2月10日(金)「桃の木札はミニアルバム & 米糀お姉さんたち、その名は」

2月10日のなのはな

 今日は1日、雨が降っていて、日中に畑作業や桃の剪定は進められなかったけれど、室内でできる桃の木札を作り進める、良い機会になりました。
 なのはなの桃の木は全部で100本以上あって、品種も14種類あります。1本1本の木が、何の品種なのか、収穫時期がいつぐらいなのか、何年に植え付けたのかが、誰が見ても一目で分かるよう、木に掛ける札を作っています。

 これまでも、あんなちゃんや、ななほちゃんを中心に、たくさんのみんなが制作を進めていました。製作途中のところから引き継いで、今日はニス塗りをするところまでを目標に、作り始めました。
 5×10センチほどの木の板に、品種や年などが達筆で下書きされて、彫刻刀で字が綺麗に彫られていました。彫られた谷間に沿って、インクを流し込むように黒マジックで字を書いていきました。

 

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 書くスピードによっては、木の目にインクがにじんでぼやっと染みてしまい、少し難しかったです。にじまないように、けれど綺麗な字に出来るように、慎重に、スピード感を持って書いていきました。 

 あんなちゃんが、畑ごとに看板を分けてくれていました。どこの畑に何の品種が植わっているのかは知っていたけれど、何年に植え付けられた木なのかは知らなくて、看板を作りながら知っていきました。今、剪定している木は、6年前に植え付けられたものなんだ、と畑に植わっている木の様子を思い浮かべながら看板を見ていると、少し桃の木のアルバムを開いているような気持になりました。

 今作っている看板が完成したら、桃の木に取り付けられて、ずっと残るものなのだなと思うと、少し緊張しました。後に残って、誰が見たとしても分かりやすくて綺麗な看板が作りたいなと思いました。

 

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 清書が完成して、午後からは、りんねちゃんと一緒にニス塗りの工程に入りました。水性ニスを使うのは初めてで、最初にさくらちゃんに塗り方を教えてもらいました。ニスは元々一度に厚く塗るものではなくて、乾いてから何度も重ね塗りするものだと話してくれて、厚塗りにならないよう、一回の筆の動きを雑にせずに丁寧に塗っていきました。

 ニス自体が透明なので、ほんの少しのひかり加減を見ながら、全体的にムラなく塗れているかを確認しました。刷毛の先に一点集中して、100枚以上ある看板を一つずつ塗っていく作業に、時間も忘れて夢中になりました。大きな机一面にニスが塗られた小さな看板が並んでいると、少し工場のようで、職人になったような気持になりました。

 

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 ニスを水でどのぐらい薄めるのか、その割合で試行錯誤しました。あまり水を入れないと、粘度が高くて伸びなかったり、塗った時に小さな泡が出来てしまいました。ちょうど良い加減を作るのが難しかったけれど、それも含めて実験のようで、とても楽しかったです。

 表、裏、側面、紐を通す穴、全ての面を二度塗りする予定です。木が成長しても、看板が朽ちないような長持ちするものが作れるようにしたいなあと思うし、今日塗った面が乾いたら、また二度塗りをして綺麗な看板が完成できるよう、これからも頑張りたいです。

(りな)

 

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〈ササゲの選別も進めました。選別作業では、黒大豆、白大豆、小豆もふくめ、今年まく種用の豆も確保していっています〉

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「今回のメンバーは、ちょっとお姉さんチームだね」
 前回の味噌づくり第1弾は子供組さんの割合が高かったのもあり、図らずもお姉さんチームになった今回の第2弾メンバー。
 ゆりかちゃんが言ってくれたこの一言から、私たちは元気な糀たちを育む「お姉さん」となることを使命に、「大人の糀づくり」をスタートさせ、今日、無事に完成しました。

 糀づくり1日目、2日目の様子は、ほしちゃん、ひろこちゃんが紹介してくれていたと思いますので、私は昨日の夜の1番手入れの様子から。
「1番手入れは、糀の変化ぶりに、ものすごく感動するよ!」
 なるちゃんが教えてくれた通り、盛り込みで手入れしたときとは打って変わった、フワフワな糀になっていました。

 

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「すごい……なんか泣きそう……」
 美しい糀の姿に胸を打たれていた、ほしちゃん。ほしちゃんは糀の攪拌のプロでした。今回、糀づくりが初めてとは到底思えない手さばきで、ほしちゃんは、みるみるうちに糀をパラパラに攪拌していきました。ほしちゃんの手入れを受けて、糀は確実に放熱されたことでしょう。
 私は、フワフワの塊になった糀を、なんとかハート型に切り取れないかを試し、ようやく成功。
 音楽をかけながらみんなで、糀たちに愛情を込めて手入れをしました。

 

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 2番手入れは、昨夜10時半から行いました。お姉さんになることばっかり考えていた私たち。この時、糀づくり3日目にして、まだチーム名や、糀たちの名前を決めていなかったことに思い至り、手入れをしながら、チーム名を何にするか、案を出し合いました。

「今回の糀は白大豆味噌と、黒大豆味噌になるから、白と黒にちなんだ名前がいいね」
 そんなことを言いながら、名前を考えました。
「味噌代(みそよ)さんとか、良くない? お姉さんらしくて」

 いろいろな案が出ましたが、夜も更けてきて気分が高揚していたからか、どの案もなおさら面白く感じ、終始みんなで笑っていました。特に、しなこちゃんは、「味噌代(みそよ)さん」がお気に入りだったようです。
 頭の中は熟考しているのですが、手元の仕事は、みんな爆速。下げる温度は、終始、最適な30度付近までに留め、攪拌を進めるみんな。

 

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「せいこちゃん、ふきん、お湯につけとくね」
「なるべく、お米1粒も残さずになまこ型にしようね」
 一緒にアイデアを出しながらも、名前を考えることに気を取られすぎていた私を、ななほちゃん、つきちゃんたちが、きちんと引き戻してくれました。なんと心強いことか。ありがとう!

 安定感抜群に手入れを終え、そして、チーム名も決まりました。
 その名も、「御米〜豆(およね〜ず)」。ひろこちゃんが出してくれたもので、米も豆も入っているし、お姉さんの『ねえ』も語呂に入っています。素敵なネーミングセンスです。ちょっとベテランアイドルのような響きにしたいので、発音も「キャンディーズ」と同じ抑揚で読んでいただけると幸いです。

 

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 チーム名が決まった高揚感を胸に、夜の見回りタイムに入りました。音楽室に泊まり、1時間ごとに交代で見回るのですが、どれだけ糀に思い入れがあっても、連日の早朝手入れなどが重なっているのもあり、案外、寝過ごしてしまう子もいる、この作業。ですが、私の見回りの相方、ひろこちゃんはやはり凄い。
 見回りの時間になったら『春の小川』が流れるアラームを枕元にセットしているのですが、ひろこちゃんは、そのアラームが鳴る2分前に私を起こしに来てくれます。

「メンバー全員を、このアラーム音で起こしちゃうかな、と思って」
 もはや、アラームの1歩先を行く体内アラームが備わっている、ひろこちゃん。彼女のおかげで毎回、確実に、寝過ごすことなく見回りに行くことができました。

 

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 今朝に“仕舞仕事”を終え、糀の名前は、この時にようやく決まりました。白大豆味噌になるほうの糀は「白百合 米花(しらゆり べいか)」ちょっと、古風なお嬢様のような名前に決まりました。黒大豆味噌の糀は「味噌川 黒美(みそかわ くろみ)」美しいですね。これは確実に「お姉さん」な名前です。
 今回の味噌づくりで、どの手入れよりも生みの苦しみを味わったのは、この名前を決める工程だったように感じます。それだけ、みんなの手入れが行き届いていてスムーズだったとも言えますね。

 

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 出糀も無事に終え、見事に美しい糀たちが完成しました。はい、チーズ。(パシャリ)。
 撮影も手入れも一切手を抜かないこのチームメンバー。自分たちに「オトナ」の引き出しがたくさんあった訳ではないですが、楽しむところは思いっきり楽しんで、でも仕事は確実にこなす。この空気感が何よりも「大人」だったと思うし、そんなみんなから、たくさんの強さや優しさを学ばせて頂きました。
 明日はいよいよ味噌玉づくり! 土曜日、家族みんなで、この糀たちと大豆でお味噌を作れるのが楽しみです。

(せいこ)

 

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〈黒大豆、白大豆を洗い、浸漬しました。明日の仕込みが、成功しますように〉

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