「ミラクル続きの種まき」 みつき

3月16日

●ミラクル続きの種まき

 今朝は曇り空で、夕方からはにわか雨が降るとのことでした。少し肌寒いくらいが、作業をするのにはちょうど良かったなあと思いました。

 野畑の小松菜の種まきをしました。
 昨日、みんなで野畑の畝立てをしたのですが、全面を終えるには時間が足りず、4畝だけになってしまっていました。
 でも、せいこちゃんが、
「今日、畑の3分の1を種まきしようって言ってたんだ。まりのちゃんと野畑を見に来たら、まさにその分だけ畝が立ってて、ミラクルだよ!」
 と笑ってくれました。本当に、なんだかミラクルでラッキーで、うれしい気持ちで作業がはじまりました。

 小松菜の種はキャベツの種と同じ、メタリックブルー。ときどきカメラを持って写真を撮ってくれるしなこちゃんのデジカメも、メタリックブルー。またまたミラクルでラッキーだ! と、みんなで笑いました。

 ぽつぽつと音が聞こえてきて、「あれ、聞き違いかな」と思いきや、雨が強くなってきました。まりのちゃんとみんなで、「でも、きっとすぐに止んでくれるよね」と信じて、そのまま種まきを続行しました。その読みも命中! 無事、雨が持ってくれて、種まきを終わらせることができました。
 最後の仕上げに、この間まりのちゃんたちが作ってくれた、もみ殻燻炭を撒いていきました。黒ゴマのような、ひじきのような……。普通のもみ殻よりも細かくて、覆土されたところに密着しているように見えました。

 わたしたちにも種にも細やかな気遣いをしてくれるまりのちゃん、明るく楽しい声かけをしてくれるせいこちゃん、美しく丁寧に種をまいていくしなこちゃん。そんな、種まき・苗のプロフェッショナルの3人と一緒にいられて、わたしもやっぱり種まきが好きだなあと感じました。
 小松菜の芽が出てくれる日が待ち遠しいです。

●桃と同じように過ごす

 午後、桃の摘蕾の2巡目をしました。
 わたしは、2巡目に入るのは今日が初めてで、すごくドキドキしながら畑に向かいました。
 初めは、枝を見ても、考えが浮かばないというか、どの蕾を落とすべきかまったく見当がつかない、という感じでした。

 でも、あんなちゃんが書いてくれたメモを見せてもらったり、ひろこちゃんがアドバイスをくれたりしました。すぐ傍にいたななほちゃんも、作業の手を止めてしまって申し訳なかったのですが、何回でも笑顔で教えてくれるのが、本当にありがたかったです。
 だんだんと慣れてくると、枝を見たときに、「あ、これが落としていい蕾だな」と、その蕾だけに目が向けることができたし、「これで桃が大きくなったとしたら」と、自然に想像することができました。
 どの蕾にも、「落とす」か「残す」の答えがちゃんとあって、それをひとつひとつ判断をするのは、難しいです。1度落としてしまった蕾はもう帰ってこないし、責任は大きいけれど、その分だけのおもしろさや楽しさ、やりがいがあるのだなあと感じました。

 蕾はこの間よりもずっと大きく膨らんで、濃いピンク色をちらりと覗かせていました。葉芽も、みどりの葉が伸びて開き始めていました。
 それを見ていると、わたしたちの1年間もあっという間だけれど、桃の1年間もあっという間だなあ、とつくづく思いました。
 今年も桃にとって良い1年間になるように、桃の一番頑張りどころの収穫まで繋げられるように、こうやって手入れをしていくことに「わたしたちの使命」を感じます。
 桃に寄り添った気持ちで、質良くスピード良く摘蕾ができるように、わたしも頑張っていきたいです。