「ベストな答えが出せるように」 ふみ

5月12日(金) 

 

 

 仕事から帰ってきて、選果ハウスの方からエルフの乗った永禮さんが手を振ってくださっていて、今日は播種だったり、作業を一緒にしてくださっていたんだなと思って、有り難くて、永禮さんの笑顔が嬉しかったです。少し車が進み、古吉野の坂に入る道路のところでは、トラクターに乗った麦わら帽子を被ったお父さんが帰ってくるところに会って、お父さんの笑顔も嬉しかったです。
 グラウンドに行くと、ミラーシートが美しく張られていて、みんなから播種の様子も、夕食の席で聞かせてもらって、これから、私も苗の水やりやできることを頑張りたいと思いました。

 帰ってきて、食堂に行くと、ひろこちゃんが「桃の摘果が2巡目に入ったよ」と教えてくれたり、家庭科室に行くと、りなちゃんが「ふみちゃん!摘果2巡目に入ったんだよ」と教えてくれて、2人の笑顔やニュースが嬉しかったです。
 明日からは、加納岩白桃に入ると聞いて、最終着果数にすると思うと、さらに緊張もするけれど、2日前に摘果に入らせてもらったときよりも、さらに桃の実が大きくなっている姿を見られるのも楽しみです。
 どんどん大きくなっていき、この間も、若い桃の香りがして、どんどん夏に近づいている感じがしました。

 この間、ツツジ祭りのときの道中の車のなかで、あんなちゃんが車が一緒で、少し桃の話しをしたときに、あんなちゃんが「桃のことを考えると緊張するね」と話してくれました。
 あんなちゃんと桃の作業に入らせてもらうときに、いつもあんなちゃんから、まだ見ぬだれかのため、みんなのためという気持ちを感じます。
 あんなちゃんが桃を見る心や目が、真剣で、いつでも誠実で、どんなことがあっても決して諦めることのない姿に、いつも気持ちを正してもらっています。
 あんなちゃんの「緊張するね」という言葉を聞いて、今年の桃はさらに昨年よりも収量が増えるので、みんなと協力して、私も出来ることを頑張りたいです。

 いつもどんなときも、桃の木にまっすぐに誠実に向かっていきたいです。
 わからないことがあったりしたら、自分で判断するのではなく、あんなちゃんに聞く。曖昧にせず、明確にする。迷わずに、潔く、決断力を持つようにします。

 私は、桃の摘果をしていると、瑞々しい気持ちになります。
 春になって桃の花が咲き、新緑の季節になり、瑞々しい若桃の薄い緑色になると、「これから収穫に向けて成長していきます」という力を、若桃から感じます。
 桃は、私が計り知れないほどの大きなエネルギーを使って、みんなが笑顔になる桃の実に成長していくことを思うと、桃の木の生命力や、桃の一つひとつの存在の大きさを感じました。
 桃の作業に入らせてもらうと、もっと細やかな気配りや配慮が必要であることとか、自分に足りないところに気がつかせてもらって、桃の作業を通して成長させてもらえることが有り難く、桃の木の計り知れない大きさに、自分が桃の木に守られているような気持ちにもなります。
 今、目の前で向き合っている桃の木にとってベストな答えを見つけられるように、心を開いて、心を遣って、摘果をしていきます。

 今日は仕事に行って、ゴールデンウィークが終わってからは、お店が空いています。
 仕事をしているときも、(みんなが播種や摘果をしているから、私も頑張ろう)という気持ちになって、場所は違うけれど、みんなからいつも力をもらっていて、頑張れます。
 明日は、仕事がお休みで、みんなと作業頑張りたいです。