「春を感じて、春になりたい」 みつき

3月8日

●春を感じて、春になりたい

 今日から、桃の摘蕾の1巡目が始まりました。
 大人数のみんなでさせて頂けることになって、開墾26アールまで向かいました。バディのあんなちゃんとみみちゃんと一緒に並んで歩いて、身体が汗ばんでくるくらいあたたかく、春の七草もあちこちに咲いていて、気持ちが良かったです。

 あんなちゃんが摘蕾の方法を教えてくれて、1本の木に3~4人ずつ入って進めていきました。桃の木の間近で、枝にびっしりついた蕾を見ていると、何度も、「ああ、またこの季節が来たんだな」と実感しました。

 自分の脚立で届かないところは、ひとまわり大きい脚立を使っている子がやってくれていて、逆に少し低めのところは「お願いしてもいい?」と声をかけてもらえて、分担しながらやっていくのがうれしかったです。ときどき、頭上から、ぽつんぽつんぽつん、と桃の蕾の雨を浴びるのも、思わず笑みがこぼれてしまいました。

 桃畑は、みんなが集中していてすごく静かなのだけれど、あたたかくて、穏やかな空気に包まれていました。あっという間に時間が過ぎてしまったけれど、今日で開墾26アールの畑の9割は終えられて、大人数のみんなの力を感じました。

 わたしは、あんなちゃんとは別の作業に入ることが多かったけれど、今日はいっしょに摘蕾をさせてもらえてうれしかったし、あんなちゃんが普段この場所で、こういう姿で作業しているのだということを教えてもらえて、より一層、あんなちゃんを近くに感じることが出来たなあと思いました。

 

 お昼のおしゃべりタイムの時、あんなちゃんとみみちゃんと、ひとつ約束を決めました。「今度から、自分の悩みとかもやもやを話して、すっきりする時間を作りたいね」ということです。

 わたしはどこかで、「明るく努めなくてはいけない、自分のことを話して暗くさせたくない」と思っていたのですが、バディのふたりの前では、その必要はないのだと気がつきました。それで、さっそく今日あった出来事について話してみると、あんなちゃんとみみちゃんが、「それ、すっごく分かる」「そういうこと、わたしも過去にあったよ」と頷いてくれたので、すごくほっとしました。
 ふたりに伝えたら、そんな出来事は、たちまち笑い飛ばせるささいな出来事に変わって、本当に、話せて良かったです。
 まだ遠慮する気持ちはあるけれど、少しずつ少しずつ、本当に信頼し合えて、3人でいるときは絶対に誰もさみしくならないように、みんなの居場所を作れるようになったらいいなあと思います。

 そして、今日の昼食は、待ちに待ったよもぎ餅でした。
 色といい香りといい、濃くって、よもぎたっぷりなのが、本当に贅沢でした。みんなであちこちに散らばって、あんなちゃんとみみちゃんとよもぎ摘みしたのが、楽しかったなあという思い出もよみがえってきました。
 特別なよもぎ餅、忘れられない春の味になりました。

 最近、いくつもの春を堪能させてもらっています。
 わたしの心にも、春を持ちたいです。誰かを穏やかにあたたかく包み込めるように、誰かを安心させる希望を与えることができるように、春のこころを持っていたいと思います。