「太鼓筋を生かして」 つき

2月4日

 午前の作業は、久しぶりに溝切りをしました。最初にリビングで集合したとき、せいこちゃんが、あゆちゃんと一緒に考えてくれたプランを伝えてくれました。最後に、
「必要な道具は剣スコと、鍬、そして……水を流すぞ! という気持ちです!」
 と、せいこちゃんが言ってくれました。全体のプランと、せいこちゃんの気持ちをきくと、ものすごく楽しみになって、やる気が一層湧いてきました。

 10人以上の人数がいたので、溝切りはすごく速いスピードで進んでいきました。みるみるうちに水が流れていくのが、すごく気持ちがよくて、これほど勢いよく流れていく溝切は初めてで、やったそばから成果が見られる作業が、ものすごくやりがいを感じられて楽しかったです。
 時間が経って、どのくらい水が引いているかはまだ分からないけれど、大量の雪解け水がうまく流れてくれて、小松菜も大きくなってくれたらいいなと思います。

 昼食はおはぎでした。今日は配膳に入らせてもらっていたので、台所に行くと、もう用意ができていて、入った瞬間にまりこちゃんが、「その台車のものを持って行きましょう」と、言ってくれたのがすごく格好良かったです。

 食堂に着くと、河上さんと、りゅうさんが、おかまに入ったホカホカのご飯をすり鉢で潰して半殺し状態にする作業をしていました。結構、力が必要なので、河上さんが「つきちゃん交代!」と言ってくださり、りゅうさんと一緒にものすごいスピードでトントンと潰していきました。ちょっとテンポが悪くなると、りゅうさんが『シェイプ・オブ・ユー』をスマホでかけてくれて、音楽に乗りながら一生懸命潰していくのが、すごく楽しかったです。

 腕だけでは乳酸が溜まってきて疲れてしまうので、膝と腰を使って全身でつぶしていると、なんだか太鼓の身体の使い方と少し似ているように感じました。太鼓といったらとにかく力を抜くこと。もち米の粘りが強くなってくると反発がなくなってきてより力が必要になってきたけれど、力み過ぎないように、うまく身体を使っていくことを意識すると、疲れすぎないことに気付きました。
 隣では、りゅうさんが歯を食いしばりながら、どっしりと下半身を構えて、迫力満点のすり鉢さばきを見せてくれていました。それに負けじと、私も太鼓筋を生かして頑張れて、とても嬉しかったです。

 午後は、選果ハウスの掃除の後に、桃の看板づくりを進めました。かなり数があるので、1枚10分以内のペースで進められるように頑張りました。前回は10分ギリギリか、ちょっとオーバーしてしまうか、というペースだったのですが、今日は彫刻刀の使い方のコツが少し掴めて、スピードアップできたと思います。スムーズに進められるようになると、すごく楽しくなってきて、もっとやりたい! というところで今日は終わってしまいました。
 まだ掘らなければいけない札は結構あるので、また次に入ったら頑張りたいです。

 夜は、あんなちゃんと、どれみちゃんとゲームをしました。ダイヤモンドという私が好きだったゲームをしてくれました。ルールを思い出してゲームをしていると、ポイントも何となく思い出してきて、どんどん楽しくなっていきました。和やかな雰囲気で、あんなちゃんと、どれみちゃんとゲームができた時間がすごく安心してリフレッシュできました。

 ずっとゲームに生きたいと思いながらも、つい日記や本を読む時間を優先しがちだったけれど、今日参加させてもらって、すごく開放的な気分になれたので、こういう時間もとても大事だな、と思いました。
 少しずれているかもしれないのですが、お父さんが、インプットとアウトプットの両方をしていくといい、と教えてくださるのと似ているように感じました。今日は、ゲームの時間でさらに彩り豊かな日になって、充実した夜を過ごせました。