「次なる自分のエネルギー」 ひろこ

5月10日

○桃の為に駆ける1日

「桃の硬核期に入る前までに摘果を終わらせたい」
 今年の桃の硬核期は5月20日頃といわれています。硬核期は、人間でいえば妊婦さんのような時期だとあんなちゃんが教えてくれました。ここで衝撃を与えてしまうと、核割れや裂果が起きてしまうため、どうしてもそれまでに摘果を終える必要があります。

 5月20日ギリギリになってしまうと、リスクがあるため、遅くても5月18日までには仕上げ摘果までを終えたいとあんなちゃんが話してくれました。
 
 まだ1巡目が終えられていないこともあり、急ピッチで今日は朝食前から、食事後の当番もみんなに助けてもらって、その時間も作業を進めました。
 1巡目で最終着果数にしてしまうと、桃へのショックが大きすぎてしまうため、最終着果数の1.5倍の量を残して摘果を進めることになりました。
 ピッチを上げて、桃メンバー一丸となって、1日集中しました。

 スピードを上げたいけれど、大小差、変形果、日焼け、虫の被害などにも注意しながら、良い位置に良い実を残していけるようにし、摘果をしつつ、病気の枝や枯れ枝のカットを徹底して行っていきました。
 とても集中します。目、頭、心、立ち位置……。いろんな事に気を使い、頭を使い、心を使います。でも、それが、インタレスティングな楽しさであり、やり甲斐だったりします。

 今日は、26aの白皇、17a白鳳、新桃のなつおとめ、池上の夢白、なつおとめ、奥桃の白鳳と幼木、夕の子のなつごころ、白麗、川中島白桃、さくらピーチ、そして幼木の1巡目を終えました。残すは山の桃畑です。

 終わった時の達成感がとても嬉しかったです。みんなで必死で、1日駆け巡った。今日は夏日で、とても暑かったけれど、暑いことも喉が渇くことも忘れて、ただただ桃の木に向かって、集中していました。みんなが同じ気持ちでした。必死でした。みんなが桃を守りたい気持ち。良い桃が採れることを願い、一生懸命に、力を尽くしました。

 こんなにも桃に気持ちを向けて、一生懸命になれることは、美しいことではないか、と思いました。

 あんなちゃんも必死です。でも、あんなちゃんを1人ぼっちにはさせない。みんなが同じ気持ちで必死になって桃に向かっている。1人ひとりが桃メンバーとして力を尽くしたいと思っている。私は、その気持ちが尊いものだと感じました。こうした過程の中で、自分を鍛え、作られていくのだと感じます。

 全国から桃を取り寄せるほど桃が大好きな方が、なのはなの桃は、愛されて育っている味がするとコメントを下さったことを、ちさとちゃんから伺いました。その言葉がこの上なくとても嬉しい言葉だと感じました。
 
 こんなにも一生懸命になれるのは、自分自身が嬉しく幸せなことだと思いました。

 まだまだ終わってはいません。仕上げ摘果を期限までに必ず終えられるよう、精一杯頑張ります。みんなと力を合わせて、桃の為。そして、なのはなの桃を待っている人の為に。

 この喜びが、次なる自分のエネルギーとなるように感じます。明日も頑張れそうです。