「よかれの気持ち」 りんね

5月18日

 今日は、たけちゃんの3歳のお誕生日でした。
 たけちゃんにお祝いの言葉を言うとき、たけちゃんは照れながらも、すごく嬉しそうに瞳をキラキラさせながら、みんなを見ていてくれたことが印象的でした。

 たけちゃんの持っている空気感が、すごく優しいなと感じます。よく笑って、みんなに好きな気持ちを持っていて、誰に対しても隔たりなく接していて。何よりも、みんなの中で満ち足りたように笑っている姿を見るだけで、幸せな気持ちになります。

 たけちゃんやちーちが、なのはなの日常にいてくれることが、すごく嬉しいことだなと思います。誕生日をお祝いできて、嬉しかったです。

 夜の集合で、お父さんがバックミンスター・フラー、スティーブ・ジョブズ、大谷翔平の繋がりについて話してくれました。
 フラーが、27歳のときに自殺しようとしたとき、自殺を思いとどまった動機。それは、「これからは、自分のために生きることはやめよう。人のために生きる人生なら、生きられる」ということ、でした。
 それは摂食障害の人が生きる上での答え、と言ってもいいくらいのことでした。
 その気持ちをぶらすことがなかったから、同じ気持ちを持った人と繋がって大きく発展していった。私は、まだフラーさんほど「人のために生きる」というところまではできていないかもしれないけれど、共感することがあると思いました。

 自分の話になってしまうのですが、最近、気づいたことがあります。
 眠気がなくなって、元気に毎日を過ごせるようになって、自分の気持ちの何が変わったのか、少し考えました。
 気づいたのは、自分の中に起こったよかれの気持ちを、形にするようになった、ということです。でも、全然大したことはなく、なのはなの子は当たり前のようにしていることです。

 例えば、傍にいた人が少し手を貸してほしそうだな、とか。落ちているごみを拾った方がいいかな、とか。ここは駆け足の方がいいかな、とか。小さいことでもメモを取った方がいいかな、とか。お父さんやスタッフさんに相談してから作業したほうがいいかな、とか。作業に行く前や作業終わり、担当野菜の畑の近くを通るときに、ちらっとでも様子を見ようかな、とか。

 本当に小さいことです。当たり前のことです。でも、私は今まで、自分の中のよかれの気持ちを気づかなかったことにして、自分には心の余裕がないから、と言い訳をして、「自分にとって損か、得か」という基準で行動していました。

 そうしていると、どんどん苦しくなっていきました。みんなと違っていることを感じて、なのはなにいながら、罪悪感を感じ続けていました。心が鈍感になって、何をしても上手く行かなくて、身体も疲れて動かなくなって、それが極限まで来て、どうしようもないくらい眠くなってしまったんだな、と思います。

 よかれの気持ちは、どんなに小さくても、心のなかの神様の意思だと思いました。その神様の意思を尊重して、行動していく限り、力が湧いてきて、毎日元気に過ごせることが分かりました。

 そんな小さな積み重ねをする中で、今、少しずつ歯車が動き出したかのように、物事がいい風に進み始めたことを感じています。

 3日前に定植した、うなぎとり大と向こう畑のカボチャ。昨日の午前、水やりをまりのちゃんと2人で行いました。
 畑の側面の水路に、とうとうと水が流れていて、ジョウロに満タンに水を汲むことができました。1杯4株でも、たっぷりと水をやれている感覚あり。駆け足でどんどん進めて、約160株、18分で水やりを終えることができました。
 暑い日差しの中、水路からざばっと水を汲んで、定植したての株にたっぷり水をやっていって、2人でも進みが早くて、すごく気持ちが良かったです。
 その日の夕方、ちらっと畑を見に行くと、水やりする前はしなっとしていた葉が、ピンと張っているのが見られて、嬉しくなりました。

 また、4月29日に定植した、梅林手前畑の粉雪姫カボチャにも、水やりをしました。粉雪姫は、定植以来、株の勢いが弱く、色も薄い状態が続いていました。けれど、一昨日に硫安と牛肥をしっかりめに追肥し、中耕も施したことで、株が一目見ても元気になってきていることを感じました。栄養が届いて、カボチャたちも喜んでいるように感じました。

 そして、今日とても嬉しかったことがあります。

 昨日、河原下のキャベツの水やりをしてくれた、どれみちゃんから受けた報告。
 真ん中の畑に蝶々が多い。水やりをしながらも5,6匹潰したけれど、まだ見られます……。
 河原下は、遠いことを言い訳に、ちゃんと見回りに行けていませんでした。第1鉄塔上のキャベツは、ほしちゃんと徹底的にビニールの穴を塞いで、虫潰しも行ったのですが、河原下がまさか、そんな状態になっているとは……。

 今朝、スイートコーンの手入れに行くみつきちゃん、まちちゃんの車に便乗させてもらって、ほしちゃんと河原下へ行きました。
 そこでちょっと口にはできないくらいの蝶々を捕殺……。霜対策で使ったビニールが畝間に残っていて、ネットを確実に塞ぐためにも、ビニールの回収をすべきだと思いました。
 朝は、ビニールを止めていた鉄パイプや土を回収しました。そして、頂いたもので、今年初めて使った、あの、大物のビニールの回収に2人で挑みました。
 かなり分厚くて丈夫な素材のため、重さも普通のビニールの倍以上。重くなってきたら地面で巻いて、途中まできたところで、2人ではピンと張りながら巻くことに限界が来ました。あと2人、ピンと張ってくれる人がいてくれたら最後まで巻けそう。でも、なかなかの大物だから、時間はかかりそうだ……。

 午後の作業で、スイートコーンの土寄せ、魚とり畑裏の端の畝立てをして、最後にキャベツのビニール回収をみんなで進めました。
 始めたのは4時35分。5時の作業終わりまで、僅かな時間だけど人数がいてくれるから、1ロールでも巻けたらいいなと思っていました。
 思い切って、6人で分厚いロールに取りつきました。よしみちゃんと私でロールを撒き、ピンと張った状態を保つ2人、そして少し離れたところで、ピンと張りながら手繰り寄せる2人。その配置で、「せーのっ!」くるっ。とテンポよく体育会系の気持ちに切り替えて巻きました。
 すると、「もう端が見えました!」という思ったよりもずっと早く聞こえた声。6人体制で巻くと、腕が疲れる暇もないくらい速く、巻ききることができました。
 それで、「次もいけるんじゃない?」「全部いっちゃおう!」と分厚い3ロールも、普通の2ロールも、5時までに巻ききることができてしまいました。
 雨が降る前に、5時6時の時間にまちちゃんとももかちゃんが、軽トラでロールを全て持って帰ってきてくれました。

 1ロールでも巻けたら御の字だと思っていたのに、畑全面が行けるなんて、みんなの力が神様みたいだな、と思いました。ビニールの重さの分、気も重く感じていた作業でしたが、こんなにテンポよく進めることができて、本当に嬉しかったです。
 これで、キャベツの虫潰しをするにしても、作業が行いやすいし、障害物なくネットを確実に塞ぐこともできると思いました。
 よしみちゃんたちが、水菜も同じ分厚いビニール回収があると言っていて、それもみんなでいい風に進めたいな、と思いました。

 日常の中で、小さな成功体験をたくさん感じられていて、嬉しいです。まだまだ、できていないところも多いし、やってしまった、ということもあるけれど、今は罪悪感を感じずに、みんなの中で安心していられます。それが、すごく幸せなことだなと思います。
 よかれの気持ちを、日々大切にすることを、これからも忘れないようにしていきたいと思いました。