【2月号⑥】「新年ライブの特別な一夜」りな

 元日の夜は、お父さん、お母さんの新年ライブです。年に一度、夜遅くまで、みんなとリビングに集まって、たくさん、お父さんとお母さんのお話や、弾き語りを聞くことのできる時間です。とても特別で、お正月の楽しみの一つです。

 実行委員さんが、お父さんとお母さんのお話のテーマを考えてくれて、質問も受け付けてくれました。それとは別に、今年は新しく、アンケート形式で、「二〇二三年は、どんな年になるか」、いくつかの質問を用意してくれていました。

 質問の中には、いま世界で起きている問題のことや、日本の中の問題もありました。普段、あまり意識して考えたことのない質問だったので、この機会で、調べて、考える時間をもらえたことが嬉しかったです。
  
  
 リビングを暗くして、お父さんとお母さんの周りを囲んで、みんなでぎゅっと集まっている時間が、とても温かくて幸せでした。お父さんのギターの音、お父さんとお母さんの歌声がとても鮮明に聞こえて、聞いているだけで安心した気持ちになりました。

 実行委員さんが、回収したアンケートの集計をしてくれて、結果をみんなの前で発表してくれました。

 みんなの答えを共有させてもらうと、より客観的に考えが深まっていくような気がしたし、アンケート結果を踏まえてお父さんが考える答えを話してくださったことも、とても嬉しかったです。

 アンケートを受けるときに、分からないところは自分で調べたけれど、それでも難しくて理解が出来なかったところが、お父さんのお話を聞くと、難解だった紐が解けて、スッと頭に入ってくるような気がして、理解できたことが、とても嬉しかったです。

 また、アンケートで答えたときの自分なりの根拠は、浅くしか考えられていなかったけれど、お父さんから、色んな方向からの見方を教えてもらって、もっと幅広い、深い考え方を知ることができました。

 景気のこと、経済のこと、世界情勢、全てバラバラのようだけれど、世界で起きている問題の根本的な原因は、全て一つに繋がっていることを、お父さんが話してくれました。
  
  
 それは、私達が苦しくなった原因とも深く関わっているものでした。

 私達が抱えた問題は、私達だけの問題ではなくて、本当は誰が持ってもおかしくないぐらい、世界中に蔓延していて、目には見えないけれど広がっているのだと思いました。そのことに気が付いて、警笛を鳴らすことができるのは、ここにいる私達なのだと思いました。

 生きにくさを抱える人の出ない、優しい世界を作る、ということが具体的にどんな世界なのかが分かって、実現していく方法を考えるきっかけになりました。

 そして、一人ひとりの回復が、これから続く人にとって、希望となる道を切り拓くことになるのだという確信が持てるようになりました。毎日毎日の小さな積み重ねで、きっと大きく変えていくことが出来るのだと思えました。

 お父さんとお母さんのお話や歌に、たくさん、パワーや勇気をもらいました。お父さんと、お母さんと、みんなと口ずさんで歌っている時間がとても幸せで、この時間がずっとつづいてくれたらいいのに、と思えるほどでした。

 こんなにも心強くて温かい家族に囲まれて、新年を迎えられたことが本当に嬉しかったです。始まったばかりの今年も、新年ライブの時間でまた一つ、温かい思い出ファイルが作られました。