3月16日(木)「これから畑でよろしくね! 栗の木・小松菜・スイートコーン」

3月16日のなのはな

20230316_115504

20230316_115933

 

 トレイに並んだ、可愛いトウモロコシの苗たち。朝はみんながハウスの外に出して日に当ててくれて、夕方にはあたたかいハウスの中に入れてくれた。みんなの気持ちをたくさん受け取り、綺麗に育った可愛い苗たち。ついに畑にお引っ越しです。

 

20230316_112712
〈今季のトウモロコシ栽培は、カチカチ小畑で行います。午前の空模様を見ると、予報より少し早く雨が降りそう? 予定を繰り上げて、トウモロコシの植え付けをしました〉

 

 まずはトウモロコシの新しい家を作りましょう。みんなで気持ちを揃えて、まっすぐで気持ち良さそうな畝が立ちました。それから、畝ならし。「平らにね! 速く、平らに!」と、まえちゃん隊長の声に、さらに気合いが入ります。

 そして、植え穴開け。ジャガイモの植え穴開け選手権で鍛えられた、反復横跳びワンアクションの力を、ここで発揮。一緒に穴を開けていたまちちゃんと、いつの間にか競争になりました。お互いに負けず嫌い。向かい合って反復横跳びで植え穴を開けて、まちちゃんの勝利。息切れしながらも、気分は爽やか。

 

20230316_120151

 

 まえちゃんに、ベストコンビの勲章をもらい、次は植え穴に鶏糞を入れました。重い鶏糞袋を持ちながら反復横跳び……はさすがにできなかったけれど、両手を使ってスピーディーに鶏糞を入れました。

 それを追いかけて、植え付けます。みんなのスピーディーかつ、優しい手つきで植え付けてもらえて、トウモロコシたちも嬉しそうです。植え付けたばかりのトウモロコシには、ご飯をあげます。今日のご飯は、硫安です。たっぷりお食べと、トウモロコシたちに言い聞かせました。

 

P3164648

20230316_122507

 

 それからみんなで、ジョウロで水やりをして、完了です! 元気に根付いてくれますようにと、願いを込めて、水をやりました。トウモロコシたちがゴクゴクと水を飲んで、安心した様子です。時間が飛ぶように過ぎたけれど、とても充実した2時間でした。お父さんの大好きなトウモロコシ。今年の夏も、美味しいトウモロコシを、みんなと食べられますように!

(えつこ)

 

20230316_150403
〈午後からは、ネキリムシ対策の柔らかい青草を敷き、防虫ネットをかけて苗を守りました!〉

20230316_154605

 

***

 

 春コマツナ1弾の種まき。今年の春コマツナは、野畑に植わります。
 この1弾で、野畑全体の3分の1を蒔く目標。畑に着いてみると、既に、今日撒く面積分だけの畝が立っていました。昨日の午後、大人数作業のみんなが、前倒しで作業を進めてくれていたのでした。みんな、ありがとう!

 

P3154558

 

 畝を綺麗に均してから、4条蒔きにするために、畝の上に溝をつけていきます。
「コマツナの種は、この間蒔いたホウレンソウの種よりも小さいので、溝も浅めに出来たら嬉しいです。その溝に種を置いて覆土した部分が、畝の上と平行になるように、意識できると嬉しいです!」
 まりのちゃんがそう伝えてくれました。こういう細やかな気配りで、いい野菜が作られていくんだなぁ、と思うと気持ちがシャンとします。

 

P3154552

 

 溝をつけた後は、15センチ間隔に種を2粒蒔きで撒いていきます。
 畑に直蒔きする方法としては、溝にバラバラと、ランダムに筋蒔きしていくものもありますが、なのはなでは、ホウレンソウも、コマツナも、2粒蒔きで種を置いていくのが主流。
 なるべく種のロスを少なくするために、みんなで丁寧に種を置いていく時間は、心地のいい集中した雰囲気で、すごく心が透明になります。

 まりのちゃんはもちろん、しなこちゃんも、みつきちゃんも、種まき名人。丁寧且つスピーディーに種まき、覆土を終え、あっという間に水やりの工程へ。

「今日は曇っているから、水やりもジョーロ1杯で2.5メートルくらいの範囲をやる量でいいと思います。2.5メートルに拘らなくてもいいです。培土がたっぷり湿ったら大丈夫です!」

 天気や、畑の土の状態を加味して、リードしてくれるまりのちゃん。具体的な数字で教えてくれると同時に、コマツナにとって一番適切な水の量を心の目で見ることも教えてくれました。

 

P3154566

 

 水やりを終えたら、保湿性を高めるために籾殻燻炭を上から少しかけて、不織布で乾燥予防。
 コマツナ1弾の種まき、無事、完了です。

 コマツナは、私が思うに、「社会性の塊」です。基本を押さえて、種を蒔き、発芽まで培土が乾くことを防げば、一斉に揃って発芽してくれます。発芽率が高く、その後の手入れも、害虫さえ気をつけていれば順調に育ってくる、とっても強い野菜。私は、そんな自立したコマツナたちを育てるのも、食べるのも大好きです。

「なのはなで育てるようになってから、コマツナが好きになったんだよねえ」
 お母さんが以前、そんな風に言ってくれていたことも思い出しました。
 今年の春も、みんなで美味しいコマツナをたくさん頂けるよう、今後の手入れも頑張っていきます!

(せいこ)

 

***

 

 1日を通して、お父さん、あんなちゃんを中心に、栗の木の移植を行いました。
 2月には、栗山の栗の木を最低限、間伐する作業がありました。今回は、そのとき間伐せず、移植するために置いておいた栗の木を、スペースのある畑の手前側にお引越ししました。

 畑に着くと、栗林のすぐ近くで飼われている牛が迎えてくれました。今日もほのぼのしています。
 しかし、わたしたちはほのぼのしていられません。

 

P3164474
〈栗の移植にはユンボが出動しました。こうした木の植え付け、暗渠の設置、雪かきなど、様々な場面で長く活躍している、頼れるユンボですが、今日は……?〉

 

 まずは、キャタピラーが歯車から外れてしまったユンボの修理から始まります。

 お父さんがユンボを生き物のように操作し、時にキャラピラーが浮いたり、時にバケットと木材を使って歯車を押したりと、(こんな使い方もできるのか!)と驚きの技ばかりで、ハプニングで困ってはいたけれど、初めて知ることがいっぱいで、新鮮で面白かったです。

 お父さんは、まず分かる限りで出来ることをして、それでもわからなければ、ユンボの修理ができる友達に電話して教えてもらって、解決していて、それがかっこいいなと思ったし、お父さんとみんなと、どうしたら歯車をキャタピラーにはめることが出来るか、考えて力を出した時間も嬉しかったなぁと思います。

 さぁ、ユンボも直った! ついに栗の移植が始まります。

 

P3164462

P3164465

 

 まずは、ユンボで掘ってある植え穴に、牛肥をテミ2杯、落ち葉堆肥をテミ5杯、肥料袋2分の1の牡蠣殻を入れて、ザクザク土を混ぜ込み、そこへお父さんがユンボで掘りあげた栗の木を、バケットに積んだまま移動して、穴に入れてくれました。

 

P3164477

 

 わたしはてっきり、自分たちの手で木を運ぶのだと思っていたのですが、バケットの中にすっぽり納まって、良い子に座っている姿がかわいかったし、そうやって上手に優しく掘りあげて、それで穴の中にも真っ直ぐに戻してあげられるお父さんのユンボ捌きは、まるで魔術で、拍手が起こりました。見る誰もが、(わたしもユンボ乗ってみたい!)と思うと思います。
 お父さんが植え穴に栗の木を移動させ、その後わたしたちは、根にジョウロ3杯の水をかけて埋め戻します。

 あんなちゃんが、桃の樹を植えるときのように、深植えにならないことや、活着しやすいようになるべくゴロゴロした土は避けること、少し丘のように畝を作ると良いことを教えてくれて、みんなと、これから新しい場所で大きくなる栗の木を思って、出来るだけ良い形でお引越しができるように埋め戻してあげました。

 

P3164486

 

 午後からは人数も増えて、鍬やスコップ、みつぐわを使って、間伐して掘り起こされた穴を埋めていきました。
 埋め戻す土は少し多かったのですが、コツコツ、張り切りすぎず、しかしのんびりもせず、淡々と穴に土を入れ戻し、鍬でサーっと均すと、これでまた新しい今年の栗林が始まるな、そんな気持ちになりました。

 全員で取り掛かると、4時30分には穴が埋まり切って、最後にみんなで移植した栗の木1本につきジョウロ5杯の水やりをしました。
「1杯目でーす!」「はーい!」
「手前の木、終わりました!」「はーい! 次行きまーす」
 声を掛け合って、どこが終わってどこがまだか、みんなで確認しながら、水やりをする時間も楽しかったし、穴を埋める作業は1人で淡々と、といった感じだったので、みんなと一緒に連携をとって終わらせる水やりの時間も楽しかったなと思います。

 

P3164494
〈作業の途中には、秋に落ちた栗の実が発根しているものを見つけました〉

 

 お父さんが、「もう良い時間だ、帰ろうか」と言う頃に、ちょうど雨が降ってきました。
 移植を終えた栗の木には恵みの雨です。
 無事に活着してくれますように。

(なつみ)