「竹を素材に」 るりこ

4月21日(金) 

 

 

○竹

 山小屋キャンプのウォークラリーで使う、恐竜の制作がはかどりました。

 当日、みんなに組み立ててもらうメイン4体のパーツが完成し、午前中は4体目と1体目を組み立てて、最後の微調整をしました。モデルにしているキットの10倍のサイズで作っているため、実寸の角度と原寸の角度に少しのズレがあるだけで、パーツが入らなかったり、隣のパーツを当たってしまうことがあるためです。

 一度、すべて組み立ててから、不具合がある箇所を1つずつ修正していきました。主にはパーツとパーツがはまる部分の溝の深さを直しました。

 11時半頃から、5頭目の恐竜の制作に入りました。5頭目はオブジェの恐竜です。高さ約2.7メートル×横幅4メートル大のものです。

 作り方は須原さんが考えてくださいました。ベニヤを恐竜の形にカットして、それにさんぎを当てて補強にします。立体感を出すための膨らみは、竹のしなりを利用して使い、その土台に米袋を貼り合わせて作ることを教えてくださいました。

 午後から早速、あけみちゃんとたけちゃんハウスの竹林へ、竹取りに行きました。

 恐竜のお腹の膨らみの円周をあけみちゃんが計算で出してくれて、3メートルサイズの竹が3本必要とのことでした。

 たけちゃんハウスの竹林へ行くと、竹藪から藤の花が顔をのぞかせていたのですが、その藤の色がとても濃くて、こんなにもはっきりとした藤の花を見たことないと感じました。普段は古吉野の坂にある藤を下から見上げる形でしか見ませんが、たけちゃんハウスの藤は足下にまで伸びていました。あけみちゃんと、「きれいだね」と何度も口に出して、見とれてしまいました。

 切り出した竹は3メートルの長さにカットして、須原さんが竹割り器の使い方を教えてくださいました。竹割り器は両端に持ち手があって、その中心は円状になっていて、真ん中に十字が入っています。これは鋳物でできていることを須原さんが教えてくださり、粘土で作った方に金属を流し込んでできているから、すぐに割れてしまうため、絶対にハンマーで叩いてはいけないよと話してくださいました。

 竹の切り口に竹割り器を当てて、反対側の切り口はコンクリートなどの堅い壁に当てるように持ち、竹割り器を壁に向かって思い切り打ち付けるようにします。そうすると、竹が竹割り器の十字に沿って、きれいに4等分に割れていきました。あけみちゃんがとても上手に割ってくれました。

 4等分になったものは、1本ずつ、内側の節をノコで落としていきました。4等分だけでも十分にしなりが出ましたが、もっとしなりをつけてアールを出すために、さらに1本を2等分に、つまり8等分にしました。

 そのやり方は、4等分にした竹をちょうど真っ二つにするように切り口は鉈できっかけを作り、そこからは鉈を左右に振るようにして、軽い力を加えていきます。須原さんが一緒にやってくださいました。初めはなかなか、鉈を左右に振るというのがわからなかったのですが、右に向かってクイっと力を入れると、竹がきれいに真ん中で割れてくれました。

 竹細工を作る職人の人は、これをさらに3等分にしたりすることも教えてくださり、自分には到底できっこないけれど、少しやってみたいなと思いました。

 8等分になった竹は1本のときでは信じられないくらいのしなりが出て、端々を交差して円を作っても全然歪んだり、割れたりすることがありませんでした。ここでようやく、須原さんが竹のしなりを使うと言っていた意味に合点がいきました。

 竹は万能だなと思ったのと、そもそも固い竹を割ったら、ぐにゃぐにゃとしなりが出ることを発見した人もすごいと思いました。

 須原さんが、「僕も竹をこうやって使って、何かを作るのは初めてだ」と話されていました。須原さんもやったことがないことを、これを機に一緒に経験させてもらえることがとても嬉しいと感じました。

 まだ上手くいくかわからないけれど、竹割り器の使い方や竹の加工の仕方を教えていただけたことは、きっとこの先何かのときにも役立つと思うので、しっかり覚えておきたいです。

 そのあとは作業を分かれて、わたしは胴体と首、足のパーツを作っていきました。

 途中でお父さんが籾摺り機倉庫に来られて、隣の台でグラインダーを使って制作をされていました。お父さんにグラインダーを渡したとき、改めて、お父さんの手がすごくきれいだなと思ってびっくりしました。

 籾摺り機倉庫にいると、お父さんやみんなが道具を取りに来たり、須原さんに用事があって立ち替わり入れ替わりで人がくるので、集中したなかに、時々、賑やかになる瞬間があると程よい気分転換になると思いました。

 早く月曜日になって、続きの恐竜の首の図面書きとカットをして、実際に竹が使えるか、試してみるのが楽しみです。