「バディと春探し」 りんね

2月26日

 お昼に、バディで春の訪れを探し、スケッチをする、という時間がありました。
 画用紙、先を削った割り箸、墨汁を持って、私はほしちゃんと、外へ出ました。
 プール下畑、梅林、と散歩しながら、小さな春の訪れを見つけました。

 春の訪れ、一番乗りで咲いていたのは、オオイヌノフグリだったな、と思います。私は、この小さくて、しかし強い雑草が、小学生のころから好きでした。
 プール下畑では、まだ芽は動いていないけれど、イチジクの木が元気にしている様子が見られて、嬉しかったです。
 梅林では、梅の黄緑色をした蕾が、どんどん膨らんできていました。一輪、一番乗りで咲いていた花を、ゆりかちゃんとかにちゃんがスケッチしていて、素敵だったな、と思います。

 私たちが最終的に落ち着いたのは梅林奥奥。そこにはナズナがたくさん生えていて、ほしちゃんが、「私、ナズナが好き」と言ってくれて、一緒にナズナを描きました。
 私も、他愛のない優しいナズナが、大好きだな、と思いました。

 スケッチに入る前、ほしちゃんが「空が綺麗」と言ってくれて、思わず仰向けに寝転んで空を観ました。
 今日は良く晴れていたけれど、風が強くて、綿のような雲が、どんどん流れ動いていました。
 ほしちゃんと、「空の色って季節によって違うよね」と話しました。
 今日の空はまだ、冬の空。コバルトブルーの、落ち着いた色だと思いました。それが春になってくると、より鮮やかになってくるな、と思います。
 色の話になって、ほしちゃんが一番好きな色が『ミントグリーン』だと教えてもらいました。思い浮かべるだけで素敵な色で、ほしちゃんにぴったりだと思いました。

 スケッチをしていると、自分は見たそのままを精密に描かなければ気が済まないタイプで、ほしちゃんは、見たものを感性で芸術的な作品にして描くタイプだと思いました。
 私は集中力を一瞬で使い果たして、一輪で力尽きてしまいました。ほしちゃんは、画面全体を芸術的な構図に仕上げていました。
 でも、どちらの絵もすごくいいんじゃないかな、と思いました。

 描き上げて、また仰向けになってのんびりしました。
「時間が止まってるみたいだね」と2人で言いました。ちょっと肌寒いときもあったけれど、日が照ると、ほんのり暖かくて、心地よかったです。

 今、日記を書いてる横に、ほしちゃんの書いてくれた交換日記があります。ほしちゃんが、一緒にいてくれてありがとう、と書いてくれていました。正直泣きそうです。

 一緒にいて、利害関係とかなんでも無しに、心が安らぐ相手。そんな人がいてくれることが、本当に嬉しいなと思いました。

〇夜の集合

 夜の集合でのお父さんお母さんのお話が、印象的でした。
「言葉面だけで全てを判断してしまうこと」
 それは、自分の抱えている問題そのものだと思いました。
 その人との今までの関係とか、前後左右を見境なしに、私はただその瞬間に強くものを言われたら、その人に何もかも嫌われて、憎まれてしまった、という風に受け取ってしまう。
 お父さんも言っていたけれど、私も幼い頃ババババ……と連射銃のように言葉で攻撃され続けて、身に着いた、自分を守るための性質だと思いました。
 言葉だけじゃなくて、ちゃんと広い目でその人の思いを汲んで、理解できるようになっていきたいと思いました。

 また、白黒つけたい、曖昧なグレーを受け入れにくい、という気持ちも、まだ強くあると思いました。今を保留にして、どんなに駄目な自分でもよくて、それでも前向きに進歩し続ける、というスタンスを、もっとしっかりと持てるようになりたいと思いました。