【4月号⑪】「緻密で繊細 籾殻燻炭づくり」 まりの

 籾殻燻炭を作りました。籾殻燻炭は、野菜の種を露地に直播きするとき、覆土の上からかぶせるのに使います。また、苗を鉢上げするときに、ポットに土と混ぜます。保温性や保湿性があって普通の籾殻よりもそういった性質が高いため、種まきや苗作りで籾殻燻炭を使います。

 野菜の種まきが始まるので、今回は、それに向けてできるだけ多くの籾殻を燻炭にしておくことにしました。三月四日、五日の二日間、連続して作っていきました。

 

 

 一日目は、朝七時半から八時にかけて火を点けました。煙突がついた燻炭器で作るのですが、まず、燃料となる笹やワラや枯れた枝など燃やしやすいものを積み上げて火を点けます。この日、燃料をどうしようと思ったとき、近くに生えていた、枯れきった笹を使ったら上手くいきました。
 火を点けたら燻炭器をかぶせて、その周りに籾殻をかぶせます。燻炭器に接した面の籾殻に火がつけば、あとは自然に中心部から燃え広がります。

 この籾殻の量は、時間があれば大きく盛ってたくさん作ることも、小さい山にして短時間で作り切ることもできます。今回は、半日で作り切れそうな量をかぶせました。

 燻炭器の煙突から青白い煙が勢いよく出ていたら順調に燃えていることになります。燻炭器が三台あるので、一台ずつ、この作業をしました。一台の燻炭器で作れる量は多くなくても、三カ所に分けて同時で作れるので、より多くの燻炭ができます。

 ここまでの作業を朝食前にやって、無事に煙が出ていることを確認してからその場を離れました。三十分後に見に行くと、煙突に接した部分の籾殻が黒くなっていました。この部分が空気に触れた状態で長く置くと灰になってしまいます。それを防ぐために、まだ燻炭になっていない周囲の籾殻をかぶせておきます。

■綺麗な燻炭に

 

 最初は三十分おきに見に行き、黒いところが見えてはかぶせるという作業を十一時頃まで続けました。燃えやすくて、思ったよりも、黒くなっていくのが速いと感じました。そのため、途中で少し籾殻を追加しました。できるだけ、多くの籾殻燻炭が欲しいため、午前の時間で作れるだけ作っておきたいと思っていました。

 午前の時間はちさちゃんと、二人で様子を見ながら作っていきました。十一時頃になると、一番最初に点火した燻炭器は、最初は煙突周辺だけが黒くなっていたのが、その周囲も黒くなってきました。

 籾殻燻炭は、ずっと混ぜ続けるのではなくて、最初は黒い部分が灰にならない程度に籾殻をかぶせる程度にするのですが、時間が経ってきたら、大体が黒くなるのを待って、上と下を返すようにして混ぜます。そんなふうに待つほうが上手くいくのだと、資料を参考にして作りながら知りました。

 七割くらい表面が黒くなってきたとき、スコップを入れてみると、内側のほうから真っ黒な燻炭が出てきました。それをざっくり混ぜて、表面や下のほうの籾殻が黒くなるのを待ちます。ここからは、もうすぐ完成になるので目を離さずに待ちます。できるだけ、籾殻の部分が入り混じったごま塩状態にはしたくない、けれど、燃やしすぎて灰にならないように、一番良いタイミングを見計らって火を消します。

 ちさちゃんと、どうかな、まだかなと言いながらスコップで混ぜつつ様子を見ました。手を離せそうで離せない時間です。他の燻炭器も、丁度黒い部分が表面に七割程度見えてきて、同時で混ぜていきました。

 

籾殻の中からサツマイモ発見! 貯蔵に使われていた籾殻でした

 

 ほぼ、籾殻がもう見えないとなったとき、消すことにしました。急いで水をかけながら広げて冷ましました。冷ましきれないと、灰になってしまうので、水が全体に馴染むようにします。一人が水をかけて、もう一人がスコップで広げていきます。二人でやると、手早く上手くできます。

 一つ目の燻炭が上手く作れて、そのあと、連続して二つ目、三つ目の燻炭も作り終えました。私は何回か今までも作ったことがあったのですが、どうしても籾殻が混ざってしまいした。今回は、ほぼ籾殻が混ざっていない、綺麗な燻炭に仕上がって、燻炭の効果も期待できそうで良かったです。

 籾殻燻炭は、一日乾かしたのち、次の日に回収しました。三か所を合わせて、肥料袋にして十五袋分くらい作れました。二日目も同じ量を上手く作れて、これで春夏野菜の種まきに使う分は足りそうです。有効的に使えたらいいなと思います。