さかなとり裏畑では、思っていたよりも土がぬかるんでいたので、急遽、溝きりをして対処しました。それでも時間に余裕があるくらい、あっという間に、サトイモの植え付けが終わりました。
 お父さんが、「終わったね、じゃあ次の作業に行っておいで」と、畑まで車を出してくださいました。お父さんが戻っていく姿を見て、しばらくしてやっと、「ああ、植え付けが終わったんだ」と、実感しました。

 お父さんと作業をさせてもらったときいつも感じるのが、コンパクトで、スピーディで、無駄がない。自分が尖ったような、パリッとスパッとする感覚。
 それがなんなのか、夜の集合のお話で、はっきりしたなあと感じました。

「頭のいい人かどうかじゃなくて、頭を使える人かどうか」
「毎日を、幸せのその日暮らしで楽しんでいる人こそ、未来に高い目標を持っている人」

 ここ数日、自分はあれができないこれができない、と考えては、がっかりするようなことがありました。自分の能力が低いのだから仕方ない、と思っていたのですが、それは、わたしの気持ちの問題だったと気がつきました。
 頭を使って考えることができる人が、良い仕事をすることができるし、新しいものを生み出すことができる。お父さんとの作業は、100パーセント頭を使って動いている空間がつくられているから、こんなに充実したものになるんだと思いました。

 わたしが上手く動けない、失敗したと感じるとき、それはほぼ「頭の使い不足」でした。もっと、「どうしたら効率よくできるか」「ここで大事にするべきポイントは何か」など、自分で考えて、動かなくてはいけないです。

 このように、改善するべきことは山ほどだけれど、この不完全な自分を不満に思わないで、許して楽しみつつ、
「でももっと良くなってやるんだ」「もっと変わって、周りも良く変えていくんだ」
 という目標だけは、忘れずに持っていたいなあと感じます。どちらかだけではなく、満足と目標を、セットで持っていたいです。

 今日も、納得いく動きはできなかったけれど、お父さんとの作業は楽しいです。自分がこれからどうなっていくべきか、教えていただけたようでした。
 お父さんがその場にいらっしゃらなくても、わたしたちだけで、気持ち良く楽しく作業ができるように、みんなとシステムを作っていきたいです。
 それが上手くいくかどうか、評価されるかどうかじゃない。
「ただ良くしたい」まずはその気持ちで、怖がらないで、頭を回すことから始めようと思います。
 おやすみなさい。