
5月16日のなのはな
4月の末から進めてきた、桃の摘果ですが、今日で終えることができました。
今日は、山桃畑を進めました。山桃畑には6品種、34本の桃の木があります。
昨日から恒例になった、始まる前のどすこい! 四股を踏んで、気合いをいれて、今日も摘果をはじめました。
最後の木を終えたとき、嬉しいという言葉では足りない、言葉にできない感慨深い気持ちになりました。
摘果が始まるとき、あんなちゃんが、
「1巡目は10日まで、2巡目は、遅くても18日までに終えたい」
と伝えてくれました。その締め切りは、桃の硬核期に入る時期に基づきます。今年の桃の硬核期は5月20頃と言われており、20日ギリギリになると、リスクがあるため、遅くても18日がリミット。出来れば15日には終えたい。ということでした。
桃の硬核期は、人間でいうと『妊婦さん』。桃にとって、とても大切な時期です。その時に実を落としたりといった衝撃を与えてしまうと、妊婦さんが流産してしまうように、桃が核割れや裂果を起こしてしまうため、絶対に硬核期に入る前までに摘果を終える必要がありました。
桃メンバー全員がそのことを知り、使命感を持って、桃に向かっていきました。
しかし、桃の木の総数は140弱にのぼります。今年から、幼木も含めて新たに実が採れる木が40本以上増えました。1巡目の目標は10日でしたが、10日には1巡目が終わっていませんでした。
急ピッチで、5月10日からは、食事後の当番もみんなに助けてもらい、その時間も作業をさせてもらい、朝食前から、夕方17時まで。食事以外の時間は摘果を集中して進めてきました。
桃メンバー一丸となって、みんなと気持ちをひとつに、桃の為、なのはなの桃を待っていて下さるたくさんの方の為に、全力を尽くしました。
12日には2巡目に入り、2巡目はさらに速度があがりました。
あんなちゃんが、その木や品種ごに、その木の特性や注意点を伝えてくれて、「分からないことがあったらいつでも聞いて下さい」と言ってくれて、とても有り難くて嬉しかったです。自分達も、桃について、その木の特性や桃の品種どとの特性を知る事ができたり、摘果をする上での考えかたの幅が広がっていきました。
どの実を残し、どの実を落とすか。桃の枝は全て同じではありません。日の当たる場所なのか、日陰なのか。その枝は充実しているのか。それとも葉が少ないのか。周りに実は多くついているのかいないのか。虫被害はないか、変形はないか、日焼けしていないか、枝のどの部分にあるのか。考える素材はたくさんあり、応用もたくさんあります。極力迷う時間を少なくし、見たり、考えたり、移動する時間をスピーディーにすることを意識しました。
木によっては、やや多めにつけておく品種があり、例えば、通常の最終着果数が100だとすると、清水白桃は生理落花する品種なので、120パーセントで残しました。そういったとき、あんなちゃんが、一人ひとり、自分が摘果したエリアを見て廻ってくれて、丁度良く摘果できているかどうか、アドバイスをくれました。
あんなちゃんが教えてくれることで、自分の中に判断材料が増えていき、スピードも上げていくことができました。
今日は30度近くまで気温があがり、今年に入って一番の暑さでした。凄く暑かったけれど、ただただ桃に向かって集中し、暑さも忘れていました。
一番最後に、スモモの摘果も行いました。
スモモは、ツルツルしていて、今はグミの実ほどの大きさですが、やがて、ピンポン球くらいの大きさで、赤くなります。ブドウのようにたわわについていた実を、実がぶつかり合って喧嘩しないように、摘果しました。小さな実が集合体になっている様子も可愛らしかったです。

これで、全ての摘果が終わりました。
あんなちゃんがみんなに、
「無事に、硬核期前に終えることができました。本当にありがとうございました」
と笑顔で言ってくれて、あんなちゃんの笑顔がとても綺麗で、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
みんなで挨拶をしたら、丁度17時のチャイムがなりました。
桃チーム一丸となって、必死にすすめてきて、目標を達成することができて、大きな達成感をみんなと味わえて、桃にとっても、本当に良かったですし、自分達も本当に嬉しかったです。
桃は、とても繊細。手をかけただけ、答えてくれる。今までこうだったからこうする、という固定概念ではなく、今の状態を見て、判断し、対処し、良い方向へと導いていく。
あんなちゃんが、切らすことなく桃に気持ちを向け、見続け、守り続け、育ててきた桃。あんなちゃんをリーダーとし、桃メンバーとして、メンバーのみんなと桃を育ていけることに、誇りを感じます。
桃通の方から、「愛されて育っているのが、味で分かる」と言ってもらっているように、上質な気品高い、甘くて美味しい桃が採れるのも、その分の手入れや気持ち、愛情があるからこそなのだと思います。
みんなが同じ気持ちで、真剣に、そして愛情を持って、桃に向かい、全力を尽くすその気持ちが、私は、とても嬉しく、毎日感じる達成感が、自分のエネルギーとなっています。
ひとつの山を越えましたが、これからは袋がけの作業があります。これからも、桃チーム一丸となって、大切に桃を育て、手入れをしていき、良い収穫に結びつけます。
(ひろこ)
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昨日に続いて、本日の竹取物語は運搬編。
しかし、運搬編と言っても、竹を運ぶだけではありません。
まずは、昨日とった約150本の竹の、先端が10円サイズの太さのところをカットし、お父さん発案の素晴らしい道具、鉄筋を使って一発で枝払い。
それができたものは、畑に引いてある1メートル、1.5メートル、2メートルの米ぬかラインのうち、1メートルのところに根元を揃えて並べます。
並べられた竹の下に厘木を敷き、永禮さんと、手元のよしみちゃんが刺身包丁のように良く切れるチェーンソーで、その竹を米ぬかラインに合わせて圧倒的なスピードでカットしていき、そうしてやっと、ダンプや軽トラに積んで古吉野なのはなの関係者駐車場に降ろして、運搬完了となります。
運搬作業は1時間ほどで、作業時間の3分の2は、運搬するための準備。
しかし、準備も意味のある準備で、畑に引かれた米ぬかラインの幅はそれぞれ、横竹や縦竹、杭など、それぞれの長さに合うように考えられていて、土に打ち込みやすいよう端を斜めにカットしたら、もう畑の支柱の完成形となるようになっています。
そして、また明日、80本の竹を同じ畑で採る予定のため、明日に備えて畑も綺麗にしておかなければなりません。
枝払いやカットで出た枝は散らかさずに、ある程度まとめて、作業場も小奇麗にしておくことで、最終的な片付けも短時間で簡単にすることができました。
鉄筋での枝払いも、鉄筋を持つみんなが「一発で決める」と、スピード感を持って行いました。
永禮さんとよしみちゃんも、神経を使いながら緊張感のある工程を手早く進めてくださっていました。
各工程がスムーズに進んだことで、時間に余裕を持って作業を終えることができました。
わたしは枝払いや笹回収、細い竹の選別などをしていたのですが、一発で決める枝払いも、作業をシンプルにするための竹の選別も、明日に向けての笹回収、畑の清掃活動も楽しく、リーダーのさきちゃんが、みんなでより良い作業にしていこう、という空気を作ってくれて、みんながお互いに、声を掛け合いながらの作業も、とても気持ちが良かったです。
今日は特に暑かったですが、そんな中でも永禮さんが笑顔でなのはなに来てくださって、作業を助けてくださることも、とても有難かったです。
明日もまた、永禮さんも来てくださって80本の竹取りと、丸鋸での竹のカットも始まるのかなと思うのですが、これから始まる夏野菜に向けて、竹の準備も思いっきり楽しんで頑張りたいです。
(なつみ)
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