ミーティングが進むなか、バディとの信頼関係を深める目的も兼ねて始まった朝のキャッチボール練習。毎朝、朝食前の三十分間でグラウンドで行います。最初は普通のキャッチボールをひたすら続けるところから始まりました。
まえちゃんや、ちさちゃんが考えてくれて、五分間もしくは三分間で何回続けられるか、というチャレンジをしたり、だんだん本格的になって、ゴロを捕る練習、スナップを利かせる練習なども加わっていきました。
この五分間チャレンジは、まちちゃん・ひろこちゃんバディが最強でした。五分間落とさずに続けられるバディは毎回六組くらいいたのですが、この二人はそれだけではなく、捕ってから投げるまでの時間がもの凄く短いのです。一度、隣で投げていたことがあったのですが、同じタイミングで捕っても、明らかに私が投げるフォームを作る時間よりも短い時間で投げ返していて、なんでそんなにすぐ投げ返せるの!? とびっくりしました。
ゴロを捕る練習は、バディの片方が球出しをして、片方が捕って送球する、という練習です。そんなに速い球は来なくて、捕るのは難しくない練習だけれど、だからといって腰を浮かせたまま捕っていたら実際には使えないので、綺麗な捕る姿勢を作ることを意識しながら捕っていきます。
ゴロを捕る姿勢は、正直厳しい姿勢です。一瞬で片膝をつくくらい腰を落として、そこから一瞬で立ち上がって投げます。太もも内側の内転筋を使います。膝をつかないでぞうきんがけすると使う筋肉と同じです。なのはなで前にやっていたソフトボール部では、そこを鍛えるためのトレーニングがあったほどです。
ボールの正面に入って、絶対に自分の下を抜かせないように、そこまでしゃがんでグローブを構えて、最低でも身体で受け止めます。転がっていればいいのですが、バウンドしてくるとやっかいです。捕りやすい高さに来るのにタイミングを合わせて前に出て迎えに行きます。一球一球が真剣勝負です。
■一球ごとに全力を
そんな練習をしていって、最近ではフライを捕る練習、バットで打ったゴロを捕る練習などもやっています。ちさちゃんがノックをしてくれて、私がフライを投げて球出しをします。ちさちゃん列と私の列で並んでもらって、フライを捕ったらノックに並ぶ、ノックを捕ったらフライに並ぶ、という形で進めていきます。
この練習がすごく楽しいです。球出しは全力です。上に向かって本気で思いっきり投げます。すると綺麗な放物線を描いて、ボールは落ちていきます。その真下めがけてみんなが走っていって、捕ってくれたとき、真っ直ぐに投げ返してくれたときには、すごく嬉しい気持ちになります。
こちらも本気で投げているので、ボールに慣れている人も、慣れていない人も、みんな本気で捕りに来てくれるのが、嬉しいです。
一球一球、みんなが上手くなっていくのを感じるのも、嬉しいです。
近々なのはな内ソフトボール大会をする、ということで、日中の時間を使って、みんなでバッティング練習もしました。
お父さんにスイングの種類、バットを握る位置、腕の振り方を教えてもらって、自分に合ったものを選んだり、身体に対して打つ位置、バットに当てる位置を教えてもらって、それを身体に入れるようにトスバッティングやタイヤ打ちをしました。
トスバッティングは六人くらいのチームに分かれてやりました。私のいたチームには、ひでゆきさんや、りゅうさんもいてくださいました。ひでゆきさんが無駄な力の入っていない軽く見えるスイングで、強い打球をネットに向かって飛ばしていたり、りゅうさんが大きな気迫のこもった声と一緒にスイングして、音を響かせて打っているのが格好良かったです。
■ボールが応えてくれる感覚
自分でやってみるのも本当に爽快でした。腰の回転を使って思いっきり振って、良いところでボールを捉えられたときの感覚と、自分のスイングにボールが応えて飛んでくれる感覚が、とっても気持ちよかったです。
少し面白かったのが、効果音に使えそうなくらい「カキーン」という綺麗ないい音が出るバットがあって、それで打つとピッチャーフライ級の当たりでも良い球を打った気持ちになれるので、みんなで一回それを回して、上手くなった気分を味わいました。
お父さんに打つのを見てもらったときにも、私たちのチームは、ちゃっかりそれを使っていて、みんな力強く打っていたのももちろんあるのですが、「音も良いね」とコメントをもらったときには、みんなでこっそり笑ってしまいました。
ボールを投げるのも打つのも、身体を思いっきり使っている感覚や、それがボールの軌道や速さ、強さで目に見えてボールが私の全力に応えてくれているのを感じられることが嬉しくて、本当に楽しいな、と思います。
試合となると、頭も使うし、緊張する部分もあるけれど、そういうふうに練習を発揮できる締め切りのようなものがあると、練習にも張り合いが出るな、と思います。これからも実戦に近づいていく練習を、みんなと楽しみながら続けていきたいと思います。