【4月号⑮】「遊びたくってたまらない! 子供組秘密計画」 ももか

 

 子供組で何かしたい!
 秘密の計画をたずさえた私たちが、今回持って行くのは、節を抜いた竹筒のみ。玄関下に、竹筒を運んで準備完了。と、そこで出発時間までに余裕があり、「何か遊ぼう〜」と、すぐさまみんなが口を開きます。

 行ったゲームは、『あんたがたどこさ』の音楽に合わせて、左右ジャンプ。歌詞の中の『さ』の部分では、前後にジャンプ。二人組になって、ぶつかることなくリズムジャンプをやり遂げる。そんなゲームです。ペアをぐるぐると交代しながら、どのペアが一番初めに完璧に曲中ジャンプ出来るかな? そんな挑戦をしました。お互いに向かうだけでなんか、クスッと笑ってしまいたくなるほど、温かな気持ちになりました。いざ、曲が始まりジャンプしだすと、大混乱。衝突の嵐……なかなかできない。でも、すっごく楽しい!

 また、午後に行われるソフトボールのバッティング練習に向けて、グラウンドの整備とコート作りをすることに。地面の凹みを砂で埋めたり、とんぼで平らにしたり、どんどん真っすぐときれいになっていくのを目で感じ、思わず「おー−」と叫んでしまうほど。コート作りは、正直こんなにも細かいの!? と思ってしまうほど私に取っては、複雑で緻密。まえちゃんとちさちゃんに教えてもらいながら、線を引いていきました。これで、ソフトボール練習準備OK。

 いよいよ、メインである秘密計画の開始です。竹を軽トラに積んで、GO! 古吉野なのはなの近くの川まで。そして、仕掛ける前に川調査。どこに掛けようかな? と川周辺を歩きました。流れの速いところから、遅いところ。浅いところから深いところ。同じ川であっても、数メートル歩いたら、コロッと違う川のように感じるほど、変化がありました。今回の理想は、流れは穏やかで少し深め、大きめの石がたくさんあるところ。「ここは、あそこはどうだろうか?」色々なところが候補に上がっていきました。

■うずうず……

 いいところがないか、川を見ていると。「あっ!」とななほちゃんの声がし、指をさす先を見てみると、そこには川の真ん中に、ぽつんと浮かぶカメの姿が。さらに、進んで行くと、ヌートリアの姿も。しかも、何か咥えていました。魚かな? 珍しい光景の連続。ますます、胸が躍りました。

 

 

 歩き、探し続け、遂に「ここだ!」という、最適な場所を見つけました。理想条件にバッチリ、当てはまります。でも、降りるには急なため、一度、ちさちゃん達がはしごを取りに行ってくれました。その間、じっと待つ。そんなことが、私たちにできるはずがない。遊びたくて遊びたくてうずうず……ななほちゃんが、
「登るのは難しそうだけれど、降りれるんじゃない?」
 と。そう思ったからには、降りずにはいられない。ななほちゃんが降りてくれて、その後に私。
「私が受け止めるから、安心して降りて来て大丈夫だよ」
 その言葉がとても嬉しくて、安心しました。その言葉を信じて、そーっと、慎重に降りてみました。そして、無事着地。私に続いてりなちゃんが降りてきて、三人とも無事着地!

 目の前に川が流れている、現実だけれど、夢のような、不思議な気持ちになりました。同時に、とても懐かしい気持ちにもなりました。去年の夏、りなちゃんと別の川に行って遊んで泳いだ日のことを思い出しました。まだ、泳ぐには速いけれど、足だけでも。そんな思いは、三人とも一致していたよう。同時くらいに川に足を踏み入れました。つ・め・た・い、足先から、ひんやりとした感覚が全身へと伝わって行くのを感じ、また頭がシャキン、とはっきりとした感覚がありました。

■いたずら心と遊び心  そして仕掛け作り開始!

 だけど、川って、水って、遊び心をくすぐります。近くにいた、ななほちゃんにちょっといたずら……水をパシャ、ぱっと振り返ったその表情は、満面の笑み。ななほちゃんが、「も〜」といいながら、今度は私に向かってパシャッ。目の前には、キラキラと水滴、その奥には笑顔のななほちゃん。びしょびしょにならない程度の水遊び、凄く温かくて、楽しくて、嬉しかったです。

 遊んでいると、はしごが到着し、本当に、今度こそ、仕掛け作り開始です。まずは、竹を下に降ろします。はしごを掛け、バケツリレーで竹を下まで降ろしていきました。「はいっ、はいっ」そんな掛け声とともに竹が次々に渡されて行ったのですが、たまに「立派な竹でーす」などと、コメント入り。立派な竹がまわってくると、なんとなく嬉しい気持ちに。三十二本の竹はあっという間に下へ運ばれて行きました。

 次は、その竹を川の中へ平行にならべて山にします。筒状の竹を水中に入れると、ブクブクぶく……大きな音を出し、下に沈んで行きました。

 最後に、竹が浮いてしまわないように、大きめの石を乗せていきました。みんなで、川の中に入って、よいしょよいしょと石を竹の元まで運んでいき、これでもか、というほど、たくさん乗せていきました。石を持ち上げ、裏を見てみると、何やら不思議な生き物が引っ付いていることも。ヤモリの小型版? でも、水中。その正体はカゲロウの赤ちゃんである、ヤゴだと判明。石の下に引っ付くヤゴの姿が、かわいらしく思えました。

 

 

 たくさん石を積み重ね、「一人、あと二つ!」となりました。なんか、名残惜しい……みんなそれぞれ両手に石を持ち、竹の上に、コンコンコンと乗せ、遂に完成! なんだか、水族館にありそうな、可愛らしい生き物のおうちが出来上がりました。
 どんな生き物が、お家にしてくれるかな? ドキドキ・ワクワク。もっと温かくなったら、みんなでまた見に来たいと思います。入ってくれますように……。

 

 

 帰り道には、頭が赤で体が緑と、ここらへんでは、あまり見ることのない鴨の姿や、今年初! のニホントカゲの姿を目にしました。たくさんの生き物の姿を目にし、もう夏に近づいているんだぁ……そう感じ、ワクワクとした気持ちになりました。